Inc.:人生に役立つアドバイスは今までに数え切れないほど紹介されてきています。しかし、良かれと思ってされたアドバイスは、ときに私たちにダメージを与えることもあります。実際に良くないアドバイスのせいで、その後の結果に苦しめられた経験が私にもあるのでよくわかります。もしあなたが、他人からのアドバイスや指導を求めているのであれば、よく言われがちな次の5つのアドバイスには気をつけましょう。
1. 「若いんだから、時間はいくらでもあるよ」
実際、時間は限られています。もちろん、20代は好きにやった方がいいと思います。先のことや結果をあれこれ考えずに失敗できる年代です。望むなら、新しい冒険や自分のやりたいことを試すこともできます。しかし、人生における回り道はすればするほど、最終的に元の道に戻るのに時間がかかるということに気づきます。
私たちには目標というのは間違いなく必要だと思います。大学を卒業したら、25歳前でしょう。25歳になったら、30歳はすぐそこです。30歳は、経済的にも仕事の専門的にも、自分というものを確立し始めるのに適した年齢です。若さは十分に楽しむべきですが、何かを先延ばしにするための言い訳にしてはいけません。
2.「職場で感情的になってはいけない」
成功している人の多くは、職場で感情的になることはいけないとわかっています。職場には一緒に働いている人がいるので、常にあらゆる感情が渦巻いています。怒っている人がいたり、叫んでいる人がいたり、ときには泣いている人も。多かれ少なかれ、職場で感情的になってしまうのは仕方ありませんが、感情的になっているのをあまり人に見せないようにしましょう。感情を表に出して良いときを知る、というのが大事なことです。会議中にみんなの前で同僚を罵る(ののしる)のは、もちろん良くないです。しかし、上司と話しているときに、次のプロジェクトのことが心配だと相談することは、仕事に関係のあることですし、人間らしく映るでしょう。
3. 「ノーと言ってはいけない」
好んで「ノー」と言う人はいません。特に上司に対しては言いにくいセリフですが、たまには「ノー」と言わなければならないこともあります。自分の境界線や立ち位置を確立すると、何にでも「イエス」と言う人間になるより、はるかに尊重してもらえます。あなたがもし、新入社員であれば、成長するために何にでも「イエス」と言うのもいいかもしれませんが、ある程度年齢を積み重ねているのであれば、何にでも「イエス」と言っていると説得力がなくなります。このアドバイスをしてくる人は、あなたに常に仕事を頼みたいからそのように言っているだけです。もしあなたが相手の頼みを断ったとしても、一緒に仕事はできます。
4. 「成功するには寝る間も惜しんで働かなければならない」
これは事実かもしれませんが、結果論です。少しは楽しみもあるほうが良いです。この格言を、成功するには24時間365日働いて、遊んだり家族と過ごしたりする時間は取らない、と間違った解釈をしている人がいます。しかしむしろ、ゴルフなどの趣味を楽しむ時間も取りながら、一生懸命働いて成功している人もたくさんいます。会社にこもりきりで仕事に明け暮れているより、あらゆることを楽しむ多才な人になったほうが、もっと大きく成功するはずです。俳優のジャック・ニコルソンも映画『シャイニング』で「All work and no play makes Jack a dull boy.(仕事ばかりで遊ばないとジャックは気が変になる)」と言っています。
5. 「夢の仕事を追いかけなさい」
理想の仕事を頭に思い描くのは何も悪くありません。しかし、"夢"という言葉を使わない方がいいでしょう。投資家のウォーレン・バフェットのように生きたいと思っていても、良い日もあれば悪い日もあるのが現実です。人生の先輩は、夢の仕事を手に入れた人の話を若者によくしますが、彼らだって山あり谷ありを経て、そのような人生や生活に落ち着いています。どんな仕事にも良い時と悪い時があり、イライラすることもストレスもあります。幸せになるために大事なのは、自分の与えられた仕事に感謝し、自分がその仕事をする意義を探し、さらに貢献できるように努めることです。自分の仕事を好きになれば、他人よりも幸せになることができるはずです。夢の仕事を手に入れることにばかり気を取られないようにしましょう。どんな仕事が来たとしても、仕事をすることがより大きな仕事ができるようになるためのスタート地点です。
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Betty Liu(訳:的野裕子)
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