新刊
チェンニーノ・チェンニーニ 絵画術の書
フィレンツェの工房内で伝えられてきた、ジョット以来の偉大な絵画技法とその心構えを伝える歴史的文献。詳細な用語解説を付す。
フィレンツェの工房内で代々伝えられてきた、ジョット以来の偉大な絵画技法とその心構えを、画家チェンニーニが一四〇〇年頃に書きとめた歴史的文献。その内容の独自性と充実において、西洋絵画の技法書として右に出るもののない貴重な一書を、現存する三写本から完訳し、詳細な用語解説を付す。待望の文庫化。(口絵四頁)
解 説
Ⅰ
まえがき
第一章 第二章 高貴な魂に導かれてであったり、金儲けのためであったり、人がこのわざに就く動機はさまざまであろうと、そもそもはいかにそれはあるべきか
第三章 このわざを志す者は、初めにどのような心構えを必要とするか
第四章 このわざを分かつ部分と作業を、手順どおりに示してみるとどうなるか
練習板と尖筆
第五章 練習板を用いての素描はどのように始めるか。その手順について
第六章 他の種類の板で素描に使えるものに何があるか
第七章 どの種類の骨が板に塗る骨粉の材料として適当か
第八章 尖筆で素描を始めるにはどうするか。また、そのばあいの採光はどうするか
第九章 光の法則にしたがった明暗を人物像につけ、それらの像を盛り上がったように見せるにはどうするか
紙と尖筆
第一〇章 羊皮紙やバンバジーナ紙に素描をして、インク水溶液で陰影をつける方法と手順
第一一章 鉛尖筆ではどのようにして描くことが出来るか
第一二章 もしも鉛尖筆で描き損じたばあい、どのような方法でそれを消すことが出来るか
ペン素描
第一三章 ペンによる素描はどのようにして行うか
第一四章 素描用ペンの削り方
着彩紙
第一五章 着彩紙への素描はどのようにして習熟すべきか
第一六章 素描用紙を緑に染めるにはどうするか。それへの結合剤の用い方
第一七章 羊皮紙の着彩はどのようにし、艶出しはどんな方法で行うか
第一八章 紙をモレッロあるいはパゴナッツォ色に染めるにはどうすべきか
第一九章 紙を藍色に染めるにはどうするか
第二〇章 紙をロッシーニョ色あるいは桃色に染めるにはどうするか
第二一章 紙を肌色に染めるにはどうするか
第二二章 紙をベレッティーノあるいはビージョ色に染めるにはどうするか
透写紙
第二三章 素晴しい人物像あるいは素描の主要部分を、透写紙を用いて写しとるにはどうするか
第二四章 透明の透写紙をつくる第一の法
第二五章 膠で透写紙をつくる第二の法
第二六章 バンバジーナ紙で透写紙をつくるにはどうすればよいか
素描の心得
第二七章 出来る限り少数の師匠の手本を模写し素描するよう努力すべきであるのはどうしてか
第二八章 師匠の作品にもまして絶えず自然物を写生し、それを習慣にせねばならないのはどうしてか
第二九章 お前の魂の高潔と手の良好な状態を保つために、お前の生活はどのように節制せねばならないか。そして、壁画の人物像を写生するには、どんな友人と、どのような心構えでやらねばならないか
素描の仕上げ
第三〇章 紙にまず木炭で素描を始め、人物像の尺度をとり、銀尖筆で定着するには、どのようにするか
第三一章 着彩紙に水溶液で描いて陰影をつけ、鉛白で明部を置くにはどうするか
第三二章 インク水溶液で陰影をつけたように、鉛白の水溶液で明部をおくことはどのようにすれば出来るか
第三三章 良質で完璧な、質の細かい素描用木炭はどのようにしてつくるか
第三四章 素描用木炭と同じ性質を持ったある石について
Ⅱ
顔料の種類
第三五章 顔料の練り上げを手がけるに当って
第三六章 天然顔料とはどのようなものを指すか。黒はどのようにして練り上げるか
黒色顔料
第三七章 さまざまな種類の黒をつくる法
赤色顔料
第三八章 シノピアと呼ばれる赤の顔料の性質について
第三九章 壁画で肌色に用いるチナブレーゼと呼ばれる赤のつくり方、およびその性質について
