ここ数年、表題のようなことを思っている。
「廃止」でも「移行」でもなく、「撲滅」という表現を使っているのは、なるべく早い時期に消え去って欲しいからだ。「互換ゲートウェイ」みたいなものもなくなって、ある日を境にport 25のトラフィックは全部止められてしまう的な。
ところが、「次世代メール」との声のあったGoogle Waveは提供中止になるようだ。
ちょっと前までは、「メールがイマイチ使いものにならないんで、mixiのメッセージで」ってのが周囲で流行っていたのだが、
「mixiが落ちたようだな」「クックック、ヤツは我ら四天王の中でも最弱…」 「夏休みごときに耐えられんとはSNSの面汚しよ!」(音声は変えてあります)
なことになっている。twitterは「鯨が出てこそ正常」とまで言える状態だ。他方、
今どきの小中高生はメール使わない→10年後「メールで仕事」は絶滅?
「電子メール時代の終焉」は来るか:「メールを使わない人」が増加
なんて話もある。
「port 25を使うメールは撲滅されるべき」と思っているのには、いくつもの理由がある。ちょっと挙げてみても、
- spamが多くて読むに耐えない上に、spamフィルタのせいで到達性が悪くなっている
- そもそも到達性の保証がない
- 仕様がつぎはぎだらけで、それでいていろいろ不足しているので、妙なローカル実装が幅をきかせている
- そもそも今時のネットワークやITの技術から見ると遅れている
とか、誰でも「あるある」と思うし、さらにいくつも挙げられるだろう。偉そうに私が語るべきものでもないと思う。
その辺は多くの人が合意出来ることだと思うのだけど、じゃあ何で代替するんだとなると、ほぼノーアイディアと言ってもいい。
冒頭に書いたように、一時はSNSを始めとするネットサービスが代替するのかと思われた。しかし、今時のネットワークサービスが「port 25のメール」と同じ規模でスケールするかと言えば、多分無理だろう。また、仮にそれが可能になったとして、「どこか単体のサービスプロバイダのサービス」に全てを委ねることが出来るかと言えば、それは勘弁と思う人は少なくないはずだ。
よく考えると、「古き良きインターネット」というのは、いろんな形で分散処理をさせてスケールさせて来た。「port 25のメール」然り、IRC然り。ところが、いつの間にかtwitterのように「全てを単一のプロバイダで」という形式のシステムが増えて来た。そして、そういったサービスを相互接続するような、いわゆる「古き良きインターネット」がとっていたような分散処理からは離れて行った。高々メッセージングサービスを協調分散させるような、そういったことすら同意がされない。いや、「同意」はされているのかも知れないが、それを実装したサービスが日の目を見たって話が、そもそもない。
ということで、今のインターネットの状況を考えると、「port 25を使うメール」が「撲滅」されるためには、もういくつかのハードルを越えなきゃいけないし、その「ハードル」は技術とゆーよりビジネスの方かなという気がしてる。
でも、今のtwitterやらmixiやら「port 25を使うメール」やらの現状を見てると、金金言ってるビジネス系の人達よりも、もっとピュアに技術的なものを楽しんでしまう、特に学生さんあたりが何か無茶なものを作らないかなーとゆー期待をしてみたりする。他はさて置き、こういったものってのは「無邪気」って大事だろうから。
PS.
たとえば、IRT(Internetwork Relay Twitter)みたいなものって、それ系の学生にとってはいいチャレンジだと思うし、うまくすれば天下取れるネタでもあると思うのだが…
ピンバック: Tweets that mention port 25のメールは撲滅されるべき | おごちゃんの雑文 -- Topsy.com