今年も「クリスマスキャロルの頃」がやってきました。クリスマスソングを音楽ライブラリーの中から引っ張り出し、このシーズンならではの雰囲気を、耳で感じている人もいらっしゃることでしょう。

クリスマスソングに限らず、卒業シーズンの歌、夏を盛り上げてくれるアノ曲など「季節モノ」のミュージックを、膨大な音楽ライブラリーの中からひとつひとつ探すのは少々面倒。「オールシーズン」の曲と分けておけたら便利ですよね。

そして、音楽ライブラリーを管理する上でもっと厄介なのは、同じ曲で複数のビットレートデータを保存している場合。ロスレス形式の高ビットレートデータのみならず、MP3プレイヤーと相性のよい低ビットレートバージョンも保存していると、データが増えすぎてライブラリーの中が収拾つかなくなることもあります。

では、音楽ライブラリーをスマートに整理整頓するには、具体的にどのような方法があるのでしょうか? 米Lifehackerでは、ロスレス形式と低ビットレートバージョンを保存している場合を例に挙げ、主な2つの方法について紹介しています。

 1. 複数のライブラリーファイルを使う

ほとんどのメディアプレイヤーは、ライブラリーデータをコンピュータの中のファイル、もしくはフォルダに保存している。ゆえに、2つのライブラリーを作って、プレイヤーを立ち上げるときにどちらかを選ぶようにすればよい

iTunesで複数のライブラリーを利用するには、まず、iTunesを立ち上げるときに、「Shift」キー(Macならば「Option」キー)を押す。すると、ダイアログボックスが表示され、ライブラリーの「作成」もしくは「選択」ができる(下画像を参照)。

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iTunes以外のプレイヤーには、このような機能が実装されていないものもあるが、複数のライブラリーファイルを使うことは可能。複数のライブラリーを利用する方法については、『foobar2000』はこちらのページ、『MediaMonkey』はこちらのページ(ともに英文)をそれぞれ参照のこと。

ただし、この方法のデメリットは、完全に別個の2つのライブラリーを管理しなければならないという点。オールシーズン聴く音楽と季節モノの曲、ロスレス形式のデータとMP3向けの低ビットレートバージョン、といったように、まったく別々のものを別管理するときには適しているが、ライブラリー間で一部重なるものがある場合は、不向きかもしれない

2. スマート再生リストを活用する

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多くのメディアプレイヤーは、再生リストの中で曲をフィルターしたり、ある条件で、ファイルの表示/非表示ができる。この機能を利用して、ひとつのライブラリーにすべての音楽を保存しながら、特定のファイルだけ表示させるという方法がある。

たとえば、音楽を聴いているときは、低ビットレートバージョンを非表示にし、MP3プレイヤーと同期するときは、ロスレス形式のものを非表示にするのだ。具体的な手順は、どのプレイヤーを使うかによって異なるが、こちらでは、ライブラリーベースのプレイヤーと再生リストベースのプレイヤーに大別して、それぞれの方法を紹介しよう。

ライブラリーベースのプレイヤー

ライブラリーベースのプレイヤーには、以下のようなものがある。

iTunes (Mac/Windows対応)

Winamp (Windows対応)

Songbird (Mac/Windows対応)

MediaMonkey (Windows対応)

Rhythmbox (Linux対応)

Banshee (Linux対応)

ロスレス形式と低ビットレートバージョンが混在するケースで、音楽ライブラリーを分けるように(上記1. 参照)、2つの再生リストの作成が必要となる。片方の再生リストには低ビットレート形式の音楽だけを入れ、それ以外のものは別リストに入れるといった具合だ。

たとえば、以下の「iPodフレンドリー」ライブラリーは、作成方法も極めてシンプル。高ビットレートのファイル(この例では、400kbps未満のもの)を除外した再生リストを作ればよい。

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一方「混在する」ライブラリーは少々厄介。どれがロスレス形式で、どれが低ビットレートバージョンの複製なのか、手動で教える必要がある。このための最もカンタンな方法は、コメント欄を活用すること。たとえば「lossy」といったワードをコメント欄に入力しておき、どれが低ビットレートバージョンなのかタグ付けしておく。こうすれば、以下のように「コメント欄に『Lossy』を含まないもの」という条件で再生リストを作成できる。

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『Winamp』といったプレイヤーでは、スマートプレイリストの代わりに「スマートビュー」が作成できるが、操作手順にあまり変わりはない。

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再生リストベースのプレイヤー

プレイリストベースのプレイヤーは機能性を重視しているので、ライブラリーのための表示領域と、現在のトラックのキュー表示領域しかないのが一般的。このタイプのプレイヤーは、以下のものがある。

Amarok (Linux対応)

foobar2000 (Windows対応)

「混在する」ライブラリーでは、再生リスト作成の代わりに、現在のビューをフィルターする方法がある。具体的には、低ビットレートバージョンのものに「Lossy」といったワードをコメント付けし、ライブラリーの表示領域でフィルターする。たとえば『Amarok』では、「-comment: "Lossy"」(コメントフィールドに「Lossy」がないもの)というフィルターを使う(下画像参照)。ちなみに、「iPodフレンドリー」なライブラリーならば、「bitrate:<400」といった条件を設定すれば、フィルターできる。

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このほか、『foobar2000』などのプレイヤーでは、フィルターのたびに、以下のように「NOT comment HAS Lossy」といった条件を入力する必要がある。

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この方法でひとつ欠点があるとすれば、ライブラリーをスイッチさせるたびに、フィルタを再入力しなければならないこと。たいした手間ではないが、ワンクリックでサクっと別ライブラリーに移る、とはいかない。

いずれもユーザフレンドリーな方法とはいえませんが、音楽ライブラリーの中が無秩序に散らかっているときには、整理整頓の一方策にはなりそうですね。

このほか、もっとシンプルな方法や、マニアックなテクニックなどをご存知の方は、ぜひコメント欄で教えてください。

Whitson Gordon(原文/訳:松岡由希子)