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［ニューヨーク　１７日　ロイター］ - 格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービス幹部は１７日、米国が次回連邦債務上限引き上げ問題に直面する来年２月を前に議会で再び財政協議がこう着したとしても、米格付けに悪影響が及ぶ公算は小さいとの見方を示した。

米議会は１６日夜、来年２月７日まで国債発行を認め、債務上限を事実上同日まで引き上げる法案を可決。オバマ大統領は１７日未明、同法案に署名、米国のデフォルト（債務不履行）は土壇場で回避された。

来年初頭にに再び今回のような問題が起きる可能性も指摘されているが、ムーディーズの米国ソブリン格付け部門責任者のスティーブン・ヘス氏はロイターのインタビューに対し、「再び財政協議がこう着したとしても、われわれは今回と同様の対応をとる」と述べた。

ムーディーズの米格付けは最高位の「ＡＡＡ」。格付け見通しは「安定的」。ムーディーズは、債務上限をめぐる騒動は短期的なものとし、「ＡＡＡ」格付けは米国の長期的な債務水準の見通しに基づいているとの見解を表明。今回の騒ぎのなかでも、米国は最終的にはデフォルトを回避するとし、見解を変えなかった。

ヘス氏は「債務上限は常に引き上げられ続けると見ている。問題はそのタイミングで、タイミング次第では不透明感が増大し、金融市場が圧迫される可能性がある。ただ、最終的には債務上限は引き上げられる」とし、こうしたことは格付けに実際に影響を及ぼすことはないと述べた。

ただ同氏は、米国の債務水準の動向次第ではムーディーズの見解が変わる可能性もあると警告した。

米格付けをめぐっては、スタンダード・アンド・プアーズ（Ｓ＆Ｐ）が前回２０１１年８月に米国がデフォルトの危機に直面した際、 「ＡＡＡ」から「ＡＡプラス」に引き下げている。

フィッチ・レーティングスは今回の騒動受け、１５日に米国の「ＡＡＡ」格付けをウォッチネガティブに指定した。