シーズン4の第1回は、昨年、映画化され大きな話題となった「秘密 -トップ・シークレット-」の女性漫画家「清水玲子(54)」が登場。1983年、「三叉路物語」でデビュー。2002年「輝夜姫」で第47回小学館漫画賞受賞。99年から連載がスタートした「秘密」で、2011年第15回文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞するなど、いま熱い注目を集めている。少女漫画でありながら、最先端の科学技術を盛り込んだSF世界を、繊細なタッチで描き熱狂的なファンを獲得している。
漫勉初のホラー漫画家「伊藤潤二(53)」が登場。代表作は「富江」シリーズ。現在まで、8作も映画化され、人気ホラー映画シリーズとなっている。幼少の頃から、楳図かずおや古賀新一の怪奇漫画に熱中し、高校卒業後、歯科技工士になるも、86年投稿した「富江」がきっかけでデビュー。その後、漫画に専念し、「うずまき」「闇の声」「魔の断片」などホラー漫画を中心に発表。「誰も見たことがない世界を作りたい!」奇想天外な発想から生み出される恐怖の世界に、読者は一度はまると抜け出せない!
青年漫画の第一人者「山本直樹(57)」が登場。84年、「私の青空」でデビュー。ストーリー性のある青年漫画を描く一方で、大胆な性描写の成人向け漫画も話題に。91年発表「BLUE」では、その過激な描写が論争となるが、その後も作風は変わらず、95年発表「ありがとう」では「家族とは何か」を問いかけたテーマ性も高く評価される。「あさってDANCE」「君といつまでも」「ありがとう」など多くの作品が映画化されている。2006年、連合赤軍事件を題材にした「レッド」の連載開始。10年には、第14回文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞。今回、20年来フルデジタルで描いているという執筆の現場に密着した。
日本を代表する漫画界の巨匠「ながやす巧(68)」が、なんとテレビ初出演!ちばてつやに憧れ、熊本から上京。貸本劇画作家としてデビューし、72年に発表した代表作「愛と誠」で一世を風靡する。その後、浅田次郎原作「ラブ・レター」「鉄道員」の世界を忠実に緻密に描写した作品は、浅田自身からも絶賛されている。今回は2010年に第39回日本漫画家協会賞・優秀賞を受賞した「壬生義士伝」の執筆に密着。デビューから今まで、アシスタントは一切使わない主義を貫き、すべて一人で作業してきたという誰も見たことない現場に初めてカメラが入った。そこで発見したのは、一切妥協のない姿勢で、執筆に取り組む真摯な姿だった。
50年に渡り第一線で活躍する漫画家「池上遼一(72)」が登場!
1961年、貸本漫画「魔剣小太刀」でデビュー。水木しげるのアシスタントを経て、本格的に活動開始。代表作「男組」「サンクチュアリ」「クライングフリーマン」。「HEAT―灼熱―」で小学館漫画賞を受賞。雁屋哲、小池一夫、武論尊ら一流の原作者とコンビを組み、圧倒的な画力で描かれる人間ドラマは日本だけでなく、海外にもファンが多い。今回は、この秋スタートする最新作、その初回の執筆現場に密着。「理想の美男美女」を生み出す超精密なデッサンと、新たな主人公を生み出す奮闘の模様が明らかになる!
想像力あふれる個性的な作風で、熱い注目を集めてきた「三宅乱丈(50)」が登場!
1998年デビュー。99年にはギャグ漫画「ぶっせん」が話題に。その後、SFアクションギャグから、超能力をテーマにした骨太ストーリ漫画まで、多彩な作風に挑戦。今回は、第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞したSFファンタジーの大作「イムリ」の執筆現場に密着。丁寧な下書きから生みだされる驚きのペン入れや、絵に感情を宿すために、何度も繰り返される鬼気迫る執筆に迫る。
ハードボイルドでありながら、スタイリッシュな作風で絶大な人気を誇る「髙橋ツトム(51)」が登場。
高校中退後、一時は就職するも、漫画を志し、87年に、初めて描いた作品が、出版社の賞を受賞。89年、漫画家デビューを果たす。その後、ドラマ化映画化された「スカイハイ」シリーズで一躍人気漫画家となる。今回は、人間の心の闇と、生き方を問う、青春逃走物語「残響」の執筆現場に密着。全ての作業を一人で行い、そこから生み出される自由な手法と衝動を掻き立てられるような絵の熱量の正体に迫る!
漫勉初!いよいよ浦沢直樹が登場する!
2008年から連載してきた時空を超えたSF大作「BILLY BAT」が、今年の秋、最終回を迎える。なんとその最終回の執筆作業に、10日間にわたり完全密着!現代の漫画家の最高峰のペン先映像を記録した。今回は、浦沢直樹が、自身のペン先映像を観ながら、独自の視点で解説。浦沢自身も今まで気づかなかった漫画家「浦沢直樹」の秘密に迫る!
少女漫画界の神様とも言われる漫画家、「萩尾望都」が登場!
「ポーの一族」「11人いる!」で小学館漫画賞。「残酷な神が支配する」で手塚治虫文化賞マンガ優秀賞。2012年には、少女漫画界で初めて紫綬褒章を受章。デビュー48年経った今も、第一線で活躍する。
今回は、初めて「王朝もの」に挑んだ野心作「王妃マルゴ」の現場に密着。漫画ファン垂涎のペン先。そして、若い頃から貫いてきた人物の「葛藤」を描きたいという熱い思いが明らかになる。
若者に絶大な人気を誇る「花沢健吾」が登場!
