海外カーオーディオブランド製品を数多く正規輸入・販売展開しているイース・コーポレーションが発表する、売れ筋ユニットのランキング、【CAOTY2016】。その結果をじっくりと分析している。先週と今週は、スピーカー各部門についての解析を行っている。
今週は、ミドルグレードからハイグレードの3部門と、単体製品の2部門にスポットを当てていく。
スピーカー6万円以上10万円未満部門
まずは、エントリーグレードからのステップアップモデルとして、さらには、初めての市販スピーカーとして選ばれることも多い、つまりは、多くのユーザーから注目されることとなるこちらの部門から見ていこう。最初に、ベスト5をご紹介する。
- ☆1位 ロックフォード・フォズゲート T1675-S
- 税込価格:6万2640円(本体価格 5万8000円)
- ☆2位 ロックフォード・フォズゲート T2652-S
- 税込価格:8万1000円(本体価格 7万5000円)
- ☆3位 グラウンドゼロ GZUC 650SQX
- 税込価格:6万6000円(本体価格 7万1280円)
- ☆4位 MTXオーディオ IP663
- 税込価格:8万1000円(本体価格 7万5000円)
- ☆5位 JLオーディオ C3-650
- 税込価格:9万6120円(本体価格 8万9000円)
なお、1位と2位はともにロックフォード・フォズゲートの製品だ。であるのでロックフォードが強さを発揮したという事実には変わりはないのだが、【CAOTY2016】ではリーズナブルな『T1675-S』が、より大きな支持を集める結果となった。
この理由を推測してみると、エントリーユーザーが増え、より手頃な製品が売れた、という可能性も考えられる。しかしそれ以上に、魅力的な新製品が多く登場したことが、1位と2位との逆転に影響を与えたようにも思える。
魅力的な新製品とは、3位の『グラウンドゼロ GZUC 650SQX』、4位の『MTXオーディオ IP663』、8位の『レインボウ SL-C6.3』等だ。そしてこれらが、6万円台後半から8万円台あたりの価格だったために、ミドルグレードの製品の競争が激化し、8万円越えの『T2652-S』がその煽りを食った、という推測も成り立つと思うのだが、いかがだろうか。
かくして、個性的な製品がひしめきあい、デッドヒートが繰り広げられた当部門。来年も競争が白熱化するのは必至だ。
スピーカー10万円以上20万円未満部門
スピーカーも10万円を越えてくると、性能もぐっと向上してくる。さらには各機の個性も強まってくるので、選び甲斐はさらに大きくなる。そんな充実のクラス、「スピーカー10万円以上20万円未満部門」の結果を見ていこう。
上位5機種は以下のような顔ぶれだ。
- ☆1位 ロックフォード・フォズゲート T3652-S
- 税込価格:14万400円(本体価格 13万円)
- ☆2位 JLオーディオ ZR650-CSi
- 税込価格:19万4400円(本体価格 18万円)
- ☆3位 JLオーディオ C5-650
- 税込価格:11万8800円(本体価格 11万円)
- ☆4位 レインボウ GL-C6.2
- 税込価格:11万3400円(本体価格 10万5000円)
- ☆5位 JLオーディオ M650-CCX-SG-WH
- 税込価格:10万8000円(本体価格 10万円)
そして、第2位に輝いたのは、ロックフォードと並ぶ人気アメリカンブランド、JLオーディオのフラッグシップ『ZR650-CSi』。昨年の第3位から順位を上げ、堂々セカンドポジションをゲットした。価格的には部門内では最上級。不利な闘いを強いられることは否めない中でのこの順位は、大健闘と言っていい。こちらも実力の高さが正当に評価されている、ということだろう。
そして第3位もJlオーディオ。ここ数年、ドイツの新鋭、グラウンドゼロの攻勢が目立っていたが、老舗アメリカンブランドのJLオーディオもまだまだ負けていない。
また、レインボウの『GL-C6.2』が4位に入ったことも興味深い。集計期間の途中でのリリースでこの順位。来年はどこまで認知と人気を伸ばすのか、大注目だ。
スピーカー20万円以上部門
続いては、スピーカーにおける“無差別級”である当部門のランキングを見ていこう。まずは、第5位までにランクインした製品をご紹介していく。
- ☆1位 ロックフォード・フォズゲート T4652-S
- 税込価格:21万6000円(本体価格 20万円)
- ☆2位 ロックフォード・フォズゲート T5652-S
