- シンクタンクならニッセイ基礎研究所 >
- 韓国の失業率は本当に低いのか?-非労働力人口の割合などが高いのが原因-
■見出し
1--------低すぎる韓国の失業率
2--------韓国の失業率が低い理由
3--------失業率を正しく比較・分析するには
■introduction
2008年9月に端を発したリーマン・ショックの影響で世界経済は大きく落ち込み、アメリカを含めた世界の雇用情勢は厳しい状態が続いた。OECD加盟国における最近(2010年)の平均失業率は、1年以上の長期失業者の増加により急上昇し8.5%まで上昇した。一方、同時点における韓国の失業率は3.8%でノルウェー(3.7%)を除いて最も低く、最近は平均3~4%水準を維持している(日本5.3%、図表-1)。韓国における失業率が最も高かった時期は、アジア経済危機以後の約2年間で、1998年と1999年における失業率はそれぞれ7.0%と6.3%であった(図表-2)。と言っても2010年のOECD加盟国の平均失業率よりも低い水準である。
韓国の失業率がこのように低い理由はどこにあるのだろうか。韓国政府の完璧に近い労働市場政策の効果が現れた結果であるのか、あるいは、景気低迷などが理由で就職したいけれどあきらめて求職活動をしていない者を含めた非労働力人口が多いのが原因であるのか。本稿ではいくつかのデータを用いて韓国における失業率推計の問題点を説明したい。
(2012年01月25日「基礎研マンスリー」)
このレポートの関連カテゴリ
生活研究部 上席研究員・ヘルスケアリサーチセンター・ジェロントロジー推進室兼任
金 明中 (きむ みょんじゅん)
研究・専門分野
高齢者雇用、不安定労働、働き方改革、貧困・格差、日韓社会政策比較、日韓経済比較、人的資源管理、基礎統計
03-3512-1825
- プロフィール
【職歴】
独立行政法人労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー、日本経済研究センター研究員を経て、2008年9月ニッセイ基礎研究所へ、2023年7月から現職
・2011年~ 日本女子大学非常勤講師
・2015年~ 日本女子大学現代女性キャリア研究所特任研究員
・2021年~ 横浜市立大学非常勤講師
・2021年~ 専修大学非常勤講師
・2021年~ 日本大学非常勤講師
・2022年~ 亜細亜大学都市創造学部特任准教授
・2022年~ 慶應義塾大学非常勤講師
・2024年~ 関東学院大学非常勤講師
・2019年 労働政策研究会議準備委員会準備委員
東アジア経済経営学会理事
・2021年 第36回韓日経済経営国際学術大会準備委員会準備委員
【加入団体等】
・日本経済学会
・日本労務学会
・社会政策学会
・日本労使関係研究協会
・東アジア経済経営学会
・現代韓国朝鮮学会
・韓国人事管理学会
・博士(慶應義塾大学、商学)
金 明中のレポート
日付 | タイトル | 執筆者 | 媒体 |
---|---|---|---|
2025/01/10 | 2025年から大きく変わる韓国の労働関連政策のポイント | 金 明中 | 研究員の眼 |
2024/12/19 | 韓国における最近の最低賃金に関する議論について-最低賃金の地域・業種別差別化の提案に対して労使間に隔たり- | 金 明中 | 研究員の眼 |
2024/11/26 | ニッセイ景況アンケート調査結果-全国調査結果 2024年度調査(2024年9月) | 金 明中 | ニッセイ景況アンケート |
2024/11/21 | なぜ日本の出生率は韓国より高いだろうか | 金 明中 | 研究員の眼 |
公式SNSアカウント
新着レポートを随時お届け!日々の情報収集にぜひご活用ください。
新着記事
-
2025年01月24日
地方創生2.0とサステナビリティ~地方創生SDGs推進に向けて重要度が高まる「データ利活用」 -
2025年01月24日
第三者委員会とは-内部調査委員会との相違 -
2025年01月23日
グローバル株式市場動向(2024年12月)-米国金利上昇や欧州の政治的混乱により下落 -
2025年01月23日
貿易統計24年12月-10-12月期の外需寄与度は前期比0.3%程度のプラスに -
2025年01月22日
トランプ政権始動、円相場の行方は関税次第に~マーケット・カルテ2月号
レポート紹介
-
研究領域
-
経済
-
金融・為替
-
資産運用・資産形成
-
年金
-
社会保障制度
-
保険
-
不動産
-
経営・ビジネス
-
暮らし
-
ジェロントロジー(高齢社会総合研究)
-
医療・介護・健康・ヘルスケア
-
政策提言
-
-
注目テーマ・キーワード
-
統計・指標・重要イベント
-
媒体
- アクセスランキング
お知らせ
-
2024年11月27日
News Release
-
2024年07月01日
News Release
-
2024年04月02日
News Release
【韓国の失業率は本当に低いのか?-非労働力人口の割合などが高いのが原因-】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。
韓国の失業率は本当に低いのか?-非労働力人口の割合などが高いのが原因-のレポート Topへ