佐野元春 & ザ・コヨーテバンドの新作『今、何処』のアルバムジャケットに大きな反響 SNS上に上がったファンからの『今、何処』カバーアート感想

映画のような、クローネンバーグの裸のランチを思い出すジャケットだなぁと思いました。人間の脳内は色々詰まっていて忙しい、怒りもある、言いたいこともある、でもコーヒーがそばにある優雅さ。『今、何処』はそういうのも含めて全て音楽で表現しているように感じました。

作られた物はシンメトリーにあると安定性を感じるけれど自然に生きるものはアシメトリーで無限に変化する「一陰一陽、之を道と謂う」

脳内で処理しきれなくなった大量の「情報」が溢れ出して頭の周りに纏わりついてしまったという印象です。

これを見た瞬間に感受性の強い9歳の我が子を思いました。一生懸命に生きて、頑張って、「頭がいっぱいになっちゃったから泣かせてー」という時。

頭の中は毎日の憂鬱な出来事、戦争、物価高、仕事、悪政、不公正、不満、争い…<br />それでもまだ生きていかなければならない。少しでも自覚するために、花を愛で、お茶を飲み一息つく。溢れる情報の中から真実を見出すのは本当に至難の業。机の上には「この街には雨が降ってる」「今何処？」

世の中の出来事を頭の中に沢山詰め込んで、コーヒーを飲みながら冷静に世の中を見つめている一人の男性という印象を持ちました。『BLOOD MOON』のキューブと『マニジュ』のお花が飾られている所も繋がりを感じます。

日々の生活の忙しさにかまけて社会に十分に目を向けられないでいる、自分のようだと思いました。

情報洪水の中で何処にいるのか分からなくなっているのに気付かない…

傍らにスマホがあるけど、偏った情報しかない。じゃあ新聞を読んでみるけど、タブロイド紙なので似たり寄ったり。頭の中で色々考えてみるけど、溢れんばかりの情報が降ってくるばかり。嗚呼、ノストラダムスが言っていた｢恐怖の大王｣ってこれか。この中から、自分の感覚で｢本物｣を見つけなきゃ。

さまざまな不安、葛藤、欲望。それらを抱えたまま生きる自分は今、何処にいるのだろう。また、5歳の娘はありとあらゆるものを吸収中。好きなもの、嫌いなもの、取捨選択しながら成長を続ける彼女の、まだ少ない引き出しの中はもうすでに情報でいっぱい。

新聞やスマホからは沢山の情報。でも、そんなことは今の自分にはどうでもいい。どんなに襲ってきても頭(心)の中には入れてあげないよ。だって、今考えるのは君のこと。君は今、何処デ何シテルノ？

オフィスにブルーのスーツ、赤いネクタイの男性。ポリティカルなメッセージを多く含んだ曲編成かと少し身構えました。しかしUSA Todayを彷彿させる新聞に、頭飽和状態だけど一息つこうよ！という印象も。

色んな情報が山盛りになってしまってるんですね…情報の森に埋もれてる思考

新聞を読もうとするが、他の様々な情報が目を塞ぎ読むことが出来ない。真実はどこにあるのだろうか？

沢山の情報　溢れるノイズ<br />何が正しくて<br />何もかもが狂っていて<br /><br />現代を生きるため<br />地位を保つためなら必須<br />そう勘違いしていた<br />ブレインストーム<br />ペーパーワークに実態は無い <br /><br />その紐を上げたら霧が晴れる<br />それだけのこと<br /><br />あなたの顔が見たい<br />今なら会える気がする<br /><br />今、何処

頭のとこに、というところでアルバム「NO DAMAGE」を思い出した。頭上の石が危険な何かを象徴して。そして本作。混沌とした「何か」でもって顔が隠れてしまってる。何事もないようでいて、実は大変なことになってる。私たちは「今、何処」にいるのか？そして、何処に行くのか？

『BLOOD MOON』『MANIJU』そして『今、何処』。すべて私たちの頭に何かが乗っている。慎重に積上げたもの、一見華々しいもの、そして色のない欲望や情報。それらは『NO DMAGE』ではまだ未来だったはず。常に何かが私たちを惑わせるこの時代にどう生きるのかを奏でてほしいです。

