Gmailサービスが開始された頃、みな競ってアドレスを取得し、その後登場したカレンダー、Docs、Voiceなど、その他のアプリにもなんの迷いもなく参加したものですが、最近ではパーソナルドメインも安くなってきているので、Google Appsを自分のドメイン名アドレスで使うことも、かなり簡単になってきています。
今回は、なぜ自分のドメイン名アドレスを取得するべきなのか? について、お話していきたいと思います。
■自分でコントロールできるメールアドレスの方が将来的には安心である
Gmailが今便利だからと言って、これから先もずっとメールはGmailが一番、という時代が続くとも限りません。今もどこかで、ものすごいメールシステムが発明されている途中かもしれません。もしくは、Yahooの方が自分にとっては便利、と気付くかもしれませんし、これ以上個人情報をGoogleに公開したくない、と思うかもしれません。
そんな未来に備えて、メールアドレスも本来であれば、携帯番号と同じくらいポータブルであるべきではないでしょうか? つまり、メールアドレスを変更することなく、メールのプロバイダーのみを変更する方が、プロバイダーを変えるたびにメールアドレスも変わるより、理にかなっています。「@gmail.com」のアドレスを使っている場合、残念ながら、これは選択可能なオプションではありませんが、パーソナルドメインを持っていれば可能です。
Gmailアドレスを使っている場合でも、IMAP経由で他のクライアントからアカウントへアクセス、または自動転送などを使うという選択肢もありますが、自分のドメインを持っている方が融通は利きます。また、メールの転送オプションやインポートオプションも、自分のドメインを持っている方が、俄然選択肢が多くなります。なので「メールアドレスを変更しました!」というメールをせずに済みます。
Google Appsが、自己ドメインでインストールされている場合でも、データはGoogleのサーバを経由しています。Googleはポータビリティに関して寛大なのですが、もし、将来的にそうではなくなるという事態になっても、自己ドメインを持っていれば、メールプロバイダーを変えるだけで済むので、さほど慌てる必要もなさそうです。
■プロフェッショナルな洗練、ファミリーフレンドリーどんなGmailアドレスを使っているかにもよりますが、仕事としてはいかがなものか...というユーザ名をGmailアドレス取得の際に選んでしまった人も、遺憾ながらいるかと思います。なので、自己サーバでメールアカウントを作成し、いつでもユーザ名を変更できるようにしておくのは、理にかなっているように思えます。
また、フリーランスの仕事をしている人であれば、例えば「[email protected]」など、仕事別にメールアカウントを新たに作成し、それをパーソナルアカウントとつなげておいたり、何かのイベントの際に、そのイベント専用のアドレスを簡単に作成できるので、数回メールするだけの人に、パーソナルアドレスを伝える必要もなくなります。また、子どもがある程度の年齢になったら、彼ら専用のメールアドレスを与えてあげられます。親戚の誰かがメールアドレス関連で問題を抱えている場合などにも、自己サーバのアドレスを設定してあげるなんてことが可能です。
■切替は実はさほど難しくないドメイン名を取得する際に一番難しいのは、取得可能なURLを見つけ出すことです。珍しい名前の人であればすぐに見つかるかと思いますが、自分の名前で検索してみて全部取得されてしまっていた場合、信頼できる安めのドメイン名を使用、パーソナルウェブホストスペースを購入し、そこにGoogle Appsを設定する方法もあります。ホストによっては、自動で設定可能なところもあるようです。また、ほとんどの携帯プラットフォーム用には、Google側からなんらかの同期方法が提供されているので、Appsアドレスは問題なく機能してくれます。
※注 GmailアカウントからGoogle Appsへの切替の詳細は、「今のGoogleアカウントから各種サービスを新しいアカウントへ移行する方法」を参考にしてみて下さい。ドメイン名とスペースが確保できたら、ほとんどのGoogleサービスが、Appsユーザでも使えることが分かると思います。なので、BuzzやGoogle Storage、Health、Powermeter、Profileなどがなくても生きていけるという方であれば、切り替えてもほぼ問題ないはずです。Googleアカウントが複数ある方は、複数アカウントログインサポート機能を使えます。
自己ドメインの取得というと、ちょっとハードルが高そうですが、それなりに利点はありそうです。自己ドメインのケアの手間と、将来メールアドレスを変更する可能性などを天秤にかけてみた時、どちらが良さそうでしょうか?
自己ドメインで試してみた方は、ぜひ感想をコメントで教えて下さい!
Kevin Purdy (原文/訳:まいるす・ゑびす)