第四〇章 朱と呼ばれる赤の性質について、またそれはどのようにして練り上げるか
第四一章 鉛丹と呼ばれる赤の性質について
第四二章 アマティストとかアマティートと呼ばれる赤の性質について
第四三章 麒麟血と呼ばれる赤の性質について
第四四章 ラッカと呼ばれる赤の性質について
黄色顔料
第四五章 黄土と呼ばれる黄色顔料の性質について
第四六章 ジャロリーノと呼ばれる黄色顔料の性質について
第四七章 石黄と呼ばれる黄の性質について
第四八章 鶏冠石と呼ばれる黄の性質について
第四九章 サフランと呼ばれる黄の性質について
第五〇章 アルジカと呼ばれる黄の性質について
緑色顔料
第五一章 緑土と呼ばれる緑の性質について
第五二章 岩緑青と呼ばれる緑の性質について
第五三章 石黄と藍で緑をつくる法
第五四章 群青とジャロリーノで緑をつくる法
第五五章 オルトレマリーノを使って緑をつくる法
第五六章 銅緑青と呼ばれる緑の性質について
第五七章 鉛白と緑土、あるいは白にビアンコ・サンジョヴァンニを用いてつくる緑について
白色顔料
第五八章 ビアンコ・サンジョヴァンニの性質について
第五九章 鉛白の性質について
青色顔料
第六〇章 群青の性質について
第六一章 他のいろいろな顔料で群青に似せる法
第六二章 オルトレマリーノの性質とそのつくり方
筆のつくり方
第六三章 筆のつくり方を修得することがいかに必要であるか
第六四章 銀栗鼠毛の筆のつくり方
第六五章 豚毛の筆はどのようにしてつくるか
第六六章 銀栗鼠の尾を虫がつかぬように保存する法
Ⅲ
フレスコ画法
第六七章 壁に、すなわちフレスコで制作をし、若い人の顔の色、つまり肌色を施す方法と手順
第六八章 老人の顔をフレスコで彩色する法
第六九章 さまざまな種類の髭と頭髪をフレスコで彩色する法
第七〇章 完璧に描かれた人体が持つべき尺度
第七一章 衣をフレスコで彩色する法
セッコ画法
第七二章 壁にセッコで彩色する法、およびその結合剤について
壁画彩色の各種
第七三章 ビッフォ色をつくる法
第七四章 ビッフォ色をフレスコで用いるには
第七五章 フレスコによる制作でオルトレマリーノに似せるには
第七六章 フレスコで、パゴナッツォ色またはモレッロ色に衣服を彩色するには
第七七章 緑に輝く玉虫色の衣服をフレスコで彩色するには
第七八章 銀栗鼠色の地に玉虫色の衣服をフレスコで彩色するには
第七九章 ラッカを地色とする玉虫色をセッコで彩色するには
第八〇章 黄土を地色とする玉虫色をフレスコかセッコで彩色するには
第八一章 ベレッティーノ色の衣服をフレスコあるいはセッコで彩色するには
第八二章 木材の色に当る別のベレッティーノ色の衣服をフレスコやセッコで彩色するには
第八三章 群青またはオルトレマリーノ青の衣服あるいは聖母のマントを描くには
第八四章 僧侶や修道僧の服の色である黒の衣をフレスコやセッコで描くには
第八五章 山をフレスコやセッコで彩色する法
第八六章 草木や緑をフレスコやセッコで彩色する法
第八七章 建物をフレスコやセッコで彩色するにはどうするか
第八八章 じかに山を写生する法
油彩画法
第八九章 壁、板、鉄など、望みのところに油彩で描く法
第九〇章 壁に油彩で描くには初めをどのようにせねばならないか
第九一章 結合剤やモルデンテに適した油は、どのように火を入れてつくるか
第九二章 太陽に晒して良質の完璧な油をつくる法
第九三章 油彩用顔料はどのように練り上げ、そして壁に用いるか
第九四章 鉄、板、石に油で描く法
金箔と錫箔
第九五章 壁を金や錫で装飾する法
第九六章 いつでも純金や上質の顔料を制作に用いるべきであるそのわけ
第九七章 金ニス錫箔を切って飾りに用いる法
第九八章 装飾用の緑の錫箔のつくり方
第九九章 金ニス錫箔のつくり方、および金ニスで金箔を貼る方法
第一〇〇章 星形をつくって、それを壁面に置く法