すべての情報は結局、あなた次第<br />まずは少し落ち着いて、<br />まぁ、コーヒーでも

パンデミック下の情報戦争！ それは自然発生的なもの？ あるいは、全ては計画通り？ メディアを通した夥しい情報が嫌でも頭の中を占領していく<br /><br />何が真実で、何が嘘なのか<br />それを見極めるのは君次第<br /><br />君は今、何処にいる？

あ、私の脳内‼︎ ドクロなんかも取り込みつつ、オバケちゃん（怖くない）もあちこちにいたり。でもぱっと見きちんとまとまっていそうな。物理的にも精神的にもいろんな所にいる私たち。「今どこ？」と尋ねられたら「 ここ、ここー！」と言えるような標の一枚だと期待しつつ

欺瞞・恐怖・怒り・欲望・闘争・誰かのゲーム・切り取られた真実・満たされない愛・あてのない希望…あらゆる情報が頭の中を渦巻き溢れ大切な誰かや何か、自分自身をも見失ってしまいそうになりながら、冷静になって現在地を確かめ行く先を探る<br />そんな今、此処から<br />次、何処へ？

ジャケットの中央に座るスーツ姿の男性は、かつて頭上に積み重ねたブロックを崩してしまった彼？【ブラッドムーン】奥行きのない構図に閉塞感。天の八重雲のようなエレクトロ スモークの情報の中さらに新聞を広げて、把握しているものは何？

荒地でも青空の下でもなく、一見静かなルームライトの灯る部屋。ニュースペーパー、スマートフォン。情報は頭から溢れるくらい押し寄せる。見えているものは何？見えていないものは何？見つけたいものは何？それはどこにある？それぞれの地で、何かを探す私たちはまたここで出会う

身の回りは情報が溢れてる　だけど自分の思考で動け　存在を自ら確認せよ　<br />背後の積み木は、ブラッドムーンのあの日に落としてしまった　ゴメン持ち帰ってしまった

空回りのファイト。<br />（モヤモヤしてる）<br />イマドコは思考の場所。<br />（心ここに在らず）

このスーツにこのタイの取り合わせから、あるひとつの存在を、僕は思わないわけにはいかない。このような部屋で、このようなカップからコーヒーを飲むのは、誰か。彼の頭を覆う、ソーシャル・メディアのアイコンの群れ。すこしずつ沈んでいく国家。それはまるでサイエンス・フィクション。

第一印象は「情報過多」。男性の表情はパニックというよりそれを自覚していないかのよう。Manijuでは花をたくさんあしらった帽子を被った女性が泣いていたのに。この男性はBlood Moonのときに落としたブロックを見て嘆いていた人かしら？と思ったら…背後の棚にそのブロックが！

あなたの頭の中はたくさんの情報でいっぱいだ。それは天からおりてくる。雑誌やスマートフォンから。でもあなたはすでに知っている。目が見えなくても見えている。あなたはあなたの見たいと思っているものをすでに見ている。

「情報過多」<br />フェイク、噂、嫉妬、欲望、陰謀、争い･･･にまみれて「真実」や「希望」が隠されている、ヒントは活字の中に隠れているのかもしれない。

穴だらけのハート,紙屑の星,ゴミ箱、<br />爆弾,原発,幽霊,金,F××K,<br />誰も見ないTV,誰も聴かないRecord,<br />誰も乗らないCar、写せないCamera、<br />誰が読むか役立たずのNewsMagazine,<br />今、オレは何処にいる？<br />滅日（ほろび）か？未来（あす）か？

整然とした部屋、着衣、ティーで優雅と平静を装いつつも、頭の中（目の前）は情報の渦でコンフューズ。その危うさが痛烈なアイロニーとして現代に生きる私達に警鐘を鳴らす。<br />君は今何処に？<br />そのまま行くか、立ち止まるか、引き返すか。それは個々に委ねられている。

ブラッドムーン以降に共通する背景のブルー。翳りのブルーこそが、今の時代、世界の混迷やダメージを表しているのでは？ 氾濫する情報やデマの渦、現実など見るも聞くも必要としない執務室の赤ネクタイ。「信じる心、いつまでも」左右のキューブとフラワーハットの花は強く尊い。