ライフハッカー編集部さんへ
自分の食事はいつもテイクアウトやデリバリーばかり。自炊すれば、より良いものが食べられてお金の節約にもなることはわかっているのですが、いまひとつ台所に立つ気分になれません。料理に時間がすごくかかってしまい、ビギナーのままいつまでも上達しないのです。よきアドバイスをよろしくお願いします。
PN:煮え切らない料理人(Hesitant Cook)より
Title image by Swimphoto.
「煮え切らない料理人」さんへ
スーパーで食材を買って自炊すればいいものを、ついついデリバリーを頼んでお金を使ってしまうのかもしれませんが、それでは浪費しやすいですし、太りやすい高価なファストフードによって、健康をも犠牲しているかも...。幸い、この食習慣を変えようという意欲はおありのようですから、台所に立って料理を始めれば、料理ビギナーから脱却できますよ。手始めに、以下のことをお勧めします。
台所にいるとなんとなく居心地が悪いのは、料理するための環境が整っていないからかも。必要な台所用品が十分にそろっていなかったり、普段使わない調理器具などで棚や調理台が散らかっているなんてことありませんか?実際に使えるように台所を整理しましょう。
Photo by Michael Kroepfl.筆者は、米Lifehacker記事「The Geek's Guide to Rebooting Your Kitchen(台所を起動しなおすためのガイド)」を参考に、普段使わない炊飯器を撤去してまな板の近くに包丁を置き、ヘラやスプーンはコンロの隣の引き出しへ。調理台には定期的に使う器具だけを置くようにして、その他のものは、移動もしくは廃棄したそうです。
持っているものを整理したら、まだ持っていないものを吟味していきましょう。米Lifehacker記事「Budget Kitchen Upgrades for Every Kitchen that Will Change the Way You Cook (and Eat!)(台所のアップグレードを予算化しよう)」では、料理しやすくしたり、料理を美味しくするためのキッチングッズをリストしています。この記事でリストされているグッズの多くをすでに持っているなら大丈夫。とはいえ、実際料理に本当に必要なのは、鍋・フライパンを数種類と、まな板、包丁くらいなもので、そのほかは炊事を楽にしてくれるだけ。お金を使いすぎないようにしましょう。
台所が自分の時間を過ごせる空間になったら、散財せずにスーパーで買い出しする方法を見つけましょう。最善の方法は実際に献立をつくること。月曜日はアレ、火曜日はコレといったように、ガチガチに決める必要はありませんが、その週のメインとサイドくらいは決めておきましょう。これらのメニューと必要な食材を書き出し、このメモに従ってスーパーで買い出しすればOKです。
Photo by Michael Ocampo.このほか、ギークなアプローチとしては、iOS/Android向けアプリ『Food On The Table』も献立に便利。ちなみに、料理嫌いの米LHライターWhitson Gordon氏は、米Lifehacker記事「Plan Your Weekly Meals, Stress Free(一週間の献立をストレスなくつくる方法)」でご紹介した通り、iOS向けアプリ『Menu Planner』(Android向けは『Food Planner』)を使って一週間の献立をつくっているそうです。
何を料理するか着想を得たいなら、「All Recipes」(英文)や「Food.com」(英文)などのレシピ系サイトへ。日本語なら「クックパッド」や「Yahoo!レシピ」のようなレシピサイトも参考になりますよ。また、米国では、PBS系ローカルの料理番組やカリスマ料理人アルトン・ブラウン氏(Altom Brown)でもおなじみの「Food Network」があります。ちなみに、筆者のおすすめはウェブサイト「Food Porn Daily」。ざっと目を通して、気になるメニューが見つかったら、詳しいレシピをチェックしているとか。どこまで役に立つかはチェックするものによりけりですが、多少の着想は得られるでしょう。また、食生活を改善するなら、ライフハッカーアーカイブ記事「ジャンクフードを手放して食生活を改善するためのTips」も参考にどうぞ。なお、これらレシピのほとんどは、準備にわずかの時間しかかかりません。一見、料理に時間をとられるように感じるかもしれないけれど、実際ピザのデリバリーをオーダーしても30~45分程度は待たされるはず。鶏肉を焼いて、野菜をソテーする時間とそれほど変わりません。着想を得て、買い物リストをつくり、スーパーに買い出しに出かけましょう。
自炊を始めると、高価な道具やグルメな材料についハマってしまうかも。もちろんある程度は問題ありません。栄養スカスカな安売りのものより多少値は張っても、品質の高い材料と健康にいい食料を使いたくなるものです。とはいえ、米Lifehacker記事「Store-Brand Foods That Save You Money Without Sacrificing Taste(味を損なわず節約になるプライベート商品)」でも述べたように、すべてのプライベートブランドが不味くてカラダに悪いわけでもありません。また、安くて高品質なスーパーなら、地元のCo-op(生活協同組合)を利用するのも一法。また、安くて美味しい食材をうまく活用すれば、お金の節約になります。
Photo by Kate Ter Haar.緻密な計画をもとに食材を調達したら、買ってきた食材をダメにしないよう、適切に保存し、冷凍庫を効率的に利用しましょう。詳しくは、ライフハッカーアーカイブ記事「食材を無駄にしない使い切り&使い回しアイデアで賢く節約しよう」や「レタスなどの葉もの野菜をパリッとおいしく冷蔵庫で長期保存するコツ」などもご参考まで。賢く買い物して、注意深く保存。食材を腐らせてお金の無駄遣いになってしまわないように気をつけましょう。
とくに一人暮らしの場合、帰宅して料理する気分でないと、ついデリバリー生活に逆戻りしがち。そこで、こういう場合に備えて、レンジで温めるだけで食べられる料理や貯蔵庫から出してお皿に入れるだけのヘルシー食材を用意しておきましょう。
Photo by Andrew Nash.筆者は、自炊する気分でない夜は、冷蔵庫からチーズを出し、クラッカーかパンとサーディンやキッパーの缶詰で食事を済ませているとか。また、まとめて調理し、冷蔵庫か冷凍庫で保存しておくのも手です。『crock pot』のようなスロークッカーかダッチオーブンがあれば、週末、シチューや煮込み料理を多めにつくりましょう。残ったものを小分けにして保存すれば、週明けに食べたいときに温めるだけで食べられます。夕飯のメニューに加えてもいいし、お弁当として仕事に持っていくことだってできますよ。
料理はたいてい、しているうちに好きになるもの。何か美味しいものをつくりたいとひらめいて食材を調達し、実際に料理しているうちにその楽しさに気づくのです。まずは台所に立って、できるだけ料理をしましょう。一人暮らしの自炊は若干面倒なので、旦那さんや奥さん、彼氏・彼女、同僚、ご近所さんなど、自分の料理を食べてくれる人をつくっておくと、料理する意欲につながります。もちろん訓練は必要ですし時間はかかりますが、一度料理の楽しさに目覚めれば、外食やデリバリーに過度に頼らないようになりますよ。
ライフハッカーは、料理をはじめようとしている方々を応援しています。
ライフハッカーより愛を込めて
Alan Henry(原文/訳:松岡由希子)