婚外子相続差別は違憲 最高裁大法廷
結婚していない男女間に生まれた婚外子の相続分を、法律婚の子(嫡出子)の半分とする民法の規定の合憲性が争われた2件の遺産分割審判の特別抗告審で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允長官)は4日、規定は違憲と判断し、二審の判断を破棄して審理を各高裁に差し戻す決定をした。大法廷の裁判官14人全員一致の判断。
最高裁が法律の規定を違憲と判断したのは戦後9件目。決定を受け、国会は民法の改正を迫られる。
今回争われたのは、東京都と和歌山県の男性の遺産分割事案。2人には法律婚の妻と内縁関係の女性との間にそれぞれ子供がおり、いずれも2001年に死亡したことで子供らに相続権が発生した。
特別抗告審で婚外子側は「家族や結婚に関する価値観が変化し、国連からも相続の平等化を再三求められてきた。規定の存在意義は既に失われており、無効と判断すべきだ」と主張。嫡出子側は「規定は法律婚を尊重しつつ、一定の相続分を認めることで婚外子にも配慮したもので、合理性がある」と反論した。
一審の東京、和歌山両家裁は嫡出子側の主張を認め、「規定は合憲」と判断。二審の東京、大阪両高裁も支持していた。