自分は煙草は吸わないんですけど、周りは煙草を吸っている人が多いです。
酒の席では必ずと言っていいほど非喫煙者より喫煙者のほうが多いので服や髪が煙草臭くなるのあまり好ましくはないんですけど、もうすっかり慣れてしまった自分がいます。
しかし、たびたび煙草の話題になると挙がるのが「女性が煙草を吸うことについての是非」で、個人的には賛成・反対と言うより、煙草を吸う女性を前にするとビビって股間がキューとなります。タバコはヤニ臭い、子供を産む時に悪影響が出る、歯が黄ばむ、肌に悪いとか色々な意見はあるがそんなことはどうでもいい、そんなことは俺にとっては大した問題じゃないのです。趣味嗜好は好きにしたらいい。むしろ喫煙者の女性は美人が多い気さえします。しかしどうしても苦手なのです。
というのも、人生で初めての相手が喫煙者で名前を「レイちゃん」っていうんですけど、そのレイちゃん(源氏名)とそう、そういうことになったあとに決まって彼女が物憂げな表情で煙草を吸い出すので俺は「あれ?あれだけKOOL!KOOL!って叫んでたのに、あなた赤マルね、なんて言ってたのに思ったより良くなかったのかな?良くなかったのかな?」と内心気が気じゃありませんでした。ただ、例えるなら彼女は滅茶苦茶メビウスでした。まるでメビウスの輪の中に吸い込まれているようだった。
それ以来、飲み屋などで女性と出会っても会話の最中に煙草を吸うのを見ると「あれ?いま退屈なのかな?面白くないのかな?」と思ってしまう。だが、喫煙者にとって煙草を吸うという行為は癖のようなものだし、先週のあの娘はケタケタと笑っていた。俺が考えすぎだということはわかってるが。
でも会話の最中に棒状のモノから煙を吸い、そしてその煙を吐き出すという行為は何を意味しているのだろうか、もしかしたら先週のあの娘は目の前にいる俺ではなく、例えば彼氏など、別の誰かを思い浮かべているのではないか。なんだ?彼氏のナニを思い浮かべているのか。そうか、わかったぞ。KENTか、彼氏の名前はケントなのか、そんなことを考えてしまいます。
当然その娘にはその日は煙に巻かれた。