写真を撮ってそれをウェブにアップロードするのは、なかなか面倒なものです。写真を保存するなら、定期的なバックアップ機能があって、共有が簡単で、洗練されたギャラリーで写真を見ることができて、ストレージ容量がたっぷりで、画像編集ツールが充実しているサイトがベストですよね。では、人気の高い写真ホスティングサービスを5つ、ご紹介しましょう。
Google+ フォト

ソーシャルネットワークとしてのGoogle+の善し悪しは別として、「Google+ フォト」は画像のホスティング、管理、整理、さらには共有の点でも優れたサービスだということは確かです。
Google+ フォトは、スナップ写真を管理するためのツールやオプションを豊富に提供しており、Android端末やiOS端末から自動でアップロードしたり、コンピューターやカメラからまとめて手動でアップロードしたりできます。
Google+ フォトがあれば、複数の端末からの写真を自動でバックアップし保存する、Googleアカウントと連携する、使い勝手が抜群なウェブベースの画像編集ツールで編集する、フィルタを適用する、各種端末から編集する、といったことばかりか、自動で色を補正したり、「おまかせビジュアル」で特殊効果を追加して写真をより美しく引き立てたりすることが可能です。
おまかせビジュアルはまた、複数の瞬間をとらえた写真を1つに合成してGIF「アニメーション」を作成したり、閲覧や共有がもっと楽しくなるような効果を追加したりするのにも使えます。Google+ フォトはその上、写真だけでなく動画も一緒に、「日付」や休暇・旅行などの「イベント」別に自動で仕分けし、「ストーリー」という旅行記を作成してくれます。また、サークルや別のユーザーとアルバムが共有できるよう設定しておくと、データをもとにアルバムを自動で作成してくれるので、簡単に写真を共有できます。何と、パノラマ写真も自動で合成してくれるのです。
Google+ フォトが人気なのは、写真が美しく見えること、自動アップロードと自動バックアップの機能があって楽なこと、どんな端末からでも簡単に写真の閲覧と共有ができるのが大きな理由です。それに、何といっても無料ですし、標準サイズであれば無制限で保存できます。
とはいえ、注意点があります。Google+ フォトは最終的に保存スペースをGoogleドライブと共有するため、高解像度やRAW画像の写真、フルHD動画、あるいはさらにハイエンドなデータをアップロードしたいなら、すべてを保存するために有料のGoogleドライブスペースが必要になるかもしれません。とはいっても、Google+のユーザー以外の人でさえ、洗練された写真の保存スペースとしてGoogle+フォトを認めていますし、利便性や画像編集ツールも評価されています。Google+ユーザーではない人との写真共有が面倒だという意見もありますが、良い対処法もあるようです。
Flickr

写真をウェブ上で保存、共有する大手サービスといえば、かつては「Flickr」しかありませんでした。今でも、プロの写真家や愛好家にとっては1番のサービスとして挙げられますが、時代とともに進化しているかというと、そうでもないようです。
Yahoo! 傘下に入ってから実施された手直しやアップデートは、微妙と言わざるを得ません。手直しがいくつか加えられ、サイトのレイアウトはモダンになりましたし、ギャラリーもわかりやすく、見栄えも向上しました。モバイルアプリもアップデートされたので、外出先でも写真のアップロードと編集が可能になり、友だちやグループの写真をいつでも閲覧できるようになっています。
しかし、変わったのはそれだけではありません。以前は、無料版と「Pro」アカウントという2種類のアカウントがありましたが、2013年に「ad-supported(広告が表示される)」「ad-free(広告が表示されない)」「高ストレージ容量のDoublr」の3種類になったため、わかりにくくなってしまいました。
けれども、今はアカウントの種類が2つに戻って、ずいぶんとわかりやすくなりました。Flickrは現在でも、写真のホスティングサービスとしては優れています。写真家の大規模なコミュニティがあり、ユーザーは写真の公開と非公開の変更がいつでも可能で、(クリエイティブ・コモンズなど、複数の使用許諾オプションから選択でき、選択次第では写真の販売もできます)ありとあらゆる趣味や関心のグループが見つかるのですから(たとえば、米Lifehacker編集部ではデスクトップの写真を集めたグループと、ワークスペースの写真を集めたグループを公開しています!)。
Yahoo! 傘下に入って以降、Flickrはサービスを着実に向上させながら、人気のもととなったサードパーティアプリやコミュニティを維持してきました。容量1TB(写真は200MB、動画は1GBのアップロードが可能で再生は最高3分)で画面に広告が表示されるアカウントなら、今でも無料です(ただし、Yahoo! アカウントが必要です)。かつての「Pro」アカウントは今でいうad-free(広告が表示されない)アカウントで、年間25ドルを支払えば容量は無制限です(具体的な条件は無料アカウントと同じです)。「Doublr」は容量が2TBのad-freeアカウントですが、Flickrは2013年後半にこのアカウントオプションをひそかに停止しています。
古くからのFlickrユーザーをがっかりさせるような残念な手直しがいくつかあったとはいえ、Flickrをいまだに愛用する人は少なくありません。しかし一方で、かつてのFlickrの使い心地を懐かしみつつ、あれこれ理由を挙げてほかのサービスに移った人もいます。サイトのデザインやインターフェースを修正するたびに使い勝手は悪くなる一方で、以前は1クリックでできたことが、3回も4回もクリックしなければならなくなったという意見や、コミュニティやグループに力を入れていたのに、大きなギャラリーや写真のせいでコメントやディスカッションの場が奪われたという声も聞こえてきます。それでも、ほかの写真共有サービスに変える理由がないと言ってFlickrを使い続ける人や、写真家が作品を共有したりする場としてはFlickrが1番だと考える人もいるようです。
Smugmug

