iPhoneの独壇場だったスマートフォン市場ですが、徐々にAndroidがその存在感を示しています。Androidにちょっとずつ心を奪われはじめている、iPhoneユーザさんもいらっしゃるかもしれませんね。
ご存知のとおり、iPhoneとAndroidでは、異なる考え方で設計されているため、その仕組みも操作性も異なります。「iPhoneではカンタンにできるのに、なんでAndroidではできないの?」ということもありますし、逆もまた真なり。
では、実際、iPhoneからAndroidに乗り換える際、何が期待でき、何は期待できず、どんなことに順応していかねばならないのでしょう? こちらでは、iPhoneからAndroidへの乗り換えで「カルチャーショック」を受けないためのポイントを、まとめてみました。
■Androidに期待できること
iPhoneに比べ、Androidに期待できるグッドな機能としては、以下の5点が挙げられます。
1. GoogleマップナビGoogleマップナビが、無料で使えるのは魅力。住所がなくても、目的地を検索できる機能のほか、音声検索、リアルタイムの交通情報、サテライトビューやストリートビューなど、便利な機能が満載。新しいルートを調べるのに、iPhoneと比べて5~10分は短縮できる。詳しくは、以下の公式紹介動画も参照のこと。
2. 音声検索Androidには、正確な音声検索機能が搭載されている。声に出せばテキストに変換し、検索できるわけだ。たとえば、ドライブ中に行き先を告げれば、ルート検索できるし、名前を発するだけで電話を発信できる。
3. 選択の自由Androidでは、通信キャリアやハードウェアのほか、アプリでも選択の自由度が高い。Android用のアプリケーションプラットフォーム「Android Marketplace」には、ユーザのカスタマイズ性を広げるアプリがいくつかある。これを使えば、ユーザはやりたいことを、自分でコントロールすることができる。
4. ウェブへの接続性iPhoneでは、ウェブへ接続するたびに操作しなければならないが、Androidの場合「ウェブがそこにある」というイメージ。Googleサービスのユーザであれば、メール、カレンダー、連絡先、ブックマークなど、あらゆる情報がケータイ上に集結する。もちろん、FacebookやTwitterにも接続することができる。ウェブアプリとの同期も可能。
5. 通知表示■Androidに期待しちゃいけないこと頻繁に、通知のポップアップが表示されるiPhoneのインターフェイスを、うっとうしいと感じる人もいるだろう。その点、Androidは、通知の仕方を自分の好みにアレンジできる。たとえば、通知を自分の見たいときにだけ、チェックするようにもできるし、逆に、呼び出し音やマナーモード、ライト点滅などで、更新通知を知らせる設定も可能だ。
Androidにもまだまだ課題が...。iPhoneに比べて「Android、イケてないな~」と思われる点は、以下の3つです。
1. スパイウェア「App Store」のようなクローズドなプラットフォームは、ユーザの安全を守る上で、ある意味、理にかなっている。一方、「Android Marketplace」には、スパイウェアの問題が出始めている。Androidアプリをダウンロードするときは、そのソースについてきちんと確認し、インストールする前に慎重に考えよう(ただし、「App Store」が、完全にスパイウェアから逃れているというわけではない。「Android Marketplace」の割合に比べると少ないという意味)。
2. 通信キャリアやハードメーカーの独自機能 通信キャリアやハードメーカーは、Androidに独自機能を付加することがある。ユーザによかれと考えてのことだろうが、むしろ邪魔だと感じるものもあるかもしれない。通信キャリアの独自アプリが不要だと思ったら、ホームスクリーンからゴミ箱にドラッグしよう。
3. バッテリー寿命■ 乗り換え時に、違和感があるかもしれないこともちろん、iPhoneのバッテリーにも寿命はあるが、Androidは、そのマルチタスク性ゆえ、バッテリー寿命が短いのが難。iPhoneよりもアプリマネジメントは必要だ。基本として、使わないアプリは終了させる習慣をつけよう。また、『JuiceDefender』でデータや、スクリーン使用を軽減するという方法や、『TasKiller』などのアプリを使って、必要のないプロセスを終了させるといった方法もある。ただし、『TasKiller』の有効性については議論があり、誤って、重要なバックグラウンドタスクを終了させてしまわないか? という不安があるかもしれない。
