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2014年の最優秀賞に引き続き、2015年は過去のご自身の作品をさらに上回る作品を投稿され、見事に私たち審査員はまた驚かされてしまいました。上山様の今作トゥールビヨン3.1は「理屈抜き」です。なぜこれがいいのか、なぜこれを評価したのか、どういいのか・・・そんな言葉は不要だと思います。理屈抜きに「美しい」んです。さらに理屈抜きのこの美しさにはきっと「普段作ることをしない方々」をも引き込んでしまうほどの引力があるように感じます。ものづくりの作品は専門性が高い分、その高度な技術やセンスが一般の方にもわかりやすい「良さ」として届くことはそう多くはないのではないでしょうか。そうした意味で、上山様の今作は昨年の作品を更に超えて、「3次元に歯車が動く」という、その道の方々に限らず誰もが思わず感動してしまうような、そんな魅力を内包しているものだと思いました。本当にいつまでもその歯車の動きを見ていられる不思議な作品です。
昨年に引き続き選んでいただきありがとうございました。また、トゥールビヨン3.1をカッコ良く写真とビデオに収めて頂けたことに改めて感謝いたします。撮影という別ベクトルの「モノ作り」を通し、守備範囲をもっと広げなくてはと感じました。
さて、自身の感覚としては、昨年のVer1.1をレベル1とすると、Ver3.1はレベル5程度までは到達できたのではと思っています。今年は、レベル10から15程度のものを目指したいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
※上記の写真及び動画は、上山様が授与式にお越しくださった時に当社にて撮影させて頂いたものです。
▲上山孔司様ヘのインタビュー記事はこちら。
メカトロマーケットプレイス(委託販売)にてトゥールビヨン3.1の設計データが手に入ります。
3軸(3D)トゥールビヨンの置時計を作りました。1軸トゥールビヨンに文字板を連動させて時計にしてもよいのですが、機構的な動きとしては3軸の方がずっとおもしろいだろうというのがありました。またKitMillの使い方にも慣れてきたこともあり、製作出来そうな目途が立ちましたのでトライしてみました。
製作者 | : | 上山孔司様 |
: | 上山 孔司 |
KitMillで部品を切り出した直後です。各部品には90°V字カッターで面取りを付けています。フライス上で面取りを付けることで、ヤスリでのバリ取りの手間を 省き、かつ、面取りが綺麗に仕上がります。
面取り加工-NCフライス
3軸トゥールビヨンの心臓部とも言える3つの巨大なリングギヤです。切削パスは手書きにて書いています。これもKitMillで切り出しています。歯車強度も考え (と言うより、ピンカドの歯底は単純に嫌だったので)歯底にはΦ0.5の彫金用カッターでRを付けています。
キャリッジの1軸目を傾けるためのかさ歯車です。こちらもCAD上で手書きで歯形を書いています。なお、歯形はインボリュートが正なのに対し、CNCの負荷(データ量)を考え円弧で近似していますが、切り出した後に研磨していることもあり今回の使用上は問題なさそうでした。
動力入力用のハンドル部です。今まではワンウェイクラッチを使っていましたがラチェットを使ってみました。
動力を蓄え、開放するためのゼンマイ(香箱)です。
3つのリングギヤを組み合わせた状態で、段々と形が見えてきています。
ケースの化粧板と文字板です。黒一色では味気ないので化粧板には組子細工でよく使われる『胡麻』模様を加工しています。文字板は針の視認性が悪かったの で、追加でギョーシェ彫りを行っています。どちらも切削パスを手書きして、V字カッターを走らせています。
今回使った治具一式です。治具を出来るだけ少なくするように設計はしていたのですが、それでも形状が複雑な分、本体同等のボリュームになっています。(なお中央がプレス治具、右奥が垂直穴加工用の治具です)
本体背面視です。
ケースに収めた状態です。
トゥールビヨン3.1(Tourbillon ver3.1)
3軸トゥールビヨン-16倍速(2.25振動→36振動相当)