不明大学生、1カ月ぶりに地上から捜索 熊本地震
熊本県警と消防は1日、地震で崩落した南阿蘇村の阿蘇大橋近くで行方不明となっている大学生、大和晃さん(22)の地上からの捜索を実施した。地上捜索は二次災害の恐れがあるとして5月1日に打ち切ったが、余震の回数が減少傾向にあることを踏まえ可能と判断した。
午前10時ごろに始まり、約120人が展開。阿蘇大橋より下流の約4キロの区間を午後3時ごろまで捜索する計画で、川の両岸やヘリコプターからの目視確認のほか、水中捜索を順次実施した。
晃さんの両親も訪れ、川が見える地点で捜索の様子を静かに見守っていた。母の忍さん(48)はこれまでの取材に「土砂が堆積している場所をいくつか見つけた。そこを重点的に捜してもらえれば」と話していた。
県警によると、晃さんは4月16日午前0時半ごろ、熊本市東区の友人と別れて阿蘇市の自宅に車で向かっていた。最大震度7を観測した16日未明の本震後、阿蘇大橋付近を走行中に崩落に巻き込まれた可能性がある。
5月1日までは遠隔操作できる無人の重機などを使い、土砂崩れ現場近くを捜索。打ち切り後は週1回、県警や消防のヘリが上空から確認を続けていた。
一連の地震による死者は49人で、安否不明は晃さん1人。〔共同〕