Firefoxの動作速度は日に日にどんどん加速していて、もうそろそろChromeに追いついてしまいそうな勢いなのですが、一部の人たちにとってはどれほど早くとも早すぎるということはありません。もしあなたが便利さよりもパフォーマンスを重視する方で、100%マックスなパフォーマンスをFirefoxから引き出したいのであれば、ちょっと内部の入り組んだところにある設定にまで手を伸ばしてみる、という方法もあります。

今回はそんなFirefoxのエキストラスピードをブーストするための裏技的な方法をいくつかご紹介します。

注意:今回のTipsによってFirefoxがダメになる、ということはないはずですが、実際の結果に関しては保証できませんので、どうか自己責任でお願いします。

Firefox Booster

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Windowsを使っている方であれば、まず手始めにFirefox Boosterをダウンロードして起動してみてください。この軽量アプリはFirefoxの内部の設定に潜入し、変更を施してくれます。v1、v2、v3のみの対応と書いてありますが、全てのバージョンのFirefoxに対応しています。

このアプリは独立型なのであれこれうるさいことは聞いてきませんが、ネット回線に関する情報だけは入力する必要があります。と言っても、遅い、普通、速いの三択から選ぶだけですが、設定に入力する値の決定に必要なので重要な情報となっています。

アプリはFirefoxの内部に侵入し、Firefoxの最大接続数、いくつのウェブサーバと同時に接続できるのか、パイプライン数、つまりウェブサイトに接続する際にいくつのストリームをコンテンツのダウンロードに使用できるのか、を変更します。

高速回線を使っている場合、Firefoxがより多くの回線数・パイプライン数を使用できるように設定しておけば、同時に複数のダウンロードを行った場合でも安定した状態を保つことができます。遅い回線を使用している場合、Firefoxが使用する回線数、パイプライン数を減らすことでそれぞれが邪魔し合う状況になってしまうことを避けることができます。Firefoxのデフォルト設定は全ての回線状況においてまずまずのパフォーマンスを行えるように設定されているので、回線が速い場合、遅い場合には理想的な状態では実はありません。

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Firefox Boosterには点滅テキストの無効化、Firefoxメモリ使用量の最適化、エラーメッセージをウェブページとして表示、など他にも設定があり、これらを使うことでFirefoxのパフォーマンスをさらに向上できる場合があります。

その他の方法

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Windowsユーザーではない方の場合、Tweak Networkアドオンを使って同様のネットワーク設定の適正化を行うことができます。このアドオンは全てのプラットフォームに対応しているはずです。自分で値を指定することもできますが、パワープリセットを選択し、高速ネット回線用に変更することもできます。

その他の適正化を行うのであれば、「about:config」をアドレスバーへ入力し、次ページに表示される注意書きに対して細心の注意を払うことを誓い、さらに奥へと進みます。するとFirefoxの設定を変更することができる長い長い変数リストが表示されるのでその一部を変更します。

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前述した通り、Firefoxが再起不能になる、ということは恐らくないと思いますが、結果は環境によりけりです。

  1. browser.sessionhistory.max_entries」とフィルターボックスに入力し、結果をダブルクリックして10に変更します。これによりFirefoxが履歴に残すURLの最大数が減り、ディスク使用量およびパソコンの遅さの最大の原因であるFirefoxがディスクから何かにアクセスする回数が減少します。
  2. 唯一のエントリーの下の空の白いスペースを右クリックし、新たな整数値を選択します。名称に「nglayout.initialpaint.delay」と入力し、値を0に設定。これでページの特定箇所が読み込まれている間、Firefoxが待機しない設定になるのでページの読み込みスピードが上がります。
  3. フィルターボックスに「browser.cache.memory.enable」を入力してフィルターし、ダブルクリックをして値をTrueに変更します。これによりキャッシュの一部をメモリに保存することができるようになるので、ページの読み込みが速くなります。キャッシュは以前訪問した際にダウンロードされたウェブサイトはウェブコンテンツの集合体です。通常、キャッシュはディスクに保存されますが、これによりキャッシュの一部がメモリに読み込まれるため、ページの読み込みが速くなります。
  4. 唯一のエントリーの下にある空の白いスペースを右クリックし、新たな整数値を選択します。名称に「browser.cache.memory.capacity」と入力し、RAMが128MBの場合は値を2048に設定、256MBの場合は4096、512MBの場合は8192、1GB以上の場合は12288とそれぞれ入力します。これによりキャッシュの一部を保存するためのメモリ量が設定できます。
  5. フィルターボックスに「browser.cache.disk.capacity」と入力し、結果をダブルクリックして4096に変更します。これによりキャッシュに使用されるディスクスペースが少なくなり、ディスクスペースが少ない方が従来のハードドライブを搭載したパソコンの場合はパフォーマンスが向上します。SSDを使っている場合はこの設定は変更しなくてもパフォーマンスにはほぼ影響を及ぼしません。
  6. 唯一のエントリーの下にある空の白いスペースを右クリックし、新たなBooleanエントリーを選択します。名称に「config.trim_on_minimize」と入力し、値をTrueに設定します。これによりFirefoxはアクティブに使用されていない(最小化されている場合など)不要なアイテムをトリムすることでメモリ使用量を減少させることができます。
  7. オプショナル:Firefoxに自分が見たいコンテンツのみを読み込ませたい場合、つまりクリックしたものだけを読み込ませたい場合、prefetching機能を無効に設定します。フィルターボックスに「network.prefetch-next」と入力して結果をダブルクリックし、値をFalseに変更。これによってどのくらいパフォーマンスが向上するのかは未知数ですが、データ使用量が減ることは確かです。スマートフォンからのテザリングを頻繁に行っている方であればこれも確実に重要です。

復元方法

about:config」からの設定変更を行った場合、普通の状態に戻すのは簡単です。アイテムを作成した場合は削除し、既存のアイテムを変更した場合はそのアイテムを見付け、右クリックしてリセットを選択します。これでデフォルト設定が復元されます。

結論

今回紹介したトリックによって少しはパフォーマンスが向上するかと思いますが、感覚的にわかるくらいの差が出ない場合、それはシステムがすでに速い状態であるか、インターネット回線がボトルネックになっている場合が想定できます(この場合、他のブラウザでも同様のパフォーマンスとなっているかと思います)。

他の方法も試してみたい場合は、ライフハッカーで以前ご紹介した「あなたのFirefoxをもっとサクサクにするアドオン3選+α」なども合わせてご覧下さい。

Firefox Too Slow? Optimise Your Browser With These Tricks|makeuseof

Danny Stieben (訳:まいるす・ゑびす)