『「分かりやすい説明」の技術 』や『「分かりやすい文章」の技術』などの一連の『分かりやすい~』シリーズでおなじみの藤沢晃治先生。

新刊では「プレゼン」がテーマです。個人的にはプレゼンをする機会が多いわけではないのですが、サブタイトルに「人前で話すのが苦手なあなたへ」と、あったので思わず反応して読んでしまいました。

そして、前書きの一行目でいきなりビックリですよ!

意外に聞こえるかもしれませんが、本来プレゼンを得意とするのは、気が小さい人、心配性の人です

えっ!えっ!

続いて

しかし、ある仕事を苦痛に感じるかどうかと、その仕事を得意とするかどうかとは、別問題です。好き嫌いと上手下手は、必ずしも一致しないのです。

とあります。まあ、それはそうなんでしょうが...

あまり釈然としませんが、次を読み進めたくなりますね。うまいなあ。さすが「プレゼンの神様」と呼ばれるだけはあります。つかみはOKですね!

続きます。

 まずは、これは避けたいという「駄目プレゼン」の事例がいくつか載っています。

  • 時間を守らないプレゼン
  • スライドが見にくいプレゼン
  • 聞き取れないプレゼン

この駄目なプレゼンの前の2つは、小心者で心配性であることを逆手にとって、「時間が足りなくなるかもしれないのでスライドを絞ろう」「時間が余るかもしれないので予備のスライドを用意しておこう」や「会場が広いかもしれないので文字を大きめにしておこう」など事前の準備で防ぐことができます

問題は最後の「聞き取れないプレゼン」です。僕もついつい緊張して声が小さくなりがちです。

この緊張を克服するには...。残念ながら特効薬はないようです。人は誰でも緊張するものだから、「今日はどんな風に緊張するかな」と客観視してそれを楽しむようにするといいのだとか。できるかなあ。

上の駄目プレゼンを克服できるようになったら、今度は難易度の高い「説得力のあるプレゼン」を目指しましょう。

ここで重要になるポイントは4つ

  1. 論理力 (論証力、証明力)
  2. 構成力 (先読み力)
  3. 比喩力 (イメージ力)
  4. 事例力 (例証力)

この4つの能力を見ると、小心者だとか口べたとかはあまり関係なさそうですね。むしろ事前の準備にどれくらいじっくりと取り組めるかが重要ですね。

「事例力」はアンテナを高くして普段から情報収集をしたり、自分の仕事の中から見つけることができるでしょうし、比喩力は読書などで鍛えることができそうですね。

最後にプレゼンで一番大事なのは「聴講者への想像力」です。プレゼンというと、ついつい自分の事だけで精一杯になりがちですが、そもそもプレゼンは自分が発表することではなく、聴衆が聴く・理解するためのものです。

プレゼンに限らず、社内外の文書でも他の人が見ることが前提の資料は相手からの視点を忘れないようにしたいですね。

(聖幸)