今回ご紹介するのは、『えこひいきされる人間になる かわいがられる社会人の行動術』(菊原智明著、扶桑社)。正直なところタイトルにはいささかの抵抗も感じるのですが、予断を除いて読み進めば、日常生活に取り入れられる要素はありそうです。

たとえば、最終章の「今日から始める11の心がけ」。以下、紹介します。

1.会話中はかかってきた電話に出ない(188ページ)

もし席を外して対応したとしても、会議中にかかってきた電話に対する会話を聞かれたりしたら相手はいい気持ちがしないもの。こんなときは「今、大事な方と話しているので、のちほど、こちらから折り返します」と対応。「大事な方と」、ここがポイントだとか。

2.ウソでもいいからライバルを祝福してみよう(193ページ)

ライバルが自分よりいい結果を出したら、相手を認めて祝福してみる。すると、「意外なほど気分がよくなります」。そして、こうすることで、周囲にもライバルにもあなたの度量の大きさを実感してもらえるというわけです。

3.相手の努力は探してでも見つけ そして認めてあげよう(196ページ)

たとえ些細なことでも、人がしている努力を踏みにじるべきではなく、ひとつでも認めるべきであるという考え方。人間関係を円滑にするために、小さな配慮は不可欠ですね。

4.正直者は多くの人を傷つける(200ページ)

必ずしも本音を口にすればいいというものでもなく、むしろ強調性がある人は「時には正直に気持ちを伝えない方がいいことを知っている」もの。社会人に欠かせないエチケットです。

5.褒め言葉はそのまま受け取り、人の嘆きは裏を読め(204ページ)

褒められたら素直に喜ぶ。それが結果的に、いい人から好かれることにつながるというわけです。

6.お世辞だからこそ本気で喜ぶ姿勢(209ページ)

お世辞だとわかっていても、褒められれば悪い気はしないもの。だからこそ、人を褒めるときは「相手のいいところを大げさに褒めましょう」。そうかもしれませんね。

7.目の前にいない人を褒めても喜ぶ人はいない(213ページ)

そこにいない誰かを褒める際は、目の前の人を少し褒めることを忘れずに。これは、とても大切なことだと思います。

8.嫌味や説教はゲーム感覚でクリアしていこう(216ページ)

嫌味や説教は、「言われるうちが花」と解釈してキチンと受け取ったほうがいい。

9.笑顔は心に伝わる(221ページ)

「人の心と顔は必ずつながります。だからこそ、苦しいときにこそ笑顔なのです」。これを実践すれば、笑顔に包まれて仕事ができるはず。そのとおりだと思います。

10.考え方の違う人こそ最良の教師(224ページ)

「自分と合わない人ほどありがたいと思えた瞬間から、あなたは一回りも二回りもも大きな人間になれるのです」。この発言、常に忘れずにいたいものです。

11.教えてくれる人よりも考えさせてくれる人を尊敬する(227ページ)

考えて、自分の意志で決定したことを進めていけば、人は自然とやる気が出るもの。だからこそ、「考えさせてくれる人」は魅力的だということですね。

少し、癖のある書籍です。意図的だと思いますが「こうすれば、えこひいきされるようになります」「内心苦笑しながら、(心の中で)茶化してやるのです」というような刺激的な表現が出てくるので、私は何度か戸惑いました。でも、あえて「使える」部分だけを抽出してみてはいかがでしょうか?

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(印南敦史)

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