『現代の忙しいビジネスマンこそ「黙想」や「瞑想」が必要です!』という、なんだかライフハッカーよりも、妹分のマイスピリチュアルの方に取り上げられそうな本。

しかし、GTDやPower of less 減らす技術でも、『頭を「空っぽ」にする』という事の重要性が説かれているので読んでみましたよ。

近年は、IT技術の発達により、受けとる情報が格段に増えました。それに伴い判断すべき事も飛躍的に増えています。しかし、1日の時間は相変わらず24時間のまま。便利になったのか、ただただ忙しくなったのか、評価は分かれるところです。しかし、この流れはもう止められませんね。

一方、社会の状況の変化を考えてみても、従来は一般的には男性は会社や仕事の事のみを考えていれば良かったし、女性の場合は家庭を守ることを考えていれば、それでうまくいっていたような気がします。しかし、近年では仕事のスピード感は増す一方だし、プライベートもライフスタイルの多様化で軸が定まりにくく、自分の軸を持たずに慌ただしい日々に流されるような毎日です。

そこで、著者が説くのが『黙想』や『瞑想』です。

ただでさえ忙しいのに悠長にそんなうさん臭いことを...と、僕も思いましたが読んでみると、なるほどという感じでしたよー。

続きます。

 著者は、長年ビジネスマン生活を高度成長期から現代までをめまぐるしく駆け抜けてきました。良いときも悪いときもあったでしょうが、その中で見いだしたのが「黙想」の有用性。サラリーマンは出世するとともに、単純に上司に言われた仕事だけをしていれば良かったのが、部下の管理やら周囲との折衝など、単純にどっちが良いとも悪いとも言えない頭を悩ます自体が増えていきます。年齢を重ねると家族や地域社会との関係など悩みも増えていきますね。

そんなゴチャゴチャした状態で見いだしたのが「黙想」です。

散らかった引き出しを整理整頓するのに、中身を一度全部出してから収納しなおすのがもっとも効率的であるのと同じです。人も頭を空っぽにしてからの方が、物事をスムーズに進めることができるし、考えも整理することができます。

「黙想」というと、なんだか字面を見ると難しく高尚な事なような気もしますが、実際のやることといえば、

1日に10分~15分、目を閉じて、その日あった良かったことを思い浮かべる。

と、結構単純。これだけです。

こんな事で、人生が好転するというと、余計に嘘くさいと言えば嘘くさいんですが、一旦頭を空っぽにしてポジティブなことで埋めることでしか、見えないものがあるのかもしれませんね。

実際、この『黙想』を周囲の人に試してもらったところ、

  • 視野が広がり勘がさえる!
  • 頭がクリアになって集中力・思考力がアップ
  • 少ない睡眠時間でも平気になった

などの効果があったようです。

その一方弊害もあるようで、あまりに集中力・思考力がアップしてバリバリ仕事をするものだから、体力の方が追いつかなくなって、ダウンしてしまうんだとか。

でも、そういう弊害もきちんと書いているのは誠実な感じがしますね。

また、面白いのが、「瞑想」や「黙想」を続けることにより「運が良くなる」ということ。

「なんの因果関係が?」と、思ってしまいそうですが、忙しくバタバタと生活していると見えなかったものが、ゆったりと頭をクリアにして生活することで、細かい事にも良く気がつくようになって、結果的に「運が良い!」という状態になるのかもしれませんね。

ちなみに「黙想」と「瞑想」の違いは

「黙想は内省」「瞑想は開眼」

さらに言えば「瞑想は思考をしないこと」です。

少し試してみましたが「思考しないこと」って、言われても結構難しいですよね。能動的に「思考しないこと」を試そうとするのがそもそも無理があるような...。満員電車で疲れ切って放心状態の人を見ますけど、ああいうのとも違うんだろうなあ。

毎朝、毎晩、ゆったりと「黙想」「瞑想」をして、週末にはゆったりと「GTDの週次レビュー」などという生活を送りたいものですが、僕は毎日が迷走中でございます。

(聖幸)

 

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