第一〇一章 金貼り錫箔で壁画の聖人の光輪をつくる法
第一〇二章 壁画の光輪を漆喰で盛り上げる法
第一〇三章 壁画から板絵に向かうと結果はどうなるか
Ⅳ
板絵を学ぶ者の心得
第一〇四章 板絵づくりのわざを身につけるにはどうするか
接着剤
第一〇五章 小麦粉糊のつくり方
第一〇六章 石をくっつける接着剤はどのようにしてつくるか
第一〇七章 ガラスの壺をくっつける接着剤はどのようにしてつくるか
第一〇八章 魚膠はどのように溶かし、何に用いるか
第一〇九章 山羊膠はどのようにつくり、どんなことに適しているか
第一一〇章 祭壇画や板絵の石膏下地に用いて完璧な膠
第一一一章 青やその他の顔料の結合剤に適した膠
第一一二章 石灰とチーズで膠をつくる法
石膏下地
第一一三章 板絵すなわち祭壇画の制作はどのように始めるべきか
第一一四章 板に布を貼るにはどうするか
第一一五章 粗口石膏を板の面にへらで塗るにはどうすべきか
第一一六章 板絵の石膏下地に用いる仕上石膏はどのようにしてつくるか
第一一七章 仕上石膏を絵板に塗る法、そのための膠の混ぜ方
第一一八章 初めの粗口石膏による下塗りを省いて、仕上石膏のみで下塗りをすます法
第一一九章 盛り上げ用の仕上石膏はどのように溶いて練るべきか
第一二〇章 仕上石膏を塗り終えた絵板の平らの部分を削るためにまず着手すべきこと
第一二一章 平らの部分の仕上石膏はどのようにして削るか。また、その削り粉は何に役立つか
下描きと石膏盛り上げ
第一二二章 板に初めに木炭で素描をし、インクでそれを確定する法
第一二三章 金箔を置く前に像の輪郭を印しておかねばならないこと
第一二四章 仕上石膏で板に盛り上げをし宝石を象嵌する法
第一二五章 板絵の面を飾る盛り上げを型を用いてつくる法
第一二六章 盛り上げを壁に漆喰でつくる法
第一二七章 石膏で板に盛り上げをしたような具合に、石灰で壁に盛り上げをする法
第一二八章 石型を用いて壁や板にふさわしい盛り上げをつくる法
第一二九章 ワニスを用いて壁に盛り上げを行う法
第一三〇章 蠟を用いて壁に盛り上げを行う法
金箔押しと磨き上げ
第一三一章 ボーロを板に塗る方法、それへの結合剤の用い方
第一三二章 金箔を置くための板絵用ボーロのもう一つの溶き方
第一三三章 緑土を用いて板に金箔を置くにはどうするか
第一三四章 板に金箔を置く法
第一三五章 板に置いた金箔を磨くにはどの石が適当か
第一三六章 金箔の磨き棒はどのようにしてつくるか
第一三七章 金箔磨きにとって必要なこと。磨きの作業にかかれないときはどう処置するか
第一三八章 さて磨き方に入るが、とくに平らの部分ではどの方向に磨きをかけるか
第一三九章 磨きをかけるばあいとモルデンテとともに用いるばあいとでは、適当な金箔の厚さはどう異なるか
刻印飾りと金襴模様
第一四〇章 金地に、まず光輪を印し、刻印模様をつけ、像の輪郭を描き起こすにはどうするか
第一四一章 金地に、赤あるいはその他の望みの色を用いて金襴を描くにはどうするか
第一四二章 金襴や銀襴の素描をし、搔き落しをし、刻印模様をつけるにはどうするか
第一四三章 豪華な金襴や銀襴、あるいはオルトレマリーノの錦の描き方、また金ニス錫箔を壁に用いる法
第一四四章 ビロードや毛織や絹地を壁や板に描くにはどうするか
板絵の彩色法
第一四五章 板への彩色法と顔料の溶き方
第一四六章 青や金や紫の衣服を描くにはどうするか
第一四七章 顔、手、足、その他すべての肌色はどう彩色するか
第一四八章 男の屍とその髪や髭を彩色する法
第一四九章 負傷した男あるいは傷口はどのように彩色するか
第一五〇章 壁や板で、魚のいる池や河はどう彩色するか
モルデンテとワニス
第一五一章 織地や飾り模様に金箔を置くのに用いる良質のモルデンテのつくり方
第一五二章 金箔をより速やかに置くためには、このモルデンテをどう調合するか
