コンピューター誕生の歴史に隠れた6人の女性プログラマー
―彼女たちは当時なにを思い、どんな未来を想像したのか―
著者 | キャシー・クレイマン 著・ 羽田 昭裕 訳 |
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分野 |
科学一般
> 伝記 科学一般 > 科学史 情報・コンピュータ > 情報・コンピュータ一般 |
発売日 | 2024/07/30 |
ISBN | 9784320006195 |
体裁 | 四六・406頁 |
定価 | 2,860円 (本体2,600円 + 税10%) |
「最初の職業的プログラマーは女性だった!
歴史的な日に彼女たちが得た 感動的な高揚と憂鬱な消沈を共有するオーラル・ヒストリー」
小谷元子先生(東北大学 副学長・国際学術会議 会長)推薦!
第二次世界大戦終結後の1946年、世界初の現代的なコンピューター「ENIAC(エニアック)」が、当時の米国陸軍の極秘プロジェクトにより開発された。そして、その誕生に多大な貢献をしながらも、長きにわたり脚光を浴びることのなかった6人の女性プログラマーがいた。本書は、彼女たちの知られざる功績を鮮やかに照らし出し、その足跡を追う革新的なノンフィクションである。
戦時中、「数学専攻の女性求む」という新聞広告をきっかけに選ばれたのが、キャスリーン・マクナルティ、フランシス・ビーラス、ルース・リクターマン、ジーン・ジェニングス、ベティ・スナイダー、マーリン・ウェスコフの6人だ。多様なバックグラウンドを持つ彼女たちに共通していたのは、数学の才能と未開拓の分野に挑戦する情熱だった。
彼女たちは、大砲の弾道計算プログラムを開発するという前例のない任務に挑んだ。当時、現代的なコンピューターのプログラミングは黎明期で、頼るべき前例も教科書も存在しなかった。それでも彼女たちは手探りで数値解析を学び、プログラミングの基礎を確立していった。そして、チームワークを高め、創意工夫を結集し、ENIACを稼働させた。
著者のキャシー・クレイマン(Kathy Kleiman)は、一枚の古い写真をきっかけに彼女たちの存在を突き止めた。そして、長年にわたる丹念な調査と生存者への聞き取りを通じて、彼女たちの生い立ちや個性、プロジェクトでの役割、その後の人生を克明に描き出し、忘れ去られていた真実を掘り起こした。
開発チームは男性中心だったが、彼女たちはそのなかでパイオニア精神に満ちた取り組みを行っていた。本書は、多様な経験や考え方を持つ人々の協働こそがイノベーションの源泉となること、そして何より、STEM分野(科学・技術・工学・数学)で女性が大きく羽ばたけることを物語っている。
プログラミングやテクノロジーに関心がある人だけでなく、理系分野全般や社会全体にも示唆を与えてくれる一冊である。STEM分野を志す学生にとっては、先駆者たちの足跡をたどる貴重な機会となるだろう。また、ジェンダー平等やダイバーシティの推進に関心のある人にもおすすめである。
口絵写真24点収録。カバーと帯に、原著未収録の写真を特別掲載。
[原著]Proving Ground: The Untold Story of the Six Women Who Programmed the World’s First Modern Computer, Hachette Book Group (Grand Central Publishing), 2022.
『コンピューター誕生の歴史に隠れた6人の女性プログラマー』刊行記念
キャシー・クレイマンから日本の読者へのメッセージ
<書評掲載案内>
ENIACのプログラム技師(ENIAC6)
電子工学科ムーア校[ペンシルベニア大学]
弾道研究所、性能試験場[メリーランド州アバディーン]
まえがき
大きな扉が開く
ムーア校の計算チーム 1942年~
数学専攻の女性を探して
異質な存在
基地の片隅に佇んで
他人の功績を認めなさい
事が順調に運んでいない
加算機とレーダー
ウォルナット通り3436番
地下室の怪物
失われたメモ
「ゴールドスタインに金を出してやれ」
戦時の暗黒の日々
「あれほどの機械が、あんなたった一つのことをするために」
キスの橋
電気は怖い?
彼女のやり方で学ぶ
ハゲタカに囲まれて
ムーア校でENIACをプログラムし、デバッギングする 1945年~
学部長の控えの間
新たなプロジェクト
分割して統治せよ
問題を操作の列にする
途方もなく大きなもの
プログラムとペダリングシート
ベンチテストとベストフレンド
並列プログラミング
サインとコサイン
ENIACルームは彼女たちのもの!
公開実験の日を前にして最後まで残ったバグ
公開実験の日、1946年2月15日
奇妙なアフターパーティー
性能試験場で稼働し続けるENIAC
百年問題と求められたプログラム技師
ムーア校の講義
彼女たち自身の冒険
アバディーンとその周辺のENIAC5
新たな人生
エピローグ 再会
あとがき
キャスリーン(「ケイ」)・マクナルティ・モークリー・アントネッリ(1921-2006)
ルース・リクターマン・タイテルバウム(1924-1986)
フランシス・ビーラス・スペンス(1922-2012)
マーリン・ウェスコフ・メルツァー(1922-2008)
ジーン・ジェニングス・バーティク(1924-2011)
フランシス・エリザベス(「ベティ」)・スナイダー・ホルバートン(1917-2001)
謝 辞
訳者あとがき
原 注
主要文献一覧
事項索引
人名索引
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