新しいオペレーティングシステムがリリースされると、「これはいかがなものか」と思わせるおかしな機能がかならず見つかるものです。このほどリリースされた「OS X El Capitan」は、アップデートとしてはかなり小規模なので、イラッとくるような変更点はそれほど多くはないのですが、それでも皆無ではありません。その中でも特に注意を要するものについて、対策をお教えしましょう。

SIPをオフにする

「El Capitan」では、「System Integrity Protection」(SIP)という、システムプロセスやフォルダを保護する新機能が導入されました。SIPが有効になっていると、root権限を持つユーザーでさえ、これらのプロセスやフォルダにアクセスできません。SIPは、マルウェアなど、マシンに被害を与える恐れのあるソフトウェアからユーザーのシステムを守る目的で導入された仕組みです。ただ、ご想像の通り、これはユーザーから一部の権限を奪う機能でもあります。SIPの導入により、「El Capitan」では動作に問題が発生するユーティリティーが出るかもしれません。その一例がメニューバーをカスタマイズするソフト『Bartender』のオリジナルバージョンですが、こちらは「El Capitan」のリリースに合わせてアップデートが発表されました。似たところでは、『TotalFinder』や『TotalSpaces2』など、OS Xのコア機能を変更するタイプのアプリが同様の問題を抱えています。大多数のアプリは、今後のアップデートで対応するはずですが、あなたがパワーユーザーで、自分の場合は問題ないと判断するのであれば、SIPをオフにすることは可能です。ただし米LH編集部では、オフにするとどうなるのか、完全にわかっている人以外には、この方法はお勧めしません

  1. アップルのリンゴマークが画面に現れるまで[Command + R]を押しながらMacを再起動し、リカバリーモードで起動します。
  2. [ユーティリティー]から「ターミナル」をクリックします。
  3. ターミナルのウィンドウに、以下の文字列csrutil disableを入力し、リターンキーを押します。
  4. Macを再起動します。

これでSIPがオフになりました。逆にオンにしたくなった時は、上記の手順に従い、ターミナルで入力する文字列をcsrutil enableに置き換えれば、いつでも再変更できます。

「Spotlight」の位置をデフォルトに戻す

この新機能には、私も大いにイライラさせられています。「El Capitan」では、「Spotlight」が画面の好きな場所に表示可能になりました。これ自体はとても便利な機能なのですが、再表示させると、最後に表示された任意の場所に検索ウィンドウが現れます。何ごとも定位置が良いと考える人は、「Spotlight」をデフォルトの位置に戻しておきましょう。メニューバーにある「Spotlight」のアイコン(拡大鏡の形をしています)を長押しすると、右上隅に戻ってくれます。

「Mission Control」の表示を旧バージョンに戻す

「Mission Control」では、同じアプリのウィンドウをまとめて表示せず、すべてのウィンドウを並べて表示するようになりました。今開いているウィンドウを一覧できるので、こちらのほうが便利というケースがほとんどでしょう。それでも、以前の表示方法のほうが良かった、という場合は、設定項目を1つ変えるだけで元に戻せます。[システム環境設定]から[Mission Control]を選び、「ウィンドウをアプリケーションごとにグループ化」のチェックボックスをオンにしましょう。

カーソル拡大機能をオフにする

「El Capitan」では、マウスを振るとカーソルが拡大し、画面上で見つけやすくなりました。大画面のモニターを使っている人にとっては便利な機能ですが、ノート型マシンを使っている場合は、あまり意味がありません。また、写真編集ツールの使用中やゲームのプレイ中にカーソルが大きくなっても困るだけです。幸い、この機能は簡単にオフにできます。[システム環境設定]>[アクセシビリティ]>[ディスプレイ]と進み、「マウスポインタをシェイクして見つける」のチェックボックスをオフにしてください。

アプリのアップデートにも注意を

新しいOSが出るたびに問題になるのが、今まで使ってきたアプリのアップデートです。「El Capitan」の場合は1つ前の「Mac OS X 10.10 Yosemite」とそれほどの違いはありませんが、だからと言ってまったく問題がないかと言えば、そんなことはありません。今回のアップデートでは、『Microsoft Office 2016』でクラッシュが頻発するとの報告があがっています。Officeユーザーの人は、この問題の解決策が用意されるまで、アップデートを控えたほうが良いかもしれません。あるいは、「Roaring Apps」でアプリの互換性をチェックする方法もあります。

Thorin Klosowski(原文/訳:長谷 睦/ガリレオ)

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