「Smugmug」はずいぶん前から存在しており、ほかの写真ホスティングサイトが現れては消え、停滞する中、絶えずアップデートを繰り返しています。サービスに磨きをかけ、ユーザーにさらなる機能と、より鋭くよりモダンなデザインを提供し、写真を見せるために必要なツールを導入し、それと同時に、ユーザー間に連帯感を育んできました。
最近のSmugmugからは、Flickrのような「自分の写真を自慢してコメントを集めよう」という姿勢が消えつつあります(かつてはそんな感じでしたが)。今は、アマチュアとプロの写真家や企業が、より豊かな写真共有サイトを作り上げるために、作品を発表し、それを見たいという人と共有し、好みに応じてギャラリーのデザインをカスタマイズできる場となりました。デザインの選択肢が豊富で、Smugmugのビルトインツールを使ってあれこれ手を加えることができます。面倒でなければ、レイアウトを自分でいじっても良いかもしれません。
Smugmugならさらに、ユーザーはすべて自分でライセンスを管理できるほか、ダウンロードや電子透かし技術のオプションなども活用できます。おまけに、写真と動画は常に高解像度でアップロードされます。Smugmugはすべて有料です。希望する容量やカスタマイズオプション、写真の有料販売の有無やインターネット販売の設定などに応じて、年間40ドルから300ドルまで幅広いプランが用意されています。Smugmugの詳細プランはこちらを参考にしてください。
Smugmugファンは、2013年に公開された見直しを高く評価しています。そういった修正すべてが実施されたおかげで、画一的なサービスを提供する代わりに、各ユーザーのフォトページや、個人が独自にカスタマイズできる機能に重点が置かれ、サイトのデザインやユーザーインターフェイスはずっとモダンになりました。
お望みなら自分のドメインネームで利用できるほか、自分オリジナルのフォトギャラリーも作成できます。クールなテンプレートを使って写真をウェブにアップロードするだけでも良いでしょう。Smugmugには使いやすいツールが用意されているので、自分の写真をプリントアウトしたり、フォトブックやカード、ポスターに作り替えたりもできます。良い写真が撮れたら引き伸ばしてプリントし、フレームに入れたり、プレゼントしたり、何でも簡単に思いのままです。
Imgur

