ライフハッカーでは「GoogleWaveは既存のウェブサービスと何がどう違うのか?」を主要機能別に比較してみましたが、「うーん、やっぱりピンとこない...」という方もいらっしゃるかもしれませんね。そこで、米Lifehackerでは「Google Wave、普段どんな風に使ってる?」というテーマで読者アンケートを実施。初代編集長のGinaが優秀作品を選び、GoogleWaveの非公式ガイド『The Complete Guide to Google Wave』にその内容を追記したそうです。こちらでは、その概要を10の事例にまとめてみました。
事例その1: グループTo Doリストと業務履歴に活用 Justin Swallさんが経営するコンピュータ修理業者「Swall's Associated Services」では、社内のToDoリストとしてGoogle Waveを活用。スタッフの業務履歴をチェックし、誰がどのタスクを完了させたのか?どのタスクは未処理なのか?を管理している。一連のワークフローとしては、毎日、新規Waveを作成し、その日のタスクと納期を明記した上で、優先順位付けしてリスト化。スタッフは各タスクの進捗状況をWaveで更新する。インライン機能を使えば、誰がいつ更新したのか?の履歴も残るので便利。未処理のタスクは「Copy to New Wave」機能で翌日分の新規Waveに移せば、残タスクの漏れもない。
Justinさんいわく、従来のメールベースでのコミュニケーションに比べてGoogle Waveはコミュニケーションが一元化できるので、タスクマネジメントに適しているとか。
事例その2: イベント企画に活用WaveのMapの埋め込み機能や投票ウェジットは、会合やイベントの企画・運営に便利に使える。
たとえば、15歳の少年Sean Cascketta君は、クラスメイトとの週末の遊びの企画にWaveを活用しているそう。イベントの概要を入力し、投票ウェジットを使って、「参加」・「不参加」・「不明」を招待ユーザがクリックひとつで返信できるようにしている。
また、仲間と"ブランチ会"を開催し、ブルックリンの美味しいブランチの店を食べ歩いているJed McClureさんの悩みは、参加者の把握。メールベースのやりとりだと、結局誰が参加するのかを整理するのが煩雑だった。そこで、Google Waveを活用し、ブランチ会の予定を書き込み、投票ウェジットで参加の可否をクリックひとつで返信できるようにした。お店の場所はWave内でMapに埋め込んでいる。各メンバーからのコメントはインライン機能で表示されるので、オープンなコミュニケーションもやりやすい。また、Waveをチェックすれば、過去のブランチ会の様子も遡ってチェックできるのもよい。
事例その3: プレゼント候補リストに活用 Hal Wilkeさんは2児のパパ。子供たちへのプレゼント候補をアイデア出しするのに、Waveを活用してみたという。従来は、おじいちゃん・おばあちゃんに孫たちが欲しがっているものをメールで知らせていたが、やりとりが錯綜することもしばしば。そこで、おじいちゃん・おばあちゃん・ママとWaveを共有し、誰が何をプレゼントするか?を書き込みあった。おかげでプレゼントが"カブってしまう"こともなく、スムーズにプレゼント選びができた。また、同時にサプライズ企画を進行させることもできたとか。プライベート返信機能を使い、おじちゃん・おばあちゃんとママへのサプライズプレゼントを相談しあったそう。
事例その4: 議事録作成に活用Waveの王道的な使い方として、コラボでのメモ作成がある。会議や授業などで複数のユーザが共同でメモを書き込み合うというものだ。米インディアナ大学の職員Manjit Trehanさんはこれを実践しているひとり。10人ほどが参加している会議で、4~5人がWave上で議事録を作成した。ひとつのWaveで全てを書き込み合うのも一法だが、Manjitさんの経験則によると、議題ごとにWaveを分けたほうが効率的だとか。
事例その5: プロジェクトマネジメントに活用米Lifehacker記事「How to Manage a Group Project in Google Wave(Google Waveを活用したプロジェクトマネジメントの方法)」で紹介されているように、事例1のような日常業務のマネジメントだけでなく、プロジェクトマネジメントにもWaveが活用できる。
タグ機能や検索条件の保存機能を活用すると、Waveでプロジェクト用のワークスペースを作成できる。たとえば、『The Complete Guide to Google Wave』の出版プロジェクトでは、これに関するWaveに「cwg」というタグをつけるようにした。各メンバーが「tag:cwg」と検索条件を保存しておけば、プロジェクトに関するWaveだけをカンタンに表示させることができるわけだ。
Waveをプロジェクトマネジメントツールとして使う場合は、テーマやタスクごとに新規Waveを作成するとよい。たとえば、この出版プロジェクトでは、章ごとにWaveを作成し、編集しあった。また、価格付けについての議論や表紙画像については、別のWaveで共有した。
事例その6: 会議のバックチャンネルとして活用タグ機能は公開されているWaveでも便利。公開Waveにタグをつけておけば、誰でもカンタンにこれに関するWaveを見つけることができる。実際、一部の会議では、参加者がそのイベントに関するTwitterの更新やFlickr画像のアップロードに使えるよう、独自のタグを公開している。参加者は同じタグをWave内でも活用し、イベントに関して情報共有や議論ができるわけだ。
たとえば、2009年11月にニューヨークで開催された「Web 2.0 Expo」で、Ginaは「Making Sense of Google Wave」というプレゼンテーションを行ったのだが、「w2e」という公開タグを使って、参加者をWave上でのコミュニケーションに招待した。
同様の試みは、「eComm Europe」や「MediaWiki」でも実施されており、参加者がWaveを使って議事録を書いたり、リアルタイムで議論し合ったりしていたそうだ。
ちなみに、Ginaによる「Making Sense of Google Wave」のプレゼンの様子は以下の動画でどうぞ。
事例その7: ニュース速報としての活用Waveのリアルタイム性はニュース速報のチャネルとしても活用できる。たとえば、警官4名を撃った犯人をシアトル警察が追っているとして、地元紙「シアトル・タイムズ」がその速報をWaveで発信し、読者から最新情報を募るという方法もありうるわけだ。
もちろん、犯罪者の捜査に多くの人々がかかわるとは思わないが、ニューヨークに住む母親が山火事が発生しているサンディエゴで暮らす娘を心配し、最新の情報を得たいという場合など、Waveのリアルタイム性はニュース発信ツールとして十分使えるだろう。
事例その8: インタビューツールとしての活用Waveのインライン返信機能はインタビューといったQ&A型のコミュニケーションになじみやすい。インタビュワーが質問を投げかけ、回答者がインラインで回答し、その回答に対してさらに質問を投げかけるといった会話のキャッチボールがしやすいのだ。
事例その9: テンプレートとしての活用あるフォーマットを頻繁に使う場合は、Waveをテンプレート化すると効率的。テンプレートフォルダを作成し、保存したいWaveをここに保存しておく。新規Waveを作成するときに「Copy to New Wave」を選べば、保存したWaveをそのまま引き継ぐことができる。
事例その10: 公式WaveテンプレートGoogle愛好者のPamela Foxさんはテンプレートを公開し、各ユーザがカスタマイズして使えるようにしている。ご関心のある方はGoogle Waveのこちらのページをどうぞ。
米Lifehackerのアンケート回答では、リアルタイムベースのWikiとして活用していらっしゃるWaverさんが多かったそうですが、これらの事例のとおり、インライン表示やコラボ編集機能など、まだまだ機能満載のGoogle Waveを最大限に活用すると、生産性がグッとアップするかもしれませんね。
こちらの内容は『『The Complete Guide to Google Wave』に第10章で述べられています。あわせてご覧ください。
Gina Trapani(原文/松岡由希子)