- 税込価格:32万4000円(本体価格 30万円)
- ☆3位 ロックフォード・フォズゲート J5653-S
- 税込価格:36万7200円(本体価格 34万円)
- ☆4位 グラウンドゼロ GZPC 165SQ
- 税込価格:23万7600円(本体価格 22万円)
- ☆5位 グラウンドゼロ GZPC 16.3SQ
- 税込価格:29万1600円(本体価格 27万円)
しかしながら、返す返すもロックフォードの人気の高さを思い知る。エントリーユーザーから上級者にまで満遍なく製品を用意し、それぞれが着実に支持を得ている。
それに続く4位と5位が、ドイツのグラウンドゼロ。グラウンドゼロもまた、エントリーモデルからハイエンド製品まで、幅広い層に支持されているブランドだ。【CAOTY2016】でも着実に上位を確保している。勢いはまだまだ衰えそうにない。
そして…。驚かされるのは、8位から10位。なんと“スーパーハイエンド”製品が、そろってランクインを果たしているのだ。8位のZRスピーカーラボの『ZR Extravagance Line -brushed- 2way』の税込価格は91万8000 円、9位のRSオーディオの『RS Master 3』の税込価格は101万5200円、10位のRSオーディオ『RS Master HAC』の税込価格は91万8000円。それぞれこの価格でランクインを果たすとは…。
日本に紹介されるようになって数年が経過した“スーパーハイエンド”製品。価格の高さに見合う性能があることの周知が、着実に進んでいる。来年もさらに支持を集めていきそうだ。さらなる魅力的な製品の登場にも期待したい。
ツィーターユニット部門 & ミッドレンジユニット部門
最後は、スピーカー単品発売の2部門についての総括をお届けする。まずは、それぞれのベスト5をご紹介していこう。
ツィーター部門
- ☆1位 ヴァイブ・オーディオ BLACK DEATH PRO4T-V1
- 税込価格:9180円(本体価格 8500円)/1本
- ☆2位 ロックフォード・フォズゲート PP(4/8)-T
- 税込価格:2万1600円(本体価格 2万円)/1本
- ☆3位 ロックフォード・フォズゲート PP(4/8)-NT
- 税込価格:3万2400円(本体価格 3万円)/1本
- ☆4位 MTXオーディオ RTX2BT
- 税込価格:8640円(本体価格 8000円/1本
- ☆5位 グラウンドゼロ GZCT 2200X
- 税込価格:1万2960円(本体価格 1万2000円)/1本
ミッドレンジ部門
- ☆1位 クラリオン Z7
- 税込価格:9万3960円(本体価格 8万7000円)/ペア
- ☆2位 ロックフォード・フォズゲート PPS(4/8)-6
- 税込価格(税込):1万9440円(本体価格 1万8000円)/1本
- ☆3位 ロックフォード・フォズゲート PPS(4/8)-8
- 税込価格:2万1600円(本体価格 2万円)/1本
- ☆4位 グラウンドゼロ GZCM 6-4PPX
- 税込価格:1万9440円(本体価格 1万8000円)/1本
- ☆5位 グラウンドゼロ GZCM 8-4PPX
- 税込価格:1万9980円(本体価格 1万8500円)/1
その中において、[ミッドレンジ部門]の1位は、クラリオンの『Z7』。これは快挙だ。
同製品はコンポーネントで販売されていないので、コンポーネントでも販売されている製品よりも当部門では強さを発揮することになるのだが、物量作戦的に使われる、しかも価格の手ごろな“ラウドスピーカー”をも抑えるのは簡単ではないはずだ。大きな話題を集めたクラリオン『フル・デジタル・サウンド』であったが、実売面でも大きな成功を収めた。性能が高いことを、確実にユーザーにアピールできた、というわけだ。
そしてこれらの部門で注目したいことがもう1点ある。それは、ツイーター部門で、イギリスのヴァイブ・オーディオの『BLACK DEATH PRO4T-V1』が堂々の第1位に輝いたことだ。ここにもロックフォードというモンスターブランドの人気モデルがいくつかあるのだが、その中で“ラウドスピーカー”の元祖というべき同社が意地を見せた。2017年もこの勢いを継続できるか否か、大いに注目したい。
次週は、スピーカー部門で上位にランクした数台の、インプレッション・リポートをお届けする。各機の人気になったその理由に、鋭く迫ってみたいと思う。乞うご期待。
なお、【CAOTY2016】の順位の詳細は、下の「関連リンク」をクリックしてご覧ください。