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ドバイEIASTから衛星打上げ輸送サービスを受注

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 三菱重工業は、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ政府機関であるEIAST(The Emirates Institution for Advanced Science and Technology:先端科学技術研究所)の観測衛星ハリーファサット(KhalifaSat)の打上げ輸送サービスを受注しました。環境省、独立行政法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)、独立行政法人 国立環境研究所の三者が共同で開発している温室効果ガス観測技術衛星GOSAT-2を打上げる際のH-IIAロケットの余力を利用して相乗りで打上げるもので、打上げは2017年度の予定です。

 今回の受注は、韓国航空宇宙研究院(KARI)の多目的実用衛星KOMPSAT-3、テレサット・カナダの通信放送衛星TELSTAR 12Vに続く、海外顧客からの3件目の打上げサービス受注です。また、海外衛星の相乗り打上げは、2012年にKOMPSAT-3 をJAXAの水循環変動観測衛星(GCOM-W)と相乗りで打上げたのに続くものです。
 相乗り打上げは、関係府省・機関の協力・支援を得て実現しました。

 観測衛星KhalifaSatは、2009年と2013年にそれぞれ打上げられたDubaiSat-1、同-2に続くEIASTの3基目の衛星です。前2基で蓄積したノウハウをベースに開発した初の国産衛星で、衛星名にはハリーファ(Khalifa)UAE大統領名が付けられるなど、この衛星開発・打上げプロジェクトは国家の重要な事業と位置づけられています。

 EIASTのH.E.Yousuf Al Shaibani所長は次のように述べました。
「EIASTは今回の三菱重工との協働に大いに期待しています。私たちは、H-IIAロケットの性能と、三菱重工グループの技術、打上げ運用の高い専門性、それにこれまでの打上げ成功実績を考慮し、自信を持ってKhalifaSatの打上げを同社に委託しました。KhalifaSatは、EIAST並びにUAEにとって歴史的に画期的なプロジェクトです。三菱重工は全体的な商務条件でも非常に競争力があることを示してくれましたし、世界の宇宙市場において高く評価されていると認識しています。なお、現在、衛星はUAE国民のみからなる技術チームにより、特別に設計されたEIAST内の衛星製造施設において2017年度の打上げを目指して諸準備を進めています。」

 三菱重工 防衛・宇宙ドメイン 宇宙事業部長 阿部直彦は次のように述べました。
「今回の受注は、H-IIAの高い成功率とオンタイム打上げ、さらには日本のホスピタリティ(おもてなしの心)が評価されたものと理解しています。加えて、顧客のEIASTとJAXAの間で交流があったこともあり、日本に対し非常に友好的でした。これから打上げに向けて種々の調整・準備が本格化しますが、顧客の期待に応えられるよう万全の体制で取り組んでいきたいと考えています。なお、GOSAT-2との相乗りに対しご理解、ご支援頂いた関係府省・機関の皆様に改めて感謝申し上げます。」

 EIASTは2006年に設立されたドバイ政府100%出資の宇宙開発機関で、現在、地球観測、衛星ナビゲーション、衛星通信などの事業に取り組んでいます。職員は約80名。

 H-IIAロケットは、これまで27機中26機で打上げに成功している日本の基幹ロケットです。打上げ成功率は約96.3%で、世界トップクラスの高い成功率を誇っています。

 1975年に始まったわが国の宇宙ロケット開発で主要な役割を果たしてきた当社は、JAXAからの技術移転を受け、H-IIAは13号機(2007年9月打上げ)から、また、H-IIBは4号機(2013年8月打上げ)から、当社が製造から打上げまで一貫して担う体制となっています。
 そのような中、海外顧客からの初受注となった2009年のKOMPSAT-3、初の商業衛星打上げとなる2013年のテレサット社からの打上げ受注に続き、今回また、海外顧客から打上げ受注をしたことは、当社にとって新たな地平が確実に切り拓けつつあることを示しています。

 当社は今回の受注を弾みとして、国内外の衛星打上げ輸送サービス市場で一層積極的に営業活動を展開し、わが国の自在的な宇宙活動を支える産業基盤の確立に中心的な役割を果たしていきます。


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