実質賃金2カ月ぶりマイナス脱する 4月、正社員増が下支え
厚生労働省が6日発表した4月の毎月勤労統計調査(速報値、従業員5人以上)によると、物価上昇分を差し引いた実質賃金は前年同月と比べて横ばいだった。2カ月ぶりにマイナスから持ち直した。1人当たりの名目賃金にあたる現金給与総額は27万5321円で前年同月比で0.5%増えた。正社員の増加が賃金を下支えしている。
名目賃金の内訳をみると、基本給を示す所定内給与が前年同月に比べて0.4%増加した。通勤手当や賞与を示す特別に支払われた給与は5.6%の大幅増だった。残業代を示す所定外給与は0.2%減だった。
正規社員を含むフルタイム労働者の増加が賃金増に寄与した。パートタイム労働者の比率は30.06%と前年同月に比べて0.23ポイント低下し、2005年12月以来11年4カ月ぶりの低下幅になった。雇用形態別の賃金は、フルタイム労働者が前年同月比0.2%増だった。企業は人手不足に対応するために正社員などの雇用を増やしている。
消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)は前年同月比で0.5%上昇した。電気やガソリンの値段の上昇で物価全体が上がり、実質賃金を名目賃金より押し下げた。