「Imgur」は、使い捨て感覚ですばやく写真を共有するためのサービスで、画像や情報、GIFを手早く拡散させることに重点を置いていると公言しています(面白いニュースや記事の一覧サイト「Reddit」とがっちり統合していることはご存知ですよね)。
けれども、ウェブで最も人気のある写真ホスティングサイトに数えられるのは間違いありません。それは、アップロードと共有がとても簡単なのが理由のひとつです。アカウントを設定すると、アップロードした全画像を保存、管理したり、繰り返し共有したり、コメントをつけたりできます。年間24ドルのImgur Proに加入すれば、アップロードした写真やギャラリーの画像を広告に煩わされることなく閲覧したり、画像の分析データを見たりできますし、共有画像に対するオプションも増えます。
また、写真のアップロードは好きなだけ可能です(無料ユーザーは写真225枚までという制限つき)。一方で、自分で撮った写真をアップロードしているユーザーには、Imgurの画像圧縮がとても不評です。無料プランのユーザーなら、5MBを超える画像はすべて5MBに圧縮されてしまいます。幸い、有料のProユーザーなら10MBを超えない限り圧縮されません(その場合でも、10MBを超えると圧縮されてしまいます)。
Imgurにはモバイルアプリがあり、自分の写真を閲覧、追跡する際に便利です。オープンなAPIなので、開発者はサードパーティアプリやツールを組み込むことができます(実際にそうしている人がたくさんいます)。Imgurは、美しいギャラリーもなければ、画像の著作権やクレジット、使用許諾、見栄えに対する配慮はなされておらず、正統派の写真ホスティングサイトとはいえません。けれども、簡単で素早く使えますし、大規模なユーザー基盤もあります。
Imgurのメリットに使用頻度の高い他サイト(Redditなど)とサービスを統合している点を挙げる人は多いです。それに、アカウントを持っているかいないか、画像の追跡を選択しているかいないかにかかわらず、とりあえず後で見るためにブックマークしただけであっても(リアクションGIFなど)、たいていのものなら素早くアップロードできて共有もスムーズなため、まさに簡単便利だと言えるでしょう。おまけに、デザインがシンプルで、スクリーン上に散らばる表示やらボックスやらウィジェットやらツールやらに煩わされずに、画像や気になるGIF、コメント欄でのやり取りに集中できるのもポイントです。それでも迷惑な画像圧縮は許せないというのであれば、それはそれで仕方ありませんね。
500px

「500px」は写真家のためのソーシャルネットワークですが、もちろん、アマチュアからプロまであらゆるタイプの写真好きが集まる場であり、作品を共有したり、交流したり、互いをフォローしたり、ほかのユーザーから学んだりできます。
ほかの写真共有サイトなら、誰彼問わず、写真の一部やすべてをアップロードし、共有できるものですが、500pxは各自の最高の写真作品を展示することで共有し、写真に対する審美眼やビジュアルアートへの情熱を抱く人々の交流の場だという理念を盛んに訴えています。とはいっても、Flickrのかつての愛好家たちが500pxに大量に流れ込んだことがありました。いうなれば、Flickrの元ユーザーたちは、Flickrの残念なアップデートを目にして、500pxの無駄のないデザインの良さに気がついたわけです(今では、Flickrと500pxにはいくつかの共通点があるのですが)。
500pxのユーザーは、専用ギャラリーと、堂々と名前が表示された写真の並ぶ自分のプロフィールページを持っています。ほかの写真家をフォローできるほか、自分の作品のライセンスや使用許諾を管理できるので、無料で使用許可を与えることも、適切な価格で販売することも可能です。500pxのモバイルアプリを使えば、ユーザーはいつでもどこでも友人や仲間の写真家と連絡を取り合い、好きな時にお気に入りのグループや一番人気の高い写真を閲覧できます。
500pxは、ユーザーでなくても使い道があり、デスクトップ用壁紙サイトとしては過小評価されているものの、米LH編集部おススメサイトの1つなのです。それにもちろん、ただ美しい写真を楽しんだり、iPadやAndroidのアプリでスライドショーを作ったりしてもいいかもしれませんね。
500pxはある意味、Flickrの「プロ」版だという意見もあります。写真に対する思い入れが特に強い写真愛好家や、写真に興味がある人の作品が多く、団体や企業、ブランドが手当たり次第にアップロードした画像で検索やコミュニティがごちゃつくことも少ないでしょう。サイトは小規模ですが、画像優先のユーザーインターフェースと、インスピレーションをいつでも簡単に得られる検索ツールが評判です。それに、コミュニティ重視の姿勢も好評で、コミュニティによる投票で玉姓混交の作品や広告、その他諸々の中から、本当に質の高い写真が発掘されています。
Alan Henry(原文/訳:遠藤康子/ガリレオ)
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