10月31日はハロウィン。日本でもお菓子やグッズなどが街を彩っているが、ノルウェーでは先日、あるスーパーがハロウィン用に作った商品を売り出したところ、あまりのインパクトに苦情が殺到し、発売中止に追い込まれる事態が起きたという。その商品とは、飾りとして楽しんでもらおうとスーパー側が作った、精肉風“人間の手足”の飾り物だ。
ノルウェー紙ザ・フォーリナーやノルウェー放送局NRKなどによると、問題の商品を作ったのはノルウェー大手スーパーチェーン、ユーロプリースのセーランドスパーケン店。ノルウェーでは1990年代後半から、ハロウィンを楽しむ習慣が一部地域で広がり始めたとされ、南部に位置するセーランドスパーケン店ではここ数年でハロウィン関連商品の売り上げが急激に増えて来たという。また、「眼球に似せた赤いゼリー」「血に染まったようなテーブルクロス」といった商品が並ぶなど、ノルウェーではホラー的な要素も取り入れて楽しむ市民も少なくないそうだ。
そこで、ユーロプリース・セーランドスパーケン店がオリジナルで作ったのが、“切断された人間の手足を白い精肉トレーにのせてパック”――という、まるで肉売り場で人間の手足が売られているような演出の飾り物だ。それは形だけでなく、飛び散ったように付着させた血も相まって、かなり見た目が生々しい仕上がりになっており、強烈なインパクトを放つ商品の存在に気付いたNRKが、間もなくこれを紹介する報道を行った。
すると、ノルウェー国内で大きな話題となり、店やNRKに市民からの意見が殺到。中には「素晴らしい」と購入を希望する人もいたとされるが、大半が「純粋に楽しめるものではない」「子どもたちに見せられない」と店を批判・非難する内容で、「そんな物を売る店はボイコットしよう」と過激な主張をするほど、怒りを見せる人たちもいたという。
NRKの取材に対し、セーランドスパーケン店の男性店長は「楽しんでもらおうと思っただけ」と釈明。数年来の販売実績から、店なりに売れそうな物を考えてみた結果、リアルに作り過ぎて想定外の大きな反発を招いてしまったようだ。NRKの報道翌日には、ユーロプリース側が「私たちの顧客を刺激しないというのが、店のはっきりとした意向」として発売中止を発表し、騒動は幕を閉じた。