使っているうちに慣れてくるかもしれませんが、iPhoneからの乗り換え当初は、Android独特の操作性などに違和感を感じるかも...。主なポイントを挙げてみました。
1. タッチの違和感Androidのマルチタッチは、iPhoneほどエレガントではないかも。アニメがスムーズではないし、タッチがいつも同じ反応をしてくれるとは限らない。また、ケータイのロック解除がスライドダウンであることなど、慣れない操作もあるだろう。iPhoneとは別物と割り切って、Androidの操作に順応することが大事。
2. キーボードの違い新しいキーボードに買い換えると、ボタンの場所が違っていて、イライラすることがないだろうか? 指がキーの位置を記憶してしまうと、これを変えるのは難しい。Androidは機種によって、キーボードのレイアウトが異なることがある。
たとえば、数字や絵文字の選択は右側(ただし、機種によって異なる)。Spacebar(スペースバー)は若干小さくなっており、音声認識させるためのマイクロフォンボタンが付いている。使っているうちに慣れてくるはず。
キーボードショートカットを使えば、入力が楽になるだろう。ただし、機種によって動作しないものもあるので、ご了承を。
・ 「Alt」+「Spacebar(スペースバー)」:特殊文字を挿入
・ 「Alt」+「Delete(削除)」:行全体を削除
・ 「Alt」+「Q」:Tabスペースを挿入
・ 「Shift」を2度押し:CapsLockをオン
・ 「Menu」+「X 」:すべてのテキストを切り取り
・ 「Menu」+「C 」:テキストコピー
・ 「Menu」+「V 」:テキスト貼りつけ
・ 「Menu」+「A」:テキスト全て選択
このほか『Swype』といった、キーボード系アプリを活用する手もある。
3. ユーザインターフェイスの一貫性のなさiPhoneでは、ユーザインターフェイスの一貫性が担保されているが、Androidはそうではない。別々のアイテムが複数ページに渡っていて、右往左往してしまうかも。ホームスクリーンのページの違いに、徐々に慣れていこう。もしくは、『SlideScreen』などのアプリを使って必要な情報を整理するのも一法。
4 アプリケーションの設定 iPhoneに慣れていると、アプリケーションの設定は、グローバル設定画面で行うものだと思い込みがちだが、Androidでは、アプリケーションごとに設定することになっている。各アプリケーションに移動し、メニューボタンを押し、「設定」をするという具合だ。これは、「Android Marketplace」からダウンロードしたアプリに限らず、テキストメッセージ、メールアカウントなども同様。
5. 操作ボタンAndroidでは、スクリーンの下にある、4つのボタンを駆使することになる。最初は、なぜこんなボタンが付いているのか疑問に思うかもしれないが、複数スクリーンを前提としたiPhoneアプリと異なり、Androidアプリは、シングルスクリーンでボタンとオプションがあるという、従来のデスクトップアプリと似た機能になっているので、操作ボタンも、このような造りになっていると考えられる。徐々に覚えていけば、次第に慣れるだろう。
5. 同期Androidのメリットのひとつに、同期が必要ないという点が挙げられる。もちろん、USB経由でPCからコピーすることは可能だが、iTunesのような面倒な同期は必要ない。デバイス間の同期には、『doubleTwist』がオススメ。Androidのデフォルトのメディアプレイヤーが気に入らない人も、このアプリなら使いやすいだろう。
6. 容量オプションiPhoneと違い、Androidでは、容量を拡張することができる。ユーザは容量に制限がないのはいいことだが、必要に応じて、MicroSDHC cardを買い足さなければならない。通常、8GBからスタートする。32GBか、これよりも小さいものを入手するかは、考えどころだ。
AndroidとiPhoneについては、ライフハッカーアーカイブ記事「ますます熱いスマートフォン! iPhone vs. Androidを徹底比較」でも、両者の特徴や機能の違いをご紹介しています。iPhoneからの乗り換えをご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
Adam Dachis(原文/訳:松岡由希子)