代数学の歴史
―古代から20世紀初頭まで,人はいかに未知数を手懐けてきたか―
著者 | Victor J. Katz 著・ Karen Hunger Parshall 著・ 佐藤 勝造 訳・ 佐藤 文広 訳 |
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分野 |
数学
> 数学一般 > 数学史 数学 > 代数学 |
発売日 | 2023/07/28 |
ISBN | 9784320114937 |
体裁 | B5・426頁 |
定価 | 9,900円 (本体9,000円 + 税10%) |
本書は、古代から20世紀初頭までの代数学の歴史を解説する書籍である。もともとは未知数を決定するための技法の集積であった代数が、群・環・体を始めとした抽象的な現代代数学へとどのように進展していくのかを紐解いていく。
紀元前2000年前後から1930年代まで、エジプト、メソポタミア、ギリシャ、中国、インド、イスラーム世界、そしてヨーロッパと、時代的にも地域的にも広範な領域が取り上げられており、また近年の研究成果も多く取り入れられている。代数学の通史としてこの上ない書籍である。
[原著:Taming the Unknown: A History of Algebra from Antiquity to the Early Twentieth Century, Princeton University Press, 2014]
1.1 なぜこの本が?
1.2 代数学史におけるパラメータの設定と吟味
1.3 本書の課題
第2章 エジプトとメソポタミア
2.1 エジプトにおける比例
2.2 メソポタミアの幾何的代数
第3章 古代ギリシア世界
3.1 エウクレイデス『原論』と『ダタ』における幾何的代数
3.2 アポロニオス『円錐曲線論』における幾何的代数
3.3 アルキメデスと3次方程式の解法
第4章 その後のアレクサンドリアでの発展
4.1 ディオパントスによる予備的考察
4.2 『数論』ギリシア語版最初の3巻からの見本
4.3 『数論』アラビア語版からの見本
4.4 『数論』ギリシア語版残りの3巻からの見本
4.5 『数論』の受容と伝播
第5章 古代・中世中国における代数的思考
5.1 比例と1次方程式
5.2 代数方程式
5.3 不定解析
5.4 中国の剰余問題
第6章 中世インドにおける代数的思考
6.1 比例と1次方程式
6.2 2次方程式
6.3 不定方程式
6.4 1次合同式とクッタカ
6.5 ペル方程式
6.6 数列の和
第7章 中世イスラーム世界における代数的思考
7.1 2次方程式
7.2 不定方程式
7.3 多項式の代数
7.4 3次方程式の解法
第8章 ラテン西欧への伝播,移植,普及
8.1 13世紀における代数的思考の移植
8.2 13世紀から15世紀に至るイタリア半島とその周辺における代数的思考の普及
8.3 イタリアの外への代数的思考の普及と代数的記号法の発展
第9章 16世紀ヨーロッパにおける代数的思考の成長
9.1 一般の3次方程式,4次方程式の解法
9.2 一般的な問題解決技法としての代数を目指して
第10章 解析幾何学から代数学の基本定理へ
10.1 トーマス・ハリオットと方程式の構造
10.2 ピエール・ド・フェルマと『平面・立体軌跡序論』
10.3 アルベール・ジラールと代数学の基本定理
10.4 ルネ・デカルトと『幾何学』
10.5 ヨハン・フッデとヤン・デ・ウィット,『幾何学』の二人の注釈者
10.6 アイザック・ニュートンと『普遍算術』
10.7 コリン・マクローリンの『代数学論考』
10.8 レオンハルト・オイラーと代数学の基本定理
第11章 代数方程式の根を求める
11.1 18世紀における高次方程式の代数的解法の探究
11.2 置換の理論
11.3 可解方程式を決定する
11.4 ガロアの業績とその受容
11.5 群論の様々な源泉
11.6 群の抽象概念
第12章 n 個の未知数をもつ代数方程式を理解する
12.1 n 個の未知数をもつ連立1次方程式系を解く
12.2 n 変数同次多項式を線型変換する:3つの文脈
12.3 行列と線型変換の理論の発展
12.4 不変式論の発展
第13章 「数」の性質を理解する
13.1 新種の整数――「複素」整数
13.2 新しい「複素」整数に対する新しい数論
13.3 代数とは何か? 英国での論争
13.4 ベクトルのなす「代数」
13.5 複数形の代数の理論
第14章 現代代数学の出現
14.1 新しい代数的構造を公理的に理解する
14.2 代数学への構造的アプローチ
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