情報工学の基礎
情報工学は、メカトロニクス技術の一役を担いながら、機械技術を専攻する学生や技術者は、それを系統的に学習する機会を持たないまま実践に取り組まざるを得ないということが多かったのではなかろうか。本書は、そのような技術者が、情報工学を概観し、必要な部分を効率的にメカトロニクスに応用することを支援する。
メカトロニクスシステムの特徴は、機械が自分で判断して行動する自律的な機械システムであるということである。情報工学は、その知能的部分を構成するための基礎技術である。それゆえ本書では、情報理論、記号論理学、有限状態機械、パターン認識、行動学習の分野の内容を一冊にまとめ、それらがたがいに関連して論理的・知能的なメカトロニクス制御システムを構成することを示している。
従来は、上述の各分野が別個の教科書に分かれていて、全体的な関連が見えにくかった。また、応用を目指すよりも数学的な完結性を目指したものが多かった。本書では、例題などでも、できるだけ実生活に即した問題を取り上げるとともに、簡単なものとはいえメカトロニクスシステムの実現につながるものとしている。
また、パターン認識や行動学習の計算機プログラムを提供する手段を講じている。
第2章 集合
第3章 命題論理(I):意味論
第4章 ブール代数
第5章 命題論理(II):公理系
第6章 述語論理
第7章 有限状態機械
第8章 パターン認識(I):パターン空間法
第9章 パターン認識(II):構造的方法
第10章 パターン認識(III):前処理
第11章 行動学習