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(更新: ORICON NEWS

艦隊、料理、鉄道etc.……日本人はなぜ“擬人化”したがるのか?

 鉄道や料理、銃、さらには国まで……身の回りのありとあらゆるものを美少女やイケメンキャラクター化してしまう、いわゆる“擬人化”コンテンツが注目を集めている。最近では、日本の艦隊を“艦娘(かんむす)”として美少女キャラクター化した『艦隊これくしょん -艦これ-』などゲームやアニメ作品のヒットに加えて、企業も自社商品を擬人化しプロモーションやブランディングに活用する事例が増えるなど、対象となったモノを挙げるとキリがないほどだ。では、なぜ日本にはこんなにも擬人化コンテンツが溢れているのだろうか? その歴史をひも解きながら探っていきたい。

擬人化の元祖と言われる『びんちょうタン』

  • 埼玉・浦和の駅を擬人化。4月よりテレ玉で放送される『浦和の調ちゃん』

    埼玉・浦和の駅を擬人化。4月よりテレ玉で放送される『浦和の調ちゃん』

 ヒットコンテンツが出てきたことで話題になっているが、ことアニメやゲーム分野に関しては、擬人化は今に始まったことではない。同人などでは古くから取り扱われているジャンルだった。諸説あるが、現在の擬人化ムーブメントの元祖は、2003年より漫画連載が開始し、その後TVアニメ化もされた『びんちょうタン』という作品であるとされている。タイトル通り、主人公は“備長炭”を萌えキャラクター化した「びんちょうタン」で、主人公を取り囲む個性豊かなキャラクターも、様々な炭を可愛らしく擬人化したもの。内容自体は彼女たちの日々を描いた日常系作品だが、その発想のユニークさからアニメファンの間で注目を集め、今もなお根強いファンを持つ。

 こうして一部のコミュニティで盛り上がっていた擬人化作品が幅広い層まで知られるようになったのは、2000年代後半からのアニメブームが関係しているように思う。アニメが大衆的な人気を得ていくなかで、豊富な“あるあるネタ”を取り扱った擬人化アニメは、様々なメディアで盛んに取り上げられた。世界の国をキャラクター化した『ヘタリア』シリーズ、大江戸線や中央線の駅をイケメン擬人化した『ミラクル☆トレイン』などのタイトルは目にしたことがある人も多いのではないだろうか。

もともと日本人はキャラクター好き

  • TVアニメ『艦隊これくしょん−艦これ−』EDテーマ、西沢幸奏の「吹雪」。CDジャケットには吹雪が登場

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  • TVアニメ『艦隊これくしょん−艦これ−』OPテーマ、AKINO from bless4の「海色(みいろ)」。CDジャケットには吹雪、睦月、夕立、川内、神通、那珂が登場

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 もともと日本人は“キャラクター好き”。動物はもちろん、ありとあらゆるものがキャラクター化され、感情を持って動いてきた。この背景には、古くから日本で『自然に存在するすべてものに神が宿る』と考えられてきたことがあると言われている。例えば今熱心に画面を見ているPCやスマートフォン、かけているメガネ、外の木々や花…万物には“魂”が宿っている。長く使っていれば愛着が湧いて、「このPCちゃん、ツンデレだな……」なんて思ったことがある人も多いはず。そうした日常の些細な発想がより具体的になり、ビジュアル要素が加わったものが“キャラクター化”や“擬人化”なのだ。

 たとえ無機質なモノでも、キャラクターとして肉付けされると、途端に対象に対して様々な感情が湧きあがってくる。特に日常で触れているものや、知識として触れてきたものならなおさらだ。そういう意味では、『艦これ』がゲームやアニメファンのみならず、ミリタリーファンからも擬人化が支持を受けているという部分も頷ける。刀を擬人化した『刀剣乱舞』など、斬新な擬人化はまだまだ続いている。日本人の特性を巧みに表現する擬人化ムーブメントは今後さらに加速していきそうだ。
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