可能性を広げる3DCG制作の現場
2013/03/06 UPDATE
Vol.1圧倒的な創造性に磨きをかけて
音楽PV、CM、デジタルサイネージにライブパフォーマンスの演出映像など、3DCGが活躍する場は増える一方だ。中でもTVアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」や人気ゲーム「ドラゴンクエスト」のオープニングムービーなど、斬新な映像で鮮烈な印象を残す「神風動画」は、デジタル映像制作のトップランナーだ。
水崎:年々、オファーの数は増えているのと同時に、求められるクオリティも上がっています。ありがたいことに、神風動画の制作物にオリジナリティを感じていただいているからだと思いますね。
僕は以前から、セルアニメーションの面白さに注目していたんですが、コンピュータとセル画が上手い具合に融合したアニメーションの活躍の場は、ほとんどなかった。だから、セルアニメを生かして面白い映像を作っていこうと考えたんです。それが今の神風動画の強味だし、他社との大きな差別化になっているのかもしれません。
常に斬新なアイデアを盛り込み、クライアントの期待を上回る映像を提供する。そのために、仕事の“請け方”も意図的に工夫してきた。発注に対してひたすら忠実に映像を作るのではなく、企画の段階から関わるのが神風動画の手法だ。
水崎:もちろんクライアントさんのオーダーありきですが、その目的にとってどんな映像がふさわしいかを考えるのは僕たちの専門領域です。例えば代理店さんからこういう映像を制作してくれと言われて、その通りに制作するより、クライアントさんと直接話しをして、本当に何が求められているかを僕たちが理解した方がいい映像になります。映像制作会社が、企画自体を練り直してキャラクターデザインもし、アーティストと直接話すといったワークフローは僕がこの会社を始める前にはなかったはずです。神風動画では演出はもちろん、映像にまとまる前段階のコンサルティングのようなことも行います。だからこそ新しいアイデアをどんどん盛り込めるんです。そのためには密にクライアントさんと連係して信頼関係を築くことが大事ですね。
神風動画の原動力は“自分たちが見たいモノをつくる”ということ。その心意気とクリエイティビティは徐々に業界に認められ、彼らが望むようなオファーも次第に増えてきた。
水崎:TVアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」ではオープニングのイメージ映像を制作してほしいという依頼だけで、細かい指示や決まりごとはなかった(笑)。もちろん制作途中で経過は報告しますが、こういう発注は燃えるし、自分たちのアイデアや持ち味が存分に出せると思っているんです。神風動画が一風変わった映像を作り、他とは違う仕事の請け方をしていることが、徐々に広まってきているんだと思います。嬉しいことですね。
Vol.2:多様化する3DCGクリエイターの役割
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