JOYSOUNDのランキングがヤバい。
何がヤバいって、これは「総合ランキング」だということ。つまり、JOYSOUND利用者全体のランキングなのだ。
ぱっと見るとわかると思うのだが、ほとんどが「アニソン」と「ボーカロイド」だ。クドいようだが、これは「総合ランキング」であって「アニメランキング」ではない。つまり、JOYSOUNDで歌う人は、
アニソンとボーカロイド
が多いということだ。まぁあくまでも「ランキング」だから、これらの占有率が高いというわけではないのだけど。
「アニソン」については、実はそれ程驚いていない。なぜなら、アニソンは今時珍しく「メディアで繰り返し流れる」曲であり、「仲間で盛り上がりやすい」曲だから、親しまれやすいし、歌われやすい。そもそも、たいていのアニソンは「みんなが歌う」ことを意識して作られている。
どこかで読んだのだが、
アニソンは歌謡曲の正統な後継
という話もある。そう言われて聞けば、80年代頃の歌謡曲に似た「くささ」がある。
「くさい」というのはリアルではうっとおしいが、バーチャルでは心地良い。韓流ドラマが流行ったのも、日本ドラマがリアリティに向かい過ぎて「くささ」が減ったからだとゆー分析も出来るわけで、「くささ」は重要なのだ。とは言え、「リアリティ」と「くささ」は同居したがらないものだから、「アニメ」というバーチャルにくっつけておけば、うっとおしくなく、また無邪気に歓迎出来る。なので、現代の音楽シーンを考えれば、アニソンが上位に来るのは不思議でも何でもない。
私が衝撃を受けたのは、むしろボーカロイドが随分あるということ。
「ボーカロイド」のオリジナル曲の作者は、たいてい「素人」か「野生のプロ」だ。つまり、商業ベースの音楽とはあまり縁のない、商業的には素人に属する人達だ。「素人パワー」がここまで侵食して来ているという点を脅威に感じるわけだ。
プロは当然ながら、「勝つ気」で来ている。また、曲を作ることで少なからぬ報酬を得ている。そういった素人に負けるはずのない存在、そういった人達が頑張っている業界が、かなり素人に侵食されているわけだ。
かつて、フリーソフトウェアが伸び始めた頃、当初は「しょせん素人の作品」という扱いを受けていた。それがそのうち、企業が参入したりして、だんだん業界の一翼を担うようになった。そういった姿を目の当たりにしていても、「音楽」や「文学」に関してはそうはならないというのが、大方の見方だった。
「文学」と言えるかどうかは別にして、最近のドラマ脚本は「オリジナルはネット」のものは少なくない。多分「電車男」あたりからなんだろうが、それなりに増えている。ドラマに限らず、映画にも侵食している。つまり、
ウケれば素人でもOK
な世界が作られつつある。
音楽は昔からフリーな曲は結構あったのだけど、それらがメジャーで流通するのは難しかった。ところが今やここでも「ウケれば素人でもOK」が可能になってしまった。「良いもの」であれば、誰の作品でも構わないということが可能になった。
これらのことについて、ここから先にはいろいろなことが考えられると思う。音楽業界やCD業界の停滞を見ることも出来れば、CGMの現状を考えることも出来るだろう。そういったことは他の人に譲ることにするのだが、とにかくこの「ランキング」にいろいろ感慨深いものがある。
PS.
「後継者」のことはちょっとソースを失念。まぁ、多分私のことだからtwitterあたりで聞き齧ったんじゃないかと思います。
PS2.
オリコンもかよ…
まぁ確かに「JOYSOUNDじゃん」ってのもわかるんだけど、いくらヲタ曲の多いJOYSOUNDと言っても、行くのが全員そうだってわけじゃない。ほとんどの人は「入ったカラオケ屋がJOY SOUNDだった」だと思う。それに「オリコン」の話を見ても、「やっぱりなぁ」感があるわけで。
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素人なら『一生に一本ヒットが出れば成功』ですから一本に凄い時間と手間暇と情熱を捧げられるんですよね~。プロの人は本当にこれから大変そうです。
そこなんですよ。一発屋ばかりでも、その一発屋は後から後からやって来る。「プロいらない」とは間違っても思いませんが、いろいろ油断ならないなと。
鉄拳(芸人の方)がフリー時代の方が
給料良かったっていう話を思い出しました。
プロ(芸能プロ所属)になって
給料下がるってなんか切ない・・・
今週はもっとすごいですよ。
エヴァとけいおん!!と坂本冬美さんが頑張らなかったらどうなっていたか・・・・・