こんにちは。クリエイティブ&マーケティング系キャリアコンサルタントの小島幸代です。

3・4月は、日本においては出会いと別れに忙しくなる季節です。人生設計においても、多くの人が見直しの必要性を感じる時期ではないでしょうか。

キャリアカウンセリングにおいては、物事が移り変わる中で不安や葛藤を抱えやすいターニングポイントのことを「トランジション」と言い、多くの心理学者が研究を行っています。

春はそのトランジションが起こりやすい時期といえるでしょう。ちょっとモヤモヤしているなと感じた時は、次のステップに進むための3つの基本を確認してリフレッシュを試みましょう。1.何が不安の種か明確にする

多くの人が抱える不安感には、就職や職場の人間関係、給与など、さまざまな理由があると思います。そんなときは、具体的に文章に書きおこすことで、混乱した頭の中を冷静にみつめられます(決してその文章をそのまま上司にメールで送らないでください!)。

そして、漠然とした不安感で行動が不安定になっていることに気づいたら、まず休養を取ること。理由もなく涙が出てくるといった症状が出るなど、あまりにひどい場合は自己解決を試みず、医師に相談することをすすめます。

2.過去に落ち込んだ時、不安な時どう乗り越えたか思い出す

過去に大きな試練を乗り越えた人は、困難なことに対峙した時でも前向きになれる人が多いように思います。かつての辛かった経験を思い出して、「これぐらい平気」だと考えられるからです。

では、今、あなたを取り巻く状況はどうですか? 人生で最大の不安を抱えているでしょうか? もし、そうであるなら、今は大きな学びのチャンスです。いろんな人に相談したり考え方を整理したり本を読んだり、改善の方法をたくさん考えてみましょう。

3.頭を使う知的作業から少し離れる

人間には自己意識もあれば、同時に肉体も持ち合わせています。時には知的な生産活動(パソコン前にずっと座っている状態)を離れて、野外に出て自意識を開放してみましょう。これはとても良いリフレッシュになります。簡単なことですが、「散歩する(歩く)」というのでも充分です。

米国の心理学者ブリッジス(Bridges,William)は「トランジションは人生のある章を終わらせることだけでなく、次のステップに進む為に何が必要かを見いだす事が重要であり、乗り越える為にはそこに逃げずにとどまることも大切な方策である」と言っています。

人生はいくつかの局面を乗り越えて進むものです。新しい仕事をはじめる時には、自分自身を新しい状況に合わようと頑張るのでストレスがかかります。最初はおもしろかった仕事が嫌になる時、あるいは最初の転職・退職・配置転換など、さまざまな戸惑いや思いが生じますよね。人に苦しみをもたらすのは、新しい状況へ自分を適応させようとしているときです。

人生谷あり山ありと言われるように、誰にでもトランジションはあるものです。だからこそ、リフレッシュのきっかけさえ掴むことが大切なのです。

(小島幸代)

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