微分積分とその応用
―ベクトル解析・微分方程式まで―
本書は、物理系や工学系の新入生に対して求められる数学の知識についての微分積分の教科書である。
本書では、非数学専攻では不要と考えられる(ε-δなどといった)厳密性の追求は行わないが、代わりとして一般的な理工系の微積分の教科書ではカバーしきれていない、常微分方程式・偏微分方程式・ベクトル解析の範囲も網羅しており、理工系学部で必要とされる数学の知識を、早く・広く・効率良く身に付けることが可能となっている。
各章5ページ程度の全30章構成となっており、毎回の授業に対し、明確な目標をもって勉強に臨むことが出来る。また各章末にあるには全問に対して詳解が付いているので、自習用の書籍としても対応可能である。
第1章 関数と微分
1.1 関数の分類
1.2 微分
1.3 初等関数
【研究】ε-N論法
第2章 ベクトル代数
2.1 ベクトル
2.2 内積
2.3 外積
第3章 複素数
3.1 演算
3.2 極形式
【研究】オイラーの関係式
第II部 1変数の微分積分
第4章 微分
4.1 合成関数の微分法
4.2 高階微分
【研究】ε-δ論法
第5章 逆三角関数
5.1 定義
5.2 性質
第6章 双曲線関数
6.1 定義
6.2 性質
6.3 逆双曲線関数
第7章 積分
7.1 定積分
7.2 微分積分学の基本定理I
7.3 微分積分学の基本定理II
7.4 微分公式から積分公式へ
第8章 部分積分と置換積分
8.1 部分積分
8.2 置換積分
第9章 ベクトルの微分積分
9.1 微分
9.2 積分
第10章 ロピタルの定理
10.1 平均値の定理
10.2 ロピタルの定理
第11章 テイラー展開
11.1 テイラー近似
11.2 テイラー級数
【研究】テイラー近似の誤差
第12章 広義積分
12.1 定義
12.2 収束・発散の判定法
【研究】質量とエネルギーの等価性
第III部 常微分方程式
第13章 変数分離形
13.1 微分方程式とは
13.2 変数分離形
【研究】高校物理と大学物理
第14章 斉次線形微分方程式
14.1 定義
14.2 解法
【研究】次元解析
第15章 非斉次線形微分方程式
15.1 一般解
15.2 未定係数法
【研究】SIRモデル
第IV部 偏微分とその応用
第16章 多変数関数
16.1 多変数関数とは
16.2 座標変換
16.3 曲面
【研究】関数の線形空間
第17章 偏微分と全微分
17.1 偏微分
17.2 全微分
【研究】偏微分可能性と連続性
第18章 テイラー展開
18.1 テイラー級数
18.2 導出
【研究】冪級数の収束
第19章 極値問題
19.1 極値と臨界点
19.2 判定法
19.3 判定法が使えない場合
第20章 陰関数と極値
20.1 陰関数の極値
20.2 拘束条件付き極値問題
第V部 ベクトル解析と偏微分方程式
第21章 勾配と発散
21.1 勾配
21.2 発散
第22章 回転とラプラシアン
22.1 回転
22.2 ラプラシアン
22.3 ポテンシャルとベクトル・ポテンシャル
【研究】クロネッカーのデルタとレビィ=チヴィタ記号
第23章 拡散方程式とラプラス方程式
23.1 偏微分方程式とは
23.2 拡散方程式
23.3 多次元化とラプラス方程式
【研究】コーシー=リーマンの方程式
第24章 波動方程式
24.1 弦の運動方程式
24.2 ダランベールの解
【研究】ナヴィエ=ストークス方程式
第VI部 様々な積分
第25章 2重積分
25.1 定義
25.2 累次積分
25.3 積分順序の交換
第26章 変数変換
26.1 置換積分
26.2 広義積分
第27章 体積分
27.1 定義と計算法
27.2 変数変換
【研究】n次元球体の体積
第28章 線積分
28.1 スカラー場
28.2 ベクトル場
第29章 面積分
29.1 スカラー場
29.2 ベクトル場
第30章 積分定理
30.1 ガウスの定理
30.2 ストークスの定理
【研究】マクスウェル方程式
問題解答/付表 文字・記号