もし自分が死んだら、このメールアドレスやソーシャルネットワークのアカウントはどうなるの?
日々の生活にネットが欠かせない人は、誰もが一度は想像したことがあるのではないでしょうか。例え本当に自分が死んでいなくても、使わなくなってしまったアカウントは"死にアカウント"と呼ばれているくらいで、ユーザーの生死に関わらず使われていないアカウントはネット上では"死んでいる"ということです。
しかし、いわゆる"死にアカ"と違って、死の直前までユーザーが頻繁に使っていたアドレスやアカウントには、死後も重要な情報が残されている訳で、それらは一体どうなってしまうのでしょうか?
ポピュラーなサービスである「Gmail」「Hotmail」「Yahoo」 のメールアドレス、「Facebook」「MySpace」のアカウントについて、それぞれの調査結果がありましたのでご紹介しましょう。
■GmailGmailユーザーが亡くなった場合は、故人の法定代理人、もしくは故人が18才未満の場合は親権者が、条件を満たせば以下の情報をGoogleにFAXか郵送し、確認が取れればメールアカウントにアクセスできるそうです。
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1. お客様の氏名と連絡先(確認可能なメールアドレスを含む)。
2. 故人の Gmail アドレス。
3a.確認可能なメールアドレスで、問題の Gmail アカウントから受信したメッセージのヘッダー全体。(Gmail のメッセージのヘッダーを確認するには、メッセージを開いて [詳細オプション] をクリックし、[メッセージのソースを表示] をクリックして、「Delivered-To:」行から「References:」行までのすべての行をコピーします。他のウェブメールやメールプロバイダでヘッダーを確認する方法については、こちらの URL をご覧ください。 )
3b.メッセージの全文。
4. 死亡を証明するもの。
5. 次のいずれか: a)故人が 18 歳以上だった場合は、あなたが故人の法定代理人であることを示す、地域の法律に基づいた証明書をお送りください。 b)故人が 18 歳未満で、あなたが故人の親権者である場合は、出生証明書のコピーをお送りください。
郵送先:
Google Inc.
Attention: Gmail User Support
1600 Amphitheatre Parkway
Mountain View, CA 94043 USA
FAX 番号:
650-644-0358
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詳細については、ヘルプの該当ページをご覧下さい。
本当に故人のGmailアカウントにアクセスすることになったら、まず最初にパスワードをリセットするところから始めましょう。
■HotmailHotmailのメールアカウント情報は、一定期間使用されなければ削除されるようになっています。ですから、ユーザーが亡くなった場合は、遅かれ早かれ(少なくとも1年以内には)データは消去されます。ですが、もし近親者が亡くなったユーザーのアカウントにアクセスしたい場合は、Gmailと同じような確認情報をHotmailに送れば、アクセスすることも可能です。ただし、パスワードのリセットはできません。
詳細については、ヘルプの該当ページをご覧下さい。日本版のHotmailヘルプには該当箇所が無いようでした。
■Yahoo!Yahoo!のセキュリティーポリシーは非常に厳しいものなので、本人以外は誰にもメールアカウントにアクセスできないようになっています(裁判所の命令で遺族に開示した例も[via CNET JAPAN])。ユーザーが亡くなった場合でも、いかなるアクセス権限も認めていません。「自分が死んだらメールは誰にも見られたくない!」と思っている人は、Yahoo!メールを使いましょう。こちらも日本版のYahoo!メールのヘルプには該当箇所が無いようでした。
Facebookは、故人のユーザーアカウントには誰もアクセスできません。しかし、ユーザーが亡くなった場合は、リクエストすればメモリアルページに変更することができます。専用フォームに必要な情報を入力して送信すれば、プライバシーに関する個人情報などを除いて、フレンド登録している友人や家族は、故人のアカウントページにアクセスすることができるようになります。ファミリーメンバーは、故人のページをカスタマイズすることもできるそうです。
ただ、この専用フォームの情報だけで、本当にユーザーの死亡証明が可能なのかが気になります。いたずらに使われないといいのですが。
■MySpaceMySpaceの故人ユーザーについてのポリシーは若干曖昧です。故人の近親者であっても、コンテンツの編集や削除はできないのですが、妥当だと判断されれば削除してもらうことができるそうです。手続きは、MySpace([email protected])にメールを送るだけでいいようです。しかし、MySpaceにメールを送ると、ユーザーパスワードをリセットするように勧められます。
■まとめ結局のところ、自分が死んでも、サイト側が自動的に削除しない限り、もしくは近親者がクローズするようにリクエストしない限り、基本的にアカウントは生き続けるようです。ほとんどのサイトが、証明書や証明情報を送りさえすれば、近親者にはアカウントへのアクセス権限を認めています。
ということは、自分の死後に備えてメールアドレスやアカウントのパスワードは1つに統一し、それを遺書に書いておけば、家族は面倒な手続きをしなくても簡単にアクセスできていいかもしれません。
逆に、自分が死んだら絶対誰にも自分のアカウントにアクセスして欲しくないという人は、この中のサービスなら「Yahoo」を使うのが一番安全ということになります。本当に知られたくないなら、パスワードどころかどのサービスを使っていたかさえ、できるだけ情報を残さないように日々注意してネット生活を送った方がいいでしょう。
ちなみに国内最大手のSNS・mixiでは遺族からの問い合わせがあれば対応してくれるようです。
改めて、自分が死んだ後のメールサービスやアカウントのことを考えたことがありますか? すでに何か対策をしているという人は、ぜひコメントで教えてください。
Find What Happens To Your Email and Social Networking Accounts When You Die [MakeUseOf]
Lisa Hoover(原文/訳:的野裕子)