S&P、フランス長期国債をダブルAに1段階格下げ
【ロンドン=黄田和宏】米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は8日、フランスの長期国債格付けを「ダブルAプラス」から「ダブルA」に1段階引き下げたと発表した。格付け見通しは「安定的」とした。S&Pは「政府の税制改革などが中期的な経済成長見通しを大きく改善させることはない」と理由を説明。高い失業率が今後の財政健全化や構造改革を遅らせるとの見解を示した。
モスコビシ仏経済財政相は8日、格下げを受けて声明を発表し、「この18カ月間に政府は経済状況の改善や財政改革、競争力の向上に取り組んできた」と批判。「フランス国債はユーロ圏で最も安全で流動性の高い資産のひとつであり続ける」と述べた。