外為12時 円相場、大幅高 一時152円台半ば リスク回避や実需の買い
27日午前の東京外国為替市場で、円相場は大幅に上昇した。12時時点は1ドル=152円63〜65銭と前日17時時点と比べて1円40銭の円高・ドル安だった。正午すぎに152円49銭近辺と8日以来の高値をつけた。国内輸出企業の円買い・ドル売り観測が相場を支えた。トランプ次期米大統領による関税強化の方針表明を受け、対象国である中国の経済の先行きなどを巡って投資家のリスク回避姿勢が強まり、低リスク通貨とされる円の買いにつながった。
トランプ氏は25日、中国に加えてメキシコやカナダを対象に関税の強化を表明した。メキシコペソやカナダのドルなどが対米ドルで売られたほか、中国の人民元も一時下落。これらの通貨の先安観から、相対的に低リスクとされる円に買いが入りやすくなっている。
国内輸出企業の円買い・ドル売り観測も相場を押し上げた。月末が近づき、11月中に資金を受け渡す取引が活発になっている。10時前の中値決済に向けては最終的にドルが余剰だったようだ。米国の関税政策への警戒感から27日午前の日経平均株価が大きく下げたのもリスク回避の円買いを誘った。
米国では28日の感謝祭からホリデーシーズンが始まるため、アジアの拠点を置く欧米の投資家などからこれまで積み上がった円売り・ドル買いの持ち高を解消する動きも増えている。
石破茂首相が26日、首相官邸で開いた政労使会議で高水準の賃上げ実現への協力を求めたことも円の買い材料となったという。市場では「日銀による12月の金融政策決定会合での追加利上げが一部で意識されたようだ」(関西みらい銀行の石田武ストラテジスト)との解説があった。
円は対ユーロでも大きく上げた。12時時点は1ユーロ=160円02〜04銭と、同1円29銭の円高・ユーロ安だった。12時すぎには159円80銭近辺まで買われた。
ユーロは対ドルで小幅に上昇した。12時時点は1ユーロ=1.0484〜85ドルと同0.0012ドルのユーロ高・ドル安だった。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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