米ロ、シリア問題で平行線 2時間会談も溝埋まらず
【スライゴ(アイルランド北西部)=中山真】オバマ米大統領とロシアのプーチン大統領は17日、英国北アイルランドの主要8カ国(G8)首脳会議(サミット)の会場内で約2時間、会談した。両首脳はシリアの内戦を終結させる必要性では一致したものの、アサド政権退陣を求める米側と、アサド政権を支持するロシア側の溝は埋まらず、反体制派への軍事支援などを巡る議論は平行線に終わった。
オバマ氏は会談後にシリア情勢について「我々の立場は異なっているが、暴力行為を減らし、化学兵器を使用させないことの関心を共有している」と記者団に語った。プーチン氏も立場の違いに触れたうえで「暴力をやめさせる目的は共通している」と述べた。
両者は記者団の前では「立場の違い」の内容について具体的な言及を避けた。ただ、オバマ氏は会談で反体制派への軍事支援の根拠としているアサド政権の化学兵器使用について米側が把握する情報をプーチン氏に改めて説明して理解を求めた。プーチン大統領は米側が主張する化学兵器使用は根拠がないとの立場を示し、欧米による反体制派支援を非難した可能性がある。
米政府は13日にアサド政権による化学兵器の使用を確認したと発表。反体制派への武器供与を決めた。友好国であるシリアに長年、武器を輸出してきたロシアはこうした動きに反発していた。