ライフハッカー編集部さま
ここ何年で本を数百冊は買っているのですが、読んでもなかなか追いつかず新しい本がどんどんたまってしまいます。速読スキルを身に付けて、たまった本を速く処理するにはどうしたらいいでしょうか?
Buried Under Bradbury(本に埋もれた本の虫)より
Buried Under Bradburyさん
状況は痛いほどよくわかります。買った本に埋もれてしまうのは本当によくあることです(Amazonのウィッシュリストが200以上になってしまうのもよくあることです)。ただ、そんな状況から抜け出すのは思いのほか簡単です。今回は、積み上がった本を素早く片付けるアイデアをいくつかご紹介します。読む速度をアップさせる
「速読」は高度なスキルと思われがちですが、実際は驚くほど簡単に習得できます。『Speeder』のような速読訓練アプリを使うのも良いですが、ベースとなっている数種類のスキルを身に付けるだけで自然と読む速度は速くなります。
1. 頭の中で音読しないほとんどの人は読書する際に「頭の中で音読する癖(Subvocalization)」を持っています。この癖をやめるだけで、読む速度はとても上がります。そのためには、読書中に発声できない状態を作るのが効果的です。例えば、ガムを噛む、ハミングする、食事を食べるといった行動を試してみてください。他には、音読しないように「あ、え、い、お、う」と発声しながら読むのも1つの方法です。
2. 「読み返し」をやめる読書している時、すでに読んだ文を読み返すことがありますが(英文)、これは読書スピードを落とす原因になります。残念ながら、対策としては自覚して読み返さないように気をつけるくらいしかありません。
3. 文字を指差すもうひとつの方法として「指差し法(Meta guiding)」があります。指差し法とは、読んでいる文字を指差しながら読むことです。読んだ情報をしっかり理解して覚えるためには単語一つひとつに集中する必要がありますが、速読訓練プログラムで教わる速読術のひとつです。
残念ながら、速読は誰でも習得できるわけではありません。また、同じ本を読んでも記憶できる情報量には個人差があります。速読を試すのはいいですが、無理に訓練する必要はありません。以下のセクションでは、速読以外の方法も紹介します。
段落や章を読み飛ばす他の方法として、「スキミング(Skimming)」があります。スキミングとは必要な部分だけを抜き出して読む方法です。教科書のような本を読むには向いていませんが、たまった本を素早く読みたいときには重宝します。スキミングは、ノンフィクションのような「読み飛ばしたい部分があるような本」を読むなら特に使えるスキルです。David Davis教授によると、スキミングを習得するには下記の手順を踏むと良いそうです。
- 目次や前書きをよく読み、主な議論、全体の流れ、著者の主張を把握する
- 最後の章を読む(もしくは結論が書かれている部分を読む)
- すべての章にある「最初の段落」と「最後の段落」を読む
毎回この読み方をする必要はありませんが、気軽な読書程度であれば効率的に本の主旨を取り込めます。もちろん、興味を引く章があればそこだけを読んでもかまいません。スキミングは歴史書、エッセイ集、回顧録、話題の本などで特に効果的です。
オーディオブックを活用する運転している間、料理している間、運動している間など、読書ができない時間も多くあります。このように、本を手に取れない時間は「オーディオブック」を使うと時間を効率的に使えます。
オーディオブックはAmazon、iTunesなどで購入できます。また、「Audible」というサイトでも購入できるほか、定期購読サービスに加入すれば1カ月14.95ドルで毎月1冊オーディオブックが手に入ります。オーディオブックの相場が30~40ドルなので、かなりお得なサービスといえます。日本では「FeBe」などのサイトでも入手できます。
オーディオブックにお金を払いたくないなら、AudibleでGoogle検索することで無料の本を探せます。さらに、30日間の無料体験サービスもあるので興味があればぜひお試しください。また、「Books Should Be Free」や「Open Culture」というサイトでも無料のオーディオブックが見つかるでしょう。
複数の本を並行して読む昨年、米国人ジャーナリストのJeff Ryan氏は「新年の抱負」として366冊の本を読むと決めました。忙しそうな目標ですが、こちら(英文記事)でその方法を紹介しています。
1日1冊のペースで読んでいく必要がありましたが、すぐにそれは難しいと気づきました。私は複数の本を並行して読むため、1冊も読み終わらないうちに5、6日経つこともあります。仕事や育児で非常に忙しい日もあり、全く読む時間がない日もありました。一番最悪だったのは家族でフロリダ旅行に行ったときで、John Irvingの『第四の手』を何とか300ページほど読み進めるのが限界でした。その後、ペースを取り戻すのに1カ月もかかりました。
Ryan氏はこの読書法を実践する際、オーディオブックやマンガも活用しています。複数の本を同時に読んでも混乱しないのであれば、効果的な読書法と言えます。ただ、念のために異なるジャンルの本を読むのが無難でしょう。
どうしても好きになれない本は、読むのをやめるこれは当然と言えば当然ですが、忘れがちなことでもあります。いくつかの章を読んでみて「イマイチだな」と思ったら、本を閉じてなぜそう思ったのか考えてみましょう。自分にとって時期尚早なテーマなら、本棚に戻して「来たる時」を待ちましょう。ただ単に「評判ほどではなかった」だけなら、まだ人気がある間に売却するか、誰かに譲りましょう。すべての本に価値があるわけではないので、自分にとって価値がないと思える本に時間を使う必要はありません。
積み上がった本が何冊あるかにもよりますが、溜まった本を片付けるのに長期休暇は必要ありません。スケジュールを立てて、少しずつ着実に取り組んでいきましょう。
ライフハッカーより愛を込めて
Thorin Klosowski(原文/訳:大嶋拓人)
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