イー・アクセス買収額、時価総額の3倍 ソフトバンク
ソフトバンクによるイー・アクセスの買収額は先週末の終値ベースの時価総額の3倍強に上る。買収が報じられたのを受け、1日の東京株式市場でソフトバンクの株価は2%下落した。「買収額を割高と思った投資家や、新株発行で1株価値が減ると思った投資家が多かった」(外資系証券)
これに対し、ソフトバンクの孫正義社長は「企業価値を適正に評価した」と強調する。イー・アクセスから新しい周波数帯や顧客基盤を獲得できるほか、ネットワークの共用などで、企業価値は7220億円に達するとソフトバンクはみる。つまり、買収で得られるインフラなどの価値を評価したわけだ。
SMBC日興証券の森行真司アナリストは「周波数帯を相互補完でき、相乗効果が大きい」と分析。クレディ・スイス証券の早川仁アナリストも「買収額は妥当」と話す。
ソフトバンクは買収に当たり、TOB(株式公開買い付け)ではなく株式交換を用いる。これにより多額の現金の支出を抑え、今年6月末で7900億円程度の純有利子負債を必要以上に膨らませない狙いもある。イー・アクセスの純有利子負債(6月末で約1850億円)が加わるが、孫社長は「両社のフリーキャッシュフロー(純現金収支)の水準を考えれば、健全性を維持できる」と語る。
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