「秘書がやったことなので...」、「私は寝てないんだ!」、「急にボールが来たので...」、「ついカッとなってやった。後悔はしていない。」
思えば、世間をにぎわせる言葉には「言いわけ」にかかわるものが多いですね。日本では「言いわけをするな!」などと、小さい頃から言われるように、言い訳にはネガティブなイメージがつきまといます。
また、冒頭の迷言もまずい言い訳によって、事態をさらに悪化させています。言い訳をしなくてもよいような状況を、自ら作ることはもちろん大事ですが、生きていれば、やはり言いわけをせざるを得ない場面は、多々出てきます。
そこで、必要なのが「言いわけ力」です。
冒頭の言いわけ達は、火に油をそそいでいますが、上手い言いわけは逆にピンチをチャンスに変えてくれます。チャンスにまで変えなくてもいいけれど、せめて火に油をそそぐのは、僕も避けたいところです。
続きます。
まずは、便利で使いやすいけど、火に油を注ぎやすい4つのNGワード。
1. 「悪気はありません」
2. 「バタバタしてまして」
3. 「なにとぞご理解ください」
4. 「言いわけになりますが」
「悪気はありません」は、僕は使ったことはないけれど、他の3つは、ついつい使いがちかな...。
「バタバタしてまして」は、自分の都合を相手に押しつけているだけだし、「なにとぞご理解ください」も、自分の都合優先「言いわけになりますが」も、問題に真正面から向き合っていない印象を与えてしまいます。
それでは、上手な言いわけとはなにか? という話になりますが、これには、必殺ワードのようなものはなかなか難しく、状況や相手との力関係、相手の性格により変わります。仮に、必殺ワードがあったとしても、この情報化社会では、すぐに陳腐化してしまうでしょうしね。
参考になるのは、テレビの有名なお笑い芸人。明石家さんまさん、ビートたけしさん、タモリさん、など。思えば、彼らが言いわけでしどろもどろになったり、火に油をそそぐような場面は、まずみられません(わざとしどろもどろにして、しまうことはあるでしょう)。
また、芸能関係で同様に言いわけがうまいのは、女性にもてると言われている人達。火野正平さんや石田純一さんなどですね。なかでも石田純一さんの「不倫は文化だ!」は、全然言いわけにもなってないと思いますが、問題の本質がなんだったのかも忘れてしまい、絶妙です。
芸能人のような話術は無理! と思う方も多いでしょうが、その際には、やはり王道でいきましょう。それは「人は一生懸命に弱い」ということ。自己の保身や弁護などせず、ただひたすら、一生懸命に謝る。こういうと、本書の出る幕もないですが、最後は術でもテクニックでもないんでしょうね。
最後に、僕も「言いわけばかりの人生だ... orz」とネガティブ思っていましたが、本書によると「言いわけは社会との接点」、「私は言いわけをする機会に恵まれている」だそうです。
まあ、確かに誰とも接点がなきゃ、言いわけをすることもないだろうし、時代が時代なら「問答無用!」で、いきなり文字通り首を斬られることもあったわけで、そういう意味で言いわけできると言うことは、とてもいい事ですね。
これからは「言いわけさせて貰えるうちが花」と思って、ポジティブに誠心誠意、言いわけします。もちろん、言いわけする必要がないように、自助努力するのは大前提ですけどね。
(聖幸)