真っ当な人
商品番号 | tk019302 |
商品名 |
ヨガ皿 |
価格 |
ヨガ皿:¥5,000(税込) |
限定数 |
各1点 |
サイズ | ヨガ皿01:W約200mm×D約140mm パンダオセロ:W250mm×D250mm×H105mm |
素材 | 磁器 |
支払方法 | 銀行振込・クレジットカード決済(PayPal) |
送料 | 一覧表をみる > |
納期 | パンダオセロ:9ヶ月程度 |
備考 | この商品は返品不可とさせていただきます。 |
バイヤー | mikayama |
体育の先生
スズキサトさんにお会いしたのは去年の夏ごろです。すぐに販売できる作品が無かったので今になってしまったのですが、、なんかすごく暑い日だったことを覚えています。
住んでいるのは石川県能美市。金沢から電車で30分ほどの場所。田舎って感じでもなくて、でももちろん都会って感じの場所でもなくて、すごくのどかな郊外の町です。
サトさんの第一印象はなんか体育の先生みたいな人だな、と。厳しそうとかとかそういう意味じゃなくて、健康そうでちゃんとしていて明るくて。偏屈だったり、口下手だったり作家さんにありがち、というとなんか怒られそうですが。そういうところがまるでないフラットな人でした。
想像していたキャラクター
逆に不安になったんですね。この人がこの作品を作った人なんだろうかと。
ここ何年かの密買東京を通じた経験からかもしれないけど、作品を見るとある程度、作り手のことを想像できるというか。その精度が上がってきていた気がしていたんです。でも、サトさんは全然僕の想像とは反対の感じの人で。
ここまで書くとなんか分かってしまいそうですが。
サトさんの作品を見て感じていたイメージ(そのまま僕が想像していたサトさんの人物像)はなんかちょっとした毒っけがあって、天然で、人見知りで、可愛い感じ。そんなキャラクターだったんです。なのに真反対。
別に何に裏打ちされた自信という訳でもないですが、多少悲しくなるじゃないですか。だから、いろいろと作品を見ながら話をさせてもらったときに、なんか作品の話をするでもなく、妙にサトさんのことを根ほり葉ほり聞いていたような気がします。多分「何しに来たんだ?」と思われるほど。でも、やっぱり何も出てこない。でも、こんなの作ってる。自分の中で人物像込みでより不思議な作品になってった気がします。
ヨガ皿とオセロと赤ちゃん
さてさて。
そんなサトさんの作品ですが、今回ご紹介するのはこれまた不思議なラインナップ。
まず、ヨガ皿です。
ヨガをしている女性の可笑しな姿を切り取ったもの。初めになんとなくの図案が浮かんでいて、その形にお皿を成型するので、結果的にお皿いっぱいにその姿が描かれます。そのためか絵の可笑しさも感じるのですが、ダイナミックさ力強さみたいなものや、構成力、観察力、のようなものも感じられて。お皿であることというか、自由な形のキャンパスって面白いな、と。
ちなみにこれ別に下書きがあるわけじゃなくて。
言葉通り最初は頭に浮かんでいるだけで。お皿を成型した後に一度乾燥させてから、先が針のようになっている「線描ベラ」という道具でフリーハンドで描いていき、それにそって色付けをしていきます。
そして、唐突にオセロ。おそろしくゆるく、おそろしく手間がかかっています。
これ、もともとは展覧会とか子供が来てくれたときに遊べるものが欲しいな、と売るつもりじゃなく考えたらしいのですが、作ろうとしたらえらいことに。というのも、普通のオセロでさえコマ(?)の一つ一つが黒と白を貼りあわせて作っていると思うのですが。パンダオセロはそれを絵と色で表現しています。1枚の陶板の片面は白バックに黒線パンダ、もう片面は黒バックに白抜きパンダ。それを64個。上にも書いた通り下書きなしのフリーハンド。もちろん間違えることもあります。
これだけでも作業量えぐいのですが。これ焼くときも難儀でして。
両面釉薬をかけてあるので、窯には立てて入れることになります。オセロのコマの立ててって、どんな状態だという話ですが。まさしくドミノのように立てて、です。こうしないと、釉薬が高温で溶けてガラス質になったときに、窯の下の板に張り付いて剥がれなくなってしまうんです。
でも、窯の温度は1280度。もちろん対流して風が起きます。ドミノ倒れます。そうするとおしゃかです。
ただ、できたパンダのコマはそんな作業を想像させず、とてもゆるいです。オセロ盤の芝生カスタマイズのゆるさも相まって、かなりいい感じ。でも、全然違う場所で異常なことになっています。
もちろん経験によって、コマの成功率は上がっているそうなのですが。とはいえサトさんこれ作るの嫌がります。でも、こんなオセロまずないので、説得を重ね紹介さて頂くことに相成りました。はい。
あ。あとおまけで赤ちゃんはしおき。
これは売り切れ御免の商品なのですが、えらいラブリーです。ちなみに箸を置く面の高さがそれぞれ違うこと予めご了承ください。
Don't think. FEEL!
こうやって作っている作品の過程を知ると、やっぱり不思議になりません?
当然、全ての作家さんがすごい手間をかけて作っているのは理解しているのですが、なんかその手間のかけ方が変な方向に向かっているというか。変わってるんですよね。
でも、それを作っている人はすごく真っ当。僕の中ではやっぱり理解できないんです。なんか普段とは違う意味でギャップがあって。
ま。人間いろいろいるんだな、というか。女性ってやっぱり理解できないんだろうな、というか。そもそも人は理解できないんだ、というか。
難しいこと考えずに楽しめよ、ということだと思うのですが。ブルースリーみたいですね。このパンダとブルースリーは近いのか遠いのかが分かりませんが。
文章が錯綜していますね。
いや、多分それがこの作品の正しい楽しみ方のような気もするんです。いや、面白いですよ。マジで。