代表作である「ボーイズ・オン・ザ・ラン」が映画化され、一躍人気漫画家に。
今春、大泉洋主演で映画化される、大ヒット連載中の作品「アイアムアヒーロー」の現場に密着した。そこで発見したのは、締め切りに苦しみながらも、絶対に妥協を許さず、ギリギリまで細部にこだわる漫画家魂だった。鬼気迫る漫画への情熱に迫る。
高い画力と繊細な描写で、カリスマ的な人気の「五十嵐大介」。
美大を卒業後、漫画の世界に飛び込み、代表作「魔女」と「海獣の子供」で、文化庁メディア芸術祭漫画部門優秀賞を、2度も受賞。芸術性高い漫画が、注目を集め続けている。
今回、半獣半人を描く新境地のSFアクション「ディザインズ」の現場に密着。ほぼ一人で高いクオリティーの絵を描き、アートとエンターテインメントの融合を目指して格闘する姿に迫る。
漫画界の鬼才「古屋兎丸」が登場!
94年に「月刊漫画ガロ」で、鮮烈なデビュー。代表作は「Palepoli」「自殺サークル」「ライチ☆光クラブ」。強烈な風刺と人間の暗部が描かれた作品を、独創的な画風で描き、熱狂的な支持を受ける。
今回は連載中の2作品「帝一の國」「女子高生に殺されたい」の現場に密着した。多彩な道具、そして手法を自由自在に駆使。「実験」と「発見」を繰り返すことで、読者を驚かせる画面を生み出そうと苦闘する姿に迫る。
10代・20代を中心にカリスマ的人気を誇る漫画家、浅野いにお。
2010年には、「ソラニン」が宮﨑あおい主演で映画化され、大きな話題となった。
今回、連載中の女子高生SF漫画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」の現場に密着する。写真をパソコンで処理するデジタル手法と、アナログのペン先を融合させる、革新的な浅野いにおの描き方は、浦沢直樹の目にどう映るのか?
今年79歳を迎える大御所、さいとう・たかをが登場する。
言わずと知れた「ゴルゴ13」の生みの親であり、劇画という分野を確立した日本を代表する漫画家。
今回、47年間連載が続く「ゴルゴ13」の制作現場に密着する。スタッフによる協業制を漫画界に取り入れた先駆者だが、ストーリー作りとゴルゴ13の顔は、さいとうの仕事だと言う。レジェンドの現場から、浦沢直樹は何を感じるのか?
2014年11月に放送された「浦沢直樹の漫勉」のパイロット版で取り上げた二人の漫画家「かわぐちかいじ」と「山下和美」を、それぞれ1本にして、44分にした完全版をお送りする。
パイロット版では紹介できなかった未公開の対談や、今回新たに撮影した連載漫画の最新ペン先映像を加えたまさに完全版となる。
完全版1本目は、かわぐちかいじが登場。
「沈黙の艦隊」「太陽の黙示録」といった大ヒット作を生んだ現場へ密着する。漫画家としてデビューしてから15年近く、ヒットが生まれずに苦しんだかわぐちが、ブレイクするきっかけとなった技法が語られる。また、無骨なイメージとは異なる、緻密で繊細なかわぐち流の仕事術が、明らかにされる。
完全版2本目は、山下和美が登場。
「天才柳沢教授の生活」「不思議な少年」などを生み、独特な作風が長く支持される女性漫画家。漫画ファンからも謎のヴェールに包まれていた山下の現場へ、3日間に渡り潜入する。山下にとってまったく初めての技法に挑んだ作画作業を撮影。1ページを生み出すために全身全霊で苦闘する、息詰まる映像を届ける。さらに今回の新たな撮影では、いまだ悩み続け、白い紙から新しいものを生み出そうと格闘する姿が紹介される。
世界中に熱狂的なファンを持つ、日本の「マンガ」。
漫画家が、白い紙にドラマを描き出す手法は、これまで門外不出のものだった。
さらに漫画には、決められた手法はなく、漫画家それぞれがまったく違うやり方を、独自に生み出していると言う。
この番組は、普段は立ち入ることができない漫画家たちの仕事場に密着。最新の機材を用いて、「マンガ誕生」の瞬間をドキュメントする。
そして、日本を代表する漫画家・浦沢直樹が、それぞれの創作の秘密に、同じ漫画家の視点から切り込む。
日本の漫画家のペン先を、世界に届ける。
それが「漫勉」。

漫画家。「YAWARA!」「MONSTER」「20世紀少年」「BILLY BAT」(ストーリー共同制作:長崎尚志)など、多くのヒット作を生み出す。
手塚治虫文化賞やメディア芸術祭マンガ部門優秀賞など、受賞歴多数。
漫画家の目の前で日々繰り広げられている「漫画が生まれる瞬間」の感動を伝えたいと、本番組を構想。
音楽への造詣も深く、番組のテーマソングも制作した。
女優。1985年生まれ、大阪府出身。
映画「20世紀少年」では、小泉響子役を演じた。
俳優・タレント。1984年生まれ、兵庫県出身。
映画「20世紀少年」ではヒロイン・遠藤カンナ役を演じた。
※手書きはすべて 浦沢直樹・自筆