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JKJCたちの本音とは? 椎木里佳が予測する「2017年、これがバズる」
「女子高生とおじさんの橋渡し」椎木里佳の仕事内容とは?
当時15歳、起業のきっかけをあっけらかんと言ってのける椎木。自身が社長を務める「株式会社AMF」ではJC(女子中学生)やJK(女子高校生)たちのトレンドをリサーチし、企業の商品開発やイベント企画などにつなげていく。過去には大手クライアントのLINEスタンプのコンサルティングや、ドンキホーテでの売り上げが1位を獲得したハロウィンのコスチュームをプロデュースしたという。
椎木里佳数万人にばらまく大規模なマーケティング調査とは違って、80人がそれぞれ友達や知り合いから『これが面白いよ!』『これがめっちゃ流行ってるよ』と口コミ情報を収集してきます。そのリアルな情報が強みですね。
その情報を元に椎木が企画を練り、大企業とのビジネスに繋げていく。
椎木里佳時には女子高生のリアルな意見が大企業のおじさんには理解できないようなこともあります(笑)そんなときは、私が彼女たちとおじさんをつなぐ通訳となります!。
では「リアルなJKたちの声」を拾い上げ、分析した結果「2017年にバズる3つのキーワード」を椎木が語ってくれた。
キーワード1:Instagramのハブ化
中でも一番はInstagramですね。「SNSのハブ」と言ってもいいと思います。もちろんフェイススワップで人気のSNOWやSnapchatなども大人気のアプリではあるんですが、基本的には加工した写真や動画の出口はInstagramなんです。カワイイ、面白いと思ったものは即写真に撮ってインスタにアップします。今だったらTBSのドラマから生まれた「逃げ恥ダンス」がこぞって踊ってますね。逆に「キス動画」などで流行ったミクチャ(MixChannel)などは、あまり耳にしないくなりましたね。
キーワード2:「ネオぶりっ子」に見る、SNSにおける価値観の変化と「憧れ」の変化
その象徴的な人物が菅本裕子(ゆうこす)と池田美優(みちょぱ)の2人です。
ネオぶりっ子のそもそもの発端はテレビドラマ「失恋ショコラティエ」の石原さとみさんだったと思います。ものすごいぶりっ子のキャラでしたけど、すごく可愛らしくて、女子高生たちは彼女の着た服や仕草を真似するようになりました。
今までいいと思われてこなかったものでも「本人がいいって思ってるなら、いいじゃん」という考えが認められ始めています。もうひとりのみちょぱは女子高生に大人気のギャルモデルなんですが、大人にになにか言われても「ギャルで生きていく」姿勢が見える。女子中高生たちにとって、自分の価値観を周りに流されずに発信している存在が同年代から生まれている。そのおかげで普通の女子高生もSNSなどで「自分がいい!」と強く思ったものを人の目を気にせずガンガン発信するようになっているのだと思います。
キーワード3:大人たちの間で流行ると冷めてしまうのが女子高生
女子高生たちが流行に向ける懐疑的な視線。その最もシビアな例が「ハロウィン」です。今年のハロウィンイベントは、盛り上がってはいたんですけど、高校生自体はほぼ参加してなかった印象。女子中高生のハロウィンは去年の方が盛り上がっていました。確かに日本のハロウィンはあっという間に火がつき、20歳以上の大人のためのイベントに独自に進化、今年の市場規模は1453億円とバレンタインデーを超えるまでに成長しています。でも、大人たちが盛り上がる一方で、女子高生たちは冷ややかな視線を向けているんです。大人たちの方が盛り上がってきて、地方でも積極的にハロウィンイベントをやり始めると、「なんか、イヤ」と感じてしまうんです。流行にうるさい女子高生だと郊外で似たようなイベントが始まると、もう「オワコン(※)」なんです(笑)。 ※オワコンとは、終わったコンテンツの略語。
「炎上上等」「最終的に成功すれば失敗なんてない」椎木里佳の仕事の哲学
だが、アプリ開発の外注先が不祥事を起こし、自らのTwitterが大炎上したときには「珍しく追い込まれた」という。
椎木里佳もちろん、関係各所にはすぐに謝罪にいきました。でもTwitterで『炎上させてくださった皆さんありがとうございました』って投稿がまた炎上して。しかもタイミングの悪いことに食中毒になってしまって、トイレにこもって吐きながら事後対応に追われていました。(笑)反省する部分は多いですが、学ぶことも多かったです。
弱冠19歳、転んでもただでは起きないタフネスを身につけつつある。創業から4年目、これから椎木はどこへ向かうのか。「2020年には上場したいし、将来的には『若者のことなら椎木に聞け』って言われるくらい会社を大きくしたい」壮大な目標をこともなげにいってのけるが、そこにギラついた野心が隠されているワケでもない。
憧れる人物とか聞かれますけど、悩みますよね…。上の世代には、活躍されている女性起業家が数名おられますが、私の同世代にそういった方ってまだいなくて。起業家は天才しかなれないとかっていう都市伝説的な話を聞くんですが、自分は違うと思っていて。もっと色んなタイプの起業家がいてもいいと思うし、私は肩肘張らずにやっていきたい。起業当初は色んなことがやりたくて自己満的な形で起業しただけですし。(笑) ただ、自分の芯は曲げない、米VOGUE編集長のアナ・ウインターみたいな存在の女性になりたいと思ってます。
常に想像の斜め上を行く女子大生社長、椎木里佳。ネットではとやかく言われることが多い彼女だが、実際に会ってみると彼女の底知れないバイタリティを感じた。これからも躍進する彼女に注目していきたい。
ライター:那須葉月