首相、レーダー照射で中国に謝罪要求 「捏造」発言に反論
安倍晋三首相は8日夜のBSフジ番組で、中国海軍艦船が海上自衛隊の護衛艦に火器管制レーダーを照射した問題について「中国は素直に認めて謝罪し、再発防止に努めてもらいたい」と述べた。
中国外務省の華春瑩副報道局長は同日の記者会見で、火器管制レーダーを使用したとする日本の発表に関し「完全に捏造(ねつぞう)だ」と否定。中国国防省は談話で、使ったのは警戒用レーダーだったと説明した。
首相はこうした中国の主張に反論。「レーダーがこちらを向いているかどうかも含め、目視や写真などで確認している」と強調し「今回のレーダー照射は世界から見てルール違反だ。日本は堂々と国際社会でも述べていくべきだ」と訴えた。
首相が親書を託した公明党の山口那津男代表と中国共産党の習近平総書記の会談など「対話がスタートする中では極めて不可解だ」と指摘。今回の中国側の行動について「新体制で外交政策をスタートさせるのは最終的に人事が終わる3月以降だと見ているが、その移行期の混乱かもしれない」との認識を示した。
同時に「こういうところから(日中対立が)エスカレートしてはならない」とも語った。「戦略的互恵関係の原点に戻るという意味で対話の扉を閉じるつもりはないし、首脳レベルも含めたハイレベルの対話が必要だ」と中国との関係修復をめざす立場も示した。
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