第一五三章 にんにくを原料とするもう一つのモルデンテの製造法と、これを用いるに適した場所
第一五四章 ワニスがけについて
第一五五章 板絵にワニスをかける時期とその方法
第一五六章 ワニスをかけた絵に見せる即席の方法
Ⅴ
写本彩飾画
第一五七章 紙に彩飾をして金箔を置く法
第一五八章 紙に金箔を置くもう一つの方法
第一五九章 金に似たポルポリーナと呼ばれる顔料のつくり方
第一六〇章 金泥と銀泥はどのようにしてつくり、木の葉や飾り模様に用いるか
第一六一章 紙に描くのに用いる顔料について
布に描く法
第一六二章 麻布やゼンダードに描く法
第一六三章 帷のような黒や青の麻布に描く方法
第一六四章 刺繡職人のために下図を麻布やゼンダードに描く法
第一六五章 天蓋、団旗、教会旗などをゼンダードに描き、光輪や地に金箔を置く法
第一六六章 ビロードに彩色して金箔を置く法
第一六七章 毛織地に描く法
各種の画法
第一六八章 行列や騎馬試合のための馬衣や制服に紋章をつける法
第一六九章 行列用あるいは長官用の冠飾りや兜をつくる法
第一七〇章 手箱や金庫に飾りや色をつける法
第一七一章 窓にガラスで絵をつくる法
第一七二章 聖遺骨箱をガラス絵またはモザイクで飾る法
第一七三章 布地に型染めをする法
第一七四章 石像に金箔を置いて磨きをかける法
第一七五章 絵を描く壁の湿気を除くにはどうするか
第一七六章 これと同じ効果の別の二つの方法について
第一七七章 緑土を用いてセッコで室内や開廊に制作する法
第一七八章 緑土で描いた板絵にワニスを引く法
第一七九章 人の顔に彩色したあと、その色を洗って取り去る法
第一八〇章 素肌に化粧水を用いることを女たちはなぜ慎まねばならないか
型取り法
第一八一章 自然物の型取りはいかに有益であるか
第一八二章 男や女の顔を実物から型取りするにはどうするか
第一八三章 顔の型取りを行う際にその人の呼吸を保たせる法
第一八四章 人の顔に石膏を流して型を取り、剝がして保存しておき鋳造する法
第一八五章 男や女の全身裸像あるいは動物の全身像を型取りし鋳造する法
第一八六章 自分の体の型取りをして鋳造する法
第一八七章 鉛の小像の型を取り、石膏の型取りでそれを増やす法
第一八八章 蠟や石膏で貨幣の型取りをする法
第一八九章 灰の練り物で封印や貨幣を型取りする法
訳者あとがき
文献略号表
色名表
用語解説
Ⅰ
まえがき
第一章 第二章 高貴な魂に導かれてであったり、金儲けのためであったり、人がこのわざに就く動機はさまざまであろうと、そもそもはいかにそれはあるべきか
第三章 このわざを志す者は、初めにどのような心構えを必要とするか
第四章 このわざを分かつ部分と作業を、手順どおりに示してみるとどうなるか
練習板と尖筆
第五章 練習板を用いての素描はどのように始めるか。その手順について
第六章 他の種類の板で素描に使えるものに何があるか
第七章 どの種類の骨が板に塗る骨粉の材料として適当か
第八章 尖筆で素描を始めるにはどうするか。また、そのばあいの採光はどうするか
第九章 光の法則にしたがった明暗を人物像につけ、それらの像を盛り上がったように見せるにはどうするか
紙と尖筆
第一〇章 羊皮紙やバンバジーナ紙に素描をして、インク水溶液で陰影をつける方法と手順
第一一章 鉛尖筆ではどのようにして描くことが出来るか
第一二章 もしも鉛尖筆で描き損じたばあい、どのような方法でそれを消すことが出来るか
ペン素描
第一三章 ペンによる素描はどのようにして行うか
第一四章 素描用ペンの削り方
着彩紙
第一五章 着彩紙への素描はどのようにして習熟すべきか
第一六章 素描用紙を緑に染めるにはどうするか。それへの結合剤の用い方
第一七章 羊皮紙の着彩はどのようにし、艶出しはどんな方法で行うか
第一八章 紙をモレッロあるいはパゴナッツォ色に染めるにはどうすべきか
第一九章 紙を藍色に染めるにはどうするか
第二〇章 紙をロッシーニョ色あるいは桃色に染めるにはどうするか
第二一章 紙を肌色に染めるにはどうするか
第二二章 紙をベレッティーノあるいはビージョ色に染めるにはどうするか
透写紙
第二三章 素晴しい人物像あるいは素描の主要部分を、透写紙を用いて写しとるにはどうするか
第二四章 透明の透写紙をつくる第一の法
第二五章 膠で透写紙をつくる第二の法
第二六章 バンバジーナ紙で透写紙をつくるにはどうすればよいか
素描の心得
第二七章 出来る限り少数の師匠の手本を模写し素描するよう努力すべきであるのはどうしてか
第二八章 師匠の作品にもまして絶えず自然物を写生し、それを習慣にせねばならないのはどうしてか
第二九章 お前の魂の高潔と手の良好な状態を保つために、お前の生活はどのように節制せねばならないか。そして、壁画の人物像を写生するには、どんな友人と、どのような心構えでやらねばならないか
素描の仕上げ
第三〇章 紙にまず木炭で素描を始め、人物像の尺度をとり、銀尖筆で定着するには、どのようにするか
第三一章 着彩紙に水溶液で描いて陰影をつけ、鉛白で明部を置くにはどうするか
第三二章 インク水溶液で陰影をつけたように、鉛白の水溶液で明部をおくことはどのようにすれば出来るか
第三三章 良質で完璧な、質の細かい素描用木炭はどのようにしてつくるか
第三四章 素描用木炭と同じ性質を持ったある石について
Ⅱ
顔料の種類
第三五章 顔料の練り上げを手がけるに当って
第三六章 天然顔料とはどのようなものを指すか。黒はどのようにして練り上げるか
黒色顔料
第三七章 さまざまな種類の黒をつくる法
赤色顔料
第三八章 シノピアと呼ばれる赤の顔料の性質について
第三九章 壁画で肌色に用いるチナブレーゼと呼ばれる赤のつくり方、およびその性質について
第四〇章 朱と呼ばれる赤の性質について、またそれはどのようにして練り上げるか
第四一章 鉛丹と呼ばれる赤の性質について
第四二章 アマティストとかアマティートと呼ばれる赤の性質について
第四三章 麒麟血と呼ばれる赤の性質について
第四四章 ラッカと呼ばれる赤の性質について
黄色顔料
第四五章 黄土と呼ばれる黄色顔料の性質について
第四六章 ジャロリーノと呼ばれる黄色顔料の性質について
第四七章 石黄と呼ばれる黄の性質について
第四八章 鶏冠石と呼ばれる黄の性質について
第四九章 サフランと呼ばれる黄の性質について
第五〇章 アルジカと呼ばれる黄の性質について
緑色顔料
第五一章 緑土と呼ばれる緑の性質について
第五二章 岩緑青と呼ばれる緑の性質について
第五三章 石黄と藍で緑をつくる法
第五四章 群青とジャロリーノで緑をつくる法
第五五章 オルトレマリーノを使って緑をつくる法
第五六章 銅緑青と呼ばれる緑の性質について
第五七章 鉛白と緑土、あるいは白にビアンコ・サンジョヴァンニを用いてつくる緑について
白色顔料
第五八章 ビアンコ・サンジョヴァンニの性質について
第五九章 鉛白の性質について
青色顔料
第六〇章 群青の性質について
第六一章 他のいろいろな顔料で群青に似せる法
第六二章 オルトレマリーノの性質とそのつくり方
筆のつくり方
第六三章 筆のつくり方を修得することがいかに必要であるか
第六四章 銀栗鼠毛の筆のつくり方
第六五章 豚毛の筆はどのようにしてつくるか
第六六章 銀栗鼠の尾を虫がつかぬように保存する法
Ⅲ
フレスコ画法
第六七章 壁に、すなわちフレスコで制作をし、若い人の顔の色、つまり肌色を施す方法と手順
第六八章 老人の顔をフレスコで彩色する法
第六九章 さまざまな種類の髭と頭髪をフレスコで彩色する法
第七〇章 完璧に描かれた人体が持つべき尺度
第七一章 衣をフレスコで彩色する法
セッコ画法
第七二章 壁にセッコで彩色する法、およびその結合剤について
壁画彩色の各種
第七三章 ビッフォ色をつくる法
第七四章 ビッフォ色をフレスコで用いるには
第七五章 フレスコによる制作でオルトレマリーノに似せるには
第七六章 フレスコで、パゴナッツォ色またはモレッロ色に衣服を彩色するには
第七七章 緑に輝く玉虫色の衣服をフレスコで彩色するには
第七八章 銀栗鼠色の地に玉虫色の衣服をフレスコで彩色するには
第七九章 ラッカを地色とする玉虫色をセッコで彩色するには
第八〇章 黄土を地色とする玉虫色をフレスコかセッコで彩色するには
第八一章 ベレッティーノ色の衣服をフレスコあるいはセッコで彩色するには
第八二章 木材の色に当る別のベレッティーノ色の衣服をフレスコやセッコで彩色するには
第八三章 群青またはオルトレマリーノ青の衣服あるいは聖母のマントを描くには
第八四章 僧侶や修道僧の服の色である黒の衣をフレスコやセッコで描くには
第八五章 山をフレスコやセッコで彩色する法
第八六章 草木や緑をフレスコやセッコで彩色する法
第八七章 建物をフレスコやセッコで彩色するにはどうするか
第八八章 じかに山を写生する法
油彩画法
第八九章 壁、板、鉄など、望みのところに油彩で描く法
第九〇章 壁に油彩で描くには初めをどのようにせねばならないか
第九一章 結合剤やモルデンテに適した油は、どのように火を入れてつくるか
第九二章 太陽に晒して良質の完璧な油をつくる法
第九三章 油彩用顔料はどのように練り上げ、そして壁に用いるか
第九四章 鉄、板、石に油で描く法
金箔と錫箔
第九五章 壁を金や錫で装飾する法
第九六章 いつでも純金や上質の顔料を制作に用いるべきであるそのわけ
第九七章 金ニス錫箔を切って飾りに用いる法
第九八章 装飾用の緑の錫箔のつくり方
第九九章 金ニス錫箔のつくり方、および金ニスで金箔を貼る方法
第一〇〇章 星形をつくって、それを壁面に置く法
第一〇一章 金貼り錫箔で壁画の聖人の光輪をつくる法
第一〇二章 壁画の光輪を漆喰で盛り上げる法
第一〇三章 壁画から板絵に向かうと結果はどうなるか
Ⅳ
板絵を学ぶ者の心得
第一〇四章 板絵づくりのわざを身につけるにはどうするか
接着剤
第一〇五章 小麦粉糊のつくり方
第一〇六章 石をくっつける接着剤はどのようにしてつくるか
第一〇七章 ガラスの壺をくっつける接着剤はどのようにしてつくるか
第一〇八章 魚膠はどのように溶かし、何に用いるか
第一〇九章 山羊膠はどのようにつくり、どんなことに適しているか
第一一〇章 祭壇画や板絵の石膏下地に用いて完璧な膠
第一一一章 青やその他の顔料の結合剤に適した膠
第一一二章 石灰とチーズで膠をつくる法
石膏下地
第一一三章 板絵すなわち祭壇画の制作はどのように始めるべきか
第一一四章 板に布を貼るにはどうするか
第一一五章 粗口石膏を板の面にへらで塗るにはどうすべきか
第一一六章 板絵の石膏下地に用いる仕上石膏はどのようにしてつくるか
第一一七章 仕上石膏を絵板に塗る法、そのための膠の混ぜ方
第一一八章 初めの粗口石膏による下塗りを省いて、仕上石膏のみで下塗りをすます法
第一一九章 盛り上げ用の仕上石膏はどのように溶いて練るべきか
第一二〇章 仕上石膏を塗り終えた絵板の平らの部分を削るためにまず着手すべきこと
第一二一章 平らの部分の仕上石膏はどのようにして削るか。また、その削り粉は何に役立つか
下描きと石膏盛り上げ
第一二二章 板に初めに木炭で素描をし、インクでそれを確定する法
第一二三章 金箔を置く前に像の輪郭を印しておかねばならないこと
第一二四章 仕上石膏で板に盛り上げをし宝石を象嵌する法
第一二五章 板絵の面を飾る盛り上げを型を用いてつくる法
第一二六章 盛り上げを壁に漆喰でつくる法
第一二七章 石膏で板に盛り上げをしたような具合に、石灰で壁に盛り上げをする法
第一二八章 石型を用いて壁や板にふさわしい盛り上げをつくる法
第一二九章 ワニスを用いて壁に盛り上げを行う法
第一三〇章 蠟を用いて壁に盛り上げを行う法
金箔押しと磨き上げ
第一三一章 ボーロを板に塗る方法、それへの結合剤の用い方
第一三二章 金箔を置くための板絵用ボーロのもう一つの溶き方
第一三三章 緑土を用いて板に金箔を置くにはどうするか
第一三四章 板に金箔を置く法
第一三五章 板に置いた金箔を磨くにはどの石が適当か
第一三六章 金箔の磨き棒はどのようにしてつくるか
第一三七章 金箔磨きにとって必要なこと。磨きの作業にかかれないときはどう処置するか
第一三八章 さて磨き方に入るが、とくに平らの部分ではどの方向に磨きをかけるか
第一三九章 磨きをかけるばあいとモルデンテとともに用いるばあいとでは、適当な金箔の厚さはどう異なるか
刻印飾りと金襴模様
第一四〇章 金地に、まず光輪を印し、刻印模様をつけ、像の輪郭を描き起こすにはどうするか
第一四一章 金地に、赤あるいはその他の望みの色を用いて金襴を描くにはどうするか
第一四二章 金襴や銀襴の素描をし、搔き落しをし、刻印模様をつけるにはどうするか
第一四三章 豪華な金襴や銀襴、あるいはオルトレマリーノの錦の描き方、また金ニス錫箔を壁に用いる法
第一四四章 ビロードや毛織や絹地を壁や板に描くにはどうするか
板絵の彩色法
第一四五章 板への彩色法と顔料の溶き方
第一四六章 青や金や紫の衣服を描くにはどうするか
第一四七章 顔、手、足、その他すべての肌色はどう彩色するか
第一四八章 男の屍とその髪や髭を彩色する法
第一四九章 負傷した男あるいは傷口はどのように彩色するか
第一五〇章 壁や板で、魚のいる池や河はどう彩色するか
モルデンテとワニス
第一五一章 織地や飾り模様に金箔を置くのに用いる良質のモルデンテのつくり方
第一五二章 金箔をより速やかに置くためには、このモルデンテをどう調合するか
第一五三章 にんにくを原料とするもう一つのモルデンテの製造法と、これを用いるに適した場所
第一五四章 ワニスがけについて
第一五五章 板絵にワニスをかける時期とその方法
第一五六章 ワニスをかけた絵に見せる即席の方法
Ⅴ
写本彩飾画
第一五七章 紙に彩飾をして金箔を置く法
第一五八章 紙に金箔を置くもう一つの方法
第一五九章 金に似たポルポリーナと呼ばれる顔料のつくり方
第一六〇章 金泥と銀泥はどのようにしてつくり、木の葉や飾り模様に用いるか
第一六一章 紙に描くのに用いる顔料について
布に描く法
第一六二章 麻布やゼンダードに描く法
第一六三章 帷のような黒や青の麻布に描く方法
第一六四章 刺繡職人のために下図を麻布やゼンダードに描く法
第一六五章 天蓋、団旗、教会旗などをゼンダードに描き、光輪や地に金箔を置く法
第一六六章 ビロードに彩色して金箔を置く法
第一六七章 毛織地に描く法
各種の画法
第一六八章 行列や騎馬試合のための馬衣や制服に紋章をつける法
第一六九章 行列用あるいは長官用の冠飾りや兜をつくる法
第一七〇章 手箱や金庫に飾りや色をつける法
第一七一章 窓にガラスで絵をつくる法
第一七二章 聖遺骨箱をガラス絵またはモザイクで飾る法
第一七三章 布地に型染めをする法
第一七四章 石像に金箔を置いて磨きをかける法
第一七五章 絵を描く壁の湿気を除くにはどうするか
第一七六章 これと同じ効果の別の二つの方法について
第一七七章 緑土を用いてセッコで室内や開廊に制作する法
第一七八章 緑土で描いた板絵にワニスを引く法
第一七九章 人の顔に彩色したあと、その色を洗って取り去る法
第一八〇章 素肌に化粧水を用いることを女たちはなぜ慎まねばならないか
型取り法
第一八一章 自然物の型取りはいかに有益であるか
第一八二章 男や女の顔を実物から型取りするにはどうするか
第一八三章 顔の型取りを行う際にその人の呼吸を保たせる法
第一八四章 人の顔に石膏を流して型を取り、剝がして保存しておき鋳造する法
第一八五