私の場合、ランニングをしばらく休んでから再開するにあたっていちばん難しいのは、新しいランニング習慣を確立することです。
ランニングの習慣化が難しい原因はたくさんありますが、私が思う一番の原因は、計画性のなさ。
ランニングの習慣化に必要なのは、目標と柔軟さのバランスを取ることと、自分の計画に自分で責任を負うことです。
では、ランナーになれるかどうかの決め手が「習慣の定着度」である理由と、ランニングを習慣化する方法を説明していきましょう。
ランニングを習慣化する方法
最初はランニングに夢中になったけど、結局は数週間で興味を失ってしまったとか、やめてしまったという話を、友人から幾度となく聞かされます。
数字にばらつきはありますが、ある研究によると、一般的には、何かを習慣にするには2カ月ほどの時間がかかるそうです。
そして、それほど長く何かをやり続けられる人は、そう多くありません。
米Lifehackerシニア・ヘルスエディターのBeth Skwareckiは、以前の記事でこう述べていました。
私たちが語る「習慣」の多くは、実際には習慣を形成することについてではなく、行動を変えることについてだというのです。
その記事では、こう例を挙げています。
『毎朝のランニング』なんて、簡単に習慣づけられると思っている人もいるかもしれません。ですが実際には、多くの労力を注いでこそ、毎朝のランニングは簡単だ、と本当に思える人になれるのです。
習慣化し、それをどれだけしっかり守れるか、ということが、ランニングを生活の中に末長く組み込めるかどうかを左右する、と言っていいでしょう。
ここからは、毎朝のランニングなんて朝飯前だ、と思える人になるためのヒントを、いくつかご紹介します。
現実的な目標を設定する
ランニングの習慣を続けたければ、小さな目標からはじめたほうがいいでしょう。
ペースと距離の両方を抑え気味にするのもひとつの手です。
ランニングをはじめたばかりの人なら、間違っても「来週の初マラソンを完走しよう」などと考えてはいけません。
小さな目標の達成を、少しずつ積み重ねていきましょう。
たとえば「歩かずに1マイルを走る」ことからはじめ、「30分間続けてジョギングする」、そして「5kmタイムトライアルの自己記録を5~10分間速くする」というようにです。
こうしたやり方なら、進歩の具合も把握でき、モチベーションも維持しやすくなります。
スケジュールに組み入れる
ほかの重要なイベントと同じように、ランニングもスケジュールに組み入れましょう。
思いつきで散発的に走っていると、ついつい言い訳をしがちです。なので、カレンダーに規則正しくランニングの予定を入れていきましょう。
朝なら、体も疲れていませんし、雑用が妨げになることも少ないので、ランニングにうってつけです。
時間をかけて段階的に進歩する
私の考えでは、これほど多くの人が「ランニングは苦手だ」と公言するのは、彼らが実際にしているのは「短距離走」だからです。
そのせいで、すぐに疲れ果ててしまい、自分は長距離を走れない、ランニングに向いていない、とすっかり思い込んでしまうのです。
心血管系も筋骨格系も、走ることに慣れるまで時間がかかることを、正しく理解しましょう。
週に1〜2度、ウォーキングを織り交ぜながら短時間ランニングすることからはじめ、時間と距離、頻度を毎週10%の割合で増やしていきましょう。
そうすれば、体を使いすぎることによるケガを防止できます。
ランニングギアを用意する
ランニングウォッチやシューズ、天候に合ったウェア、水筒、ヘッドホンといったランニングギアを、事前に用意しておくことも大切です。
そうしておけば、必要なものが見つからないと言って慌てたり、延期したりせずに済みます。
準備がちゃんと整っていれば、よりスムーズにランニングの習慣を続けられます。
数字は(とりあえず)無視する
距離やペース、心拍数、スプリットタイム(スタート地点から、計測点までにかかった時間)などの指標をモニタリングするために、ウェアラブルやアプリにこだわりたくなる気持ちはよくわかります。
たしかに、自分のパターンを見直せば、そこから貴重なフィードバックが得られ、自分の長所と短所を把握できます。
ひいては「今度の5Kmランでは自己記録を更新するぞ」というように、新しい目標に向けてがんばる気も起きやすいでしょう。
ですが、目下の第一目標が「習慣の確立」であるなら、そうした数字は無視したほうがいいでしょう。いま何よりも優先すべきは、ランニングを継続することです。
──2023年12月9日の記事を再編集のうえ、再掲しています。
訳 : ガリレオ
Source: BJGP