ライフハッカー編集部 様
結局、リチウムイオン・バッテリー(スマートフォンやラップトップのバッテリー)はどう扱うべきなんでしょうか? 私が聞いた限りでも、「充電は40%から80%の間をキープすべきだ」だと言う人もいれば、「バッテリーは完全に使い切ってから充電するべきだ」と言う人もいて、実に様々な説が飛び交っています。どれを信じたらいいかわかりません。バッテリー寿命を長くするにはどうすればいいか、教えてください。
PN:バッテリーで大混乱(Befuddled About Batteries)
バッテリーで大混乱さんへ
バッテリー問題が複雑になっている原因は、リチウムイオン・バッテリーが、昔よく使われていたニッケル・バッテリーとは特性が違うからです。リチウムイオン・バッテリーは、ニッケル・バッテリーの欠点であったメモリ効果がありません。
バッテリーで大混乱さんの言う通り、リチウムイオン・バッテリーも、間違った使い方をするとバッテリー寿命が短くなってしまいます。リチウムイオン・バッテリーは通常数年はもちますが、使い方を間違うと充電できなくなったり、フル充電時の充電容量が減ってしまう時期が早まります。以下を参考に、バッテリーの正しい扱い方を覚えて、バッテリー寿命を長くしましょう。
いつも0%になるまでバッテリーを使い切るよりは、ある程度使ったら充電するほうが寿命は長くなります。「Battery University」によると(下表参照)、50%まで放電してから充電するという使い方のほうが、90%で充電したり、0%まで使い切ってから充電するよりもバッテリー寿命が長持ちするとのことです。50%まで放電してから充電する使い方が、充電回数的に一番有利だとか。
リチウムイオン・バッテリーは、必ずしもフルに充電する必要はありません。実際、あなたが聞いた40%~80%のルールは、良いガイドラインになります。充電・放電のサイクルをこの範囲に収めておくのが得策です。100%まで充電した時は、電源プラグを抜いておきましょう。電源をつなげたままにしておくと、バッテリー寿命を縮める要因になります。
1ヶ月に一度、完全に放電しましょう。リチウムイオン・バッテリーは、日常的に完全放電する必要はありません。しかし、充電切れまでの時間(あと15分など)を知らせてくれる最近の「スマートバッテリー」では、浅い放電・充電を繰り返していると、そのスマート機能が少しずつ狂ってきます。よって、製造メーカーは1ヶ月ごとに完全放電をして、スマート機能を正常に戻すことを薦めています。あまり知られていませんが、高温状態はCPUだけでなく、バッテリーにも悪影響を及ぼします。Battery Universityによると(下図参照)、高温になったバッテリーは低温のバッテリーより充電の減りが早いとのこと。
ラップトップの温度を下げるには、ライフハッカーでもご紹介してきた「自作PCスタンド」がオススメです。また、「LH質問箱:スマートフォンが焼けそうに熱くなる理由とその対処法」も参照してみてください。
以上、バッテリー寿命を長くするTipsをご紹介しました。とはいえ、気にしすぎることはありません。今すぐ充電できない状況なら、バッテリー残量が0%になるまで作業を続けてもいいですし、飛行機の中で仕事をするために100%までフル充電しておくのもありでしょう。どのみちバッテリーは数年ごとに交換するものです。神経質になりすぎず、自分のニーズに合わせた使い方をしてください。その上で、なるべく上記のガイドラインを守って扱えば、バッテリー寿命を長くすることができますよ。
お役に立てれば幸いです。
ライフハッカーより、愛をこめて。
Whitson Gordon(原文/訳:伊藤貴之)