御料鵜飼

岐阜県の長良川では、毎年5月中旬から10月中旬の間、1300年来我が国の古代漁法として伝承されてきた鵜飼漁が御料鵜飼として皇室の保護のもとに行われています。
皇室と鵜飼の歴史は古く、律令時代には鵜飼人(鵜匠)が宮廷直属の官吏として漁をしていた記録があります。その後、各地の鵜飼は諸大名の保護のもとで続けられますが、長良川の鵜飼は、尾張徳川家の保護を受けて続けられてきました。
しかし、明治維新とともに保護も無くなり、古代漁法として伝承されてきた鵜飼漁法は消滅の危機に瀕しました。
そうした中、明治23年、時の岐阜県知事の要請を受けて、宮内省は鵜匠に職員の身分を与えるとともに、長良川に3か所の御料場を設置し、引き続き、御料鵜飼として鵜飼漁が行われるようになりました。
現在、御料鵜飼は、古津地区及び立花地区の両地区において宮内庁式部職鵜匠により、毎年8回ずつ行われており、このうち古津地区の2回は、駐日外国大使夫妻等を招待し、日本の伝統文化である鵜飼漁を紹介しています。



(写真:関市)