MakeUseOf:私は起きるのが遅いタイプです。怠惰というわけではなく、そのほうがうまくいく体質なんです。あなたもそのタイプなら、眠気を振り払って、早起きが誰にでも良いとは限らない理由を一緒に探求しようじゃありませんか。
早起きがすべてじゃない
多くの人が朝早く起きることが生産性の鍵だと言っています。しかし実際は、早起きの人すべてが活発でエネルギッシュなわけではありません。
「朝型じゃない」という言い方は正当なものです。石器時代、人間の体は、1日のさまざまな時間に眠るように調整されていました。怠惰ではなく、サバイバルのためにそうなっていたのです。
その時代は、捕食者に食べられないよう、いつも誰かが起きて見張っていることがとても重要でした。もちろん、通勤ラッシュもなければ、朝の会議もありません。大事なのは24時間サバイバルすることだったのです。
人が早起きをする理由
多くの人は自分で決めた日課に従っているだけです。40年間、朝5時に起き続けてきたとしたら、習慣を変えるのは難しいでしょう。多くの人は、仕事上の必要や、自分が望むライフスタイルに合わせるために、体内時計を調節したり、体内時計に逆らったりしているのです。
例えば、軍隊では、日の出前に起きるのが絶対規律となっています。弁護士なら、午前2:30に法廷に駆り出されることはまずないでしょう。
あるよく知られた研究によると、人間の睡眠パターンは生まれつき決まっているそうです。とはいえ、環境と習慣次第で、睡眠パターンを変えられることもわかっています。睡眠研究の成果はどちら側も支持しています。ですので、自分に合った睡眠スケジュールを選べばOKです。ということで、もしあなたが夜型の人間なら、続きを読んでみてください。
なぜ専門家は早起きのことを語るのか?
Twitterや生産性サイトを開けば、必ず誰かが早起きの利点や、早起きと成功との関係について語っています。ニワトリが鳴くより早く起きると公言する人たちが、朝にしていることは何でしょう。
- エクササイズをする
- ひとりで静かに内省する
- 家族と過ごす
- 1日の計画を立てる
リチャード・ブランソン氏が、世界のどこにいても朝5時に起きると聴いたことがあるかもしれません。ベンジャミン・フランクリンも厳格なスケジュールを持っていて、朝5時に起きて夜10時に眠りにつきました。
起床時間は、それぞれの日課やビジネス/職業に合わせて決められています。しかし、もしあなたのスケジュールがもっと柔軟だったらどうでしょう。
早起きの社会通念に抗う
現代に生きる私たちは、成功するために必ずしも早起きである必要はありません。 また、ただでさえ、リラックスしたり、ストレスを解消するのが難しく、睡眠スケジュールを一定にすることだってままならない現代社会、わざわざ早起きする必要などありません。
良いニュースがあります。朝にできるタスクはすべて、ほかの時間にもできるものです。それに、早起きをしないほうがいい場合だってあります。
- 住んでいる地域によっては、薄暗い冬が長く続く。
- 早起きに馴染めなければ、いずれは疲弊する。
- 早すぎてオフォスに入れないと、仕事にも取り掛かれない。空いた時間をどう過ごす?
- 子育て中なら、少しでも睡眠時間を確保しておくべき。
早起きの通念に抗う方法。
- 可能なら昼寝する。シフトワーカーならパワーナップをとる。
- 遅くまで起きている。寝る前にさまざまな雑事を片付けられる。
- あらかじめ時間を決めておき、体が仕事をしたがる時間帯に重要なタスクに取り組む。
- みんなが眠ってから、静かな時間を楽しむ。
ここで、私のスケジュールを簡単に紹介しておきます。午後3時に一番創造的になれるので、それに合わせてスケジュールを組んでいます。また、会議や電話、そのほかの管理業務は、なるべく朝の時間に取り組むようにしています。
9:00〜10:00:起床
10:00〜11:00:軽い朝食と読書
11:00〜12:00:ジム
12:00〜12:30:昼食と読書
12:30〜13:00:メールを送る。国内のクライアントはメールを昼食直後に受け取ることになる。
13:00〜16:00:執筆、編集、提案書の送信、売り込みの電話やメール、マーケティング
16:00〜18:00:フレックスタイム。完了すべきタスクをこの時間にやる。例えば、調べ物、メール、電話、時期によってはサッカーのコーチ。
18:00〜20:00:夕食と家族の時間
20:00〜23:00:執筆
23:00〜24:00::翌日の計画を立てる
24:00〜25:00::リラックスして体と頭を休める
あなたは夜に働くタイプかもしれません。私は朝が特別な時間だとは思いません。太陽が東にあると生産性にターボがかかり、あっという間にすべてが片付いてしまう、なんてことは信じません。どの時間帯かというよりは、個人的な日課と習慣に負うところが大きいと思っています。
変則的な時間に働くコツ
変則的な時間に働くと、自然光がいつもあるとは限りません。適切な明かりをとることが、眼の健康には重要です。そして、まずは「20/20/20」ルールを覚えてください。20フィート(約6メートル)離れた場所を、20秒間、20分毎に眺める、です。このルールを試して、どれだけ違いが出るかを確かめてください。
Chromeの拡張機能『eyeCare』なども利用できます。
眼の疲れを軽減するアプリ
眼の疲労を軽減するアプリを使ってください。『F.lux』(Android以外のすべてのプラットフォームに対応)は画面の色を調節して、眼の疲れを緩和し、よく眠れるようにしてくれます。そう、睡眠は大切です。
午前2時に眩しすぎる画面を見つめていると、体が目覚めてしまいます。画面を見ない時間を増やして、脳が睡眠に備えるのを助けてください。寝る前にテレビを見るのを控えれば、よく眠れるのと同じ理屈です。
『Deluminate』は夜間に記事を読みやすくしてくれるChromeの拡張機能です。Deluminateを使うとブラウザの色が反転し、薄暗いところでも字が読みやすくなります。繰り返しますが、眩しい画面を見ないことが、疲労の緩和には重要です。
『Twilight』は、Androidユーザーにとっての『F.lux』の役割を果たします。夜になると画面を温かい色に変えてくれます。『Screen Filter』も画面の輝度を抑えてくれるAndroidアプリです。
眼の疲れのせいで生産性が落ちないように気をつけてください。
睡眠パターンを監視する
睡眠パターンが健康的であれば、何時に目覚めても十分に休息した気分になれます。重要なのは、深いレム睡眠に入れたか、睡眠サイクルの途中で目が覚めなかったかどうかです。サイクルの途中で目覚めてしまうと、頭がフラつき、集中力もなくなります。
『Sleep Cycle』は睡眠パターンを監視してくれるモバイルアプリ(Android、iOS)です。デバイスの加速度センサーを利用して、寝返りなど睡眠中の体の動きを監視します。その情報に基づき、アラームをセットした時刻と、その30分前の間で、眠りが最も浅くなっているタイミングで起こしてくれます。
目覚めたとき、十分に休息がとれた気分になっているでしょう。ちょっと変わったコンセプトですが、このアプリは睡眠科学に基づいてつくられています。
『Beddit』はさらに多くの情報を計算して睡眠パターンを分析してくれるデバイスです。Bedditが監視するのは、睡眠の質、睡眠時間、安静時の心拍数、呼吸、いびきなどです。
朝寝坊のための職業とは
太陽が昇った後に目覚めても問題がないことがわかりました。あとは、自分が最も生産的になる時間にできる仕事を探すだけです。ありがたいことに、時間が自由になったり、在宅でできる仕事はたくさんあります。これなら、世の中の時間ではなく、自分の体内時計に従って働くことができます。
朝寝坊に向いている職業は、以下のものがあります。
- ライティング:在宅やフレキシブルな時間に働くことができる、様々なタイプのライティングの仕事があります。
- 接客業:ホテルなどの接客産業には、24時間営業のところがたくさんあります。自分の時間に合わせた勤務も可能でしょう。
- 病院:医療スタッフは常に不足しています。また、医療の専門職以外にも、ハウスキーパーや調理師などさまざまなポジションがあります。
- 緊急サービス:救急医療、警察、消防などの緊急サービスも選択肢に入ります。災害は時間に関係なく起こり、ただちに助けが必要となります。
- メディアの仕事:カメラマン、ラジオ局やテレビ局のスタッフ、ジャーナリスト、そのほか、エンターテイメント産業に従事する仕事。
- フリーランス/在宅勤務:外国の企業やクライアントと取引するには、変則的な時間に働く人が必要です。コールセンターからマーケティング、管理業務など、さまざまなポジションがあります。
自分の睡眠スケジュールに合った職業を見つけるには、創造的になることです。あなたが起きている時間帯にどんなビジネスが行われているでしょうか? そうしたビジネスと自分のスキルセットを見比べ、ぴったりのものを探してください。
自分が朝、起きづらいタイプだと気づくのが第一歩となります。そして、自分の体が生産的になれる時間に働くのだと心に決めてください。ちゃんとやれば、生活のほかの部分も落ち着きを取り戻し、仕事や人間関係もうまく行き始めるでしょう。あなたが朝型であれ、夜型であれ、日課をきちんとプランすれば生産的になれるはずです。
How to Stay Productive If You Aren't a Morning Person|makeuseof
Trevor Dobrygoski(訳:伊藤貴之)
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