ゲノム進化学

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ゲノム進化学
著者 斎藤 成也 著
分野 生物学・生物科学  > 遺伝子・遺伝  > ゲノム
生物学・生物科学  > 進化・発生・形態  > 進化
発売日 2023/06/13
ISBN 9784320058378
体裁 A5・436頁
定価 6,270円 (本体5,700円 + 税10%)
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 本書は、2007年刊行の『ゲノム進化学入門』を大幅に拡充し、2018年刊行の“Introduction to Evolutionary Genomics”ーSpringer社ーに書かれている内容およびそれ以降の研究の進展を書きこんでアップデートな内容にしたものです。
 3部構成となっており、第1部「進化は生物学を統合する」は、DNAからゲノムへ、DNAからタンパク質へ、生物界の階層構造、生命の歴誌の4章を含みます。第2部「ゲノム進化のメカニズム」では、突然変異、系統樹、集団の遺伝、ゲノムの長期進化を論じます。第3部「ゲノム進化の研究法」では、ゲノム配列の決定とデータベースの利用、整列と置換数の推定、系統関係の復元、集団進化史の解析、そして最後にゲノムと表現型をつなぐというゲノム進化研究の諸方法について解説しています。
 著者は学生時代から一貫して分子進化学、その後はゲノム進化学の研究をてがけてきました。大学院時代に開発した系統樹作成法のひとつである近隣結合法は、現在でも世界中で広く使われています。また最近終了した「ヤポネシアゲノム」プロジェクトでは、50名前後の研究者が日本列島人(ヤポネシア人)の起源と成立について様々な視点から研究をおこなったものですが、著者はその領域代表でした。これら最新の研究成果についても、本書には盛り込まれています。

はじめに

第I部 進化は生物学を統合する

第1章 DNA からゲノムへ
1.1 DNA
1.2 遺伝子
1.3 ゲノム

第2章 DNA からタンパク質へ
2.1 DNA からRNA への転写
2.2 アミノ酸配列への翻訳と遺伝暗号
2.3 遺伝子発現のコントロール
2.4 タンパク質
2.5 タンパク質の多様性
2.6 酵素

第3章 生物界の階層構造
3.1 分子
3.2 細胞
3.3 組織
3.4 器官
3.5 個体
3.6 集団と種
3.7 生態系

第4章 生命の歴誌
4.1 宇宙のはじまりから考える
4.2 塩基配列とアミノ酸配列をつなぐ翻訳システムの進化
4.3 遺伝暗号の進化
4.4 DNA 複製の進化
4.5 代謝ネットワークの進化
4.6 原核生物の誕生とその多様化
4.7 真核生物の誕生
4.8 植物の誕生と多様化
4.9 菌類の誕生と多様化
4.10 動物の誕生と多様化
4.11 脊椎動物の誕生と多様化
4.12 哺乳類の誕生と多様化
4.13 霊長類の進化

第Ⅱ部 ゲノム進化のメカニズム

第5章 突然変異
5.1 突然変異の種類
5.2 塩基置換
5.3 挿入・欠失の突然変異
5.4 直列配列(いわゆるマイクロサテライト)の単位数の変化
5.5 遺伝子変換と組換え
5.6 遺伝子重複
5.7 多様な突然変異率
5.8 突然変異率の推定

第6章 系統樹
6.1 さまざまな系統樹
6.2 遺伝子系統樹
6.3 種系統樹
6.4 系統樹の基礎概念
6.5 系統樹と生物分類
6.6 系統樹では表現できない現象と系統ネットワーク

第7章 集団の遺伝
7.1 「集団」とは?
7.2 分枝過程
7.3 合祖過程
7.4 遺伝的浮動
7.5 集団の有効な大きさ
7.6 分集団構造と遺伝子交流
7.7 淘汰

第8章 ゲノムの長期進化
8.1 突然変異の運命に左右されるゲノムの進化速度
8.2 ビタミンC 合成に代表される分子進化の不用説
8.3 同義置換と非同義置換
8.4 がらくたDNA の進化
8.5 進化的に保存された非コード配列の進化
8.6 ゲノムサイズの多様性とその時間的変化
8.7 ウイルスのゲノム進化

第Ⅲ部 ゲノム進化の研究法

第9章 ゲノム配列の決定とデータベースの利用
9.1 ゲノム塩基配列の決定
9.2 相同性検索
9.3 ゲノムデータベース
9.4 タンパク質関連データベースの利用
9.5 その他のデータベース

第10章 整列と置換数の推定
10.1 2 個の配列を整列する方法
10.2 多重整列をおこなうさまざまなソフトウェア
10.3 アミノ酸置換数の推定
10.4 塩基置換数の推定
10.5 同義・非同義置換数の推定

第11章 系統関係の復元
11.1 系統樹作成法の分類
11.2 距離行列法
11.3 形質状態法
11.4 系統ネットワーク構築法
11.5 進化速度・系統樹に関する検定
11.6 多重整列なしで系統樹を作成する方法
11.7 系統関係を作成するプログラムパッケージ

第12章 集団進化史の解析
12.1 遺伝子系図から求めた集団間の進化距離
12.2 対立遺伝子頻度の差にもとづく集団間の遺伝距離
12.3 主成分分析を用いた集団間の関係の推定
12.4 個体間の混血パターンの推定
12.5 系統関係と集団間混血の推定
12.6 個体数変動の推定
12.7 組換えと遺伝子変換
12.8 自然淘汰に関する検定

第13章 ゲノムと表現型をつなぐ
13.1 表現型とは
13.2 遺伝率
13.3 収斂
13.4 順遺伝学と逆遺伝学
13.5 遺伝子ノックアウトとノックイン
13.6 ゲノム規模関連解析(GWAS)
13.7 進化的に保存された非コード配列(CNS)の解析
13.8 遺伝子の発現解析
13.9 エピゲノムの解析

参考文献
索引

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