世界130か国以上で販売されている「レッドブル」。覚醒作用のあるカフェイン、体の代謝を助けるナイアシンやパントテン酸を含むエナジードリンクで、日本でもコンビニエンス・ストアなどで売られていますね。
ところでこの「レッドブル」。ちょっと「アブナイ」飲み物として北米では人気を呼びました。なんでも「飲みだすと中毒になる」とか「販売を禁止した国がある」、さらに「アルコールと混ぜて飲むと死ぬ可能性がある」などといった「危険性」が口コミで伝わり、度胸試し的なことが大好きな若い世代に大ウケ。ちなみにアブナイ噂の極めつけは「雄牛の精液が原料に使われている」というワケのわからないモノ……。そりゃ、さすがにないと思う(笑)。大体原料にするたって、大量生産に必要な分を集める労力とコストを考えれば、絶対に無理ですって。
しかし「レッドブル」でなくても、もちろんカフェインの大量摂取は中毒の危険性がございます。いわゆる急性カフェイン中毒と呼ばれる症状には、不眠、めまい、筋肉のふるえ、パニック障害などが挙げられます。そのためオーストラリアでは「2本以上の同時摂取、または1日に1.5リットル以上の摂取は危険」という注意書きを「レッドブル」の缶に明記しているそうです。それでもまだ、いわゆるカフェインの致死量(一般的にいわれているのは成人で10〜12g以上)にはまだ程遠いのですが……。まあ、気をつけることに越したことはないでしょう。
ところが先日、オーストラリアで「レッドブル」を大量に飲んだという男性が。心臓発作を起こして病院送りになったという出来事があったのです。モトクロス選手のマシュー・ペンブロスさん28歳は、先日大会に出場中、突然胸の痛みをうったえて倒れてしまいました。一時は心臓が停止して、駆けつけた救急隊員が蘇生しなければならないほど危険な状態だったそう。
いたって健康で喫煙もせず、家族に心臓疾患の前例もなく、心臓発作のリスクが低いはずのペンブロスさん。その彼がいきなり心臓停止になるなんて、普通は有り得ないと、彼を診察した医師らは困惑ぎみ。ただひとつ可能性があるのは、倒れる数時間前からペンブロスさんが飲み続けていた「レッドブル」に原因があるのでは、と話しています。
なんでも5時間の間に8本の「レッドブル」を体内に流し込んでいたという彼。試合の最中に緊張をほぐすためか、それともハイになりたかったのか……。なにはともあれ彼は、危うく死かけたとして、このエナジードリンクに対してはかなり「おかんむり」だとか。しかし注意書きをちゃんと読まなかった彼にも、思いっきり非があるような気がするんですけど……。
とりあえず、米国だったらまず訴えられてるなぁ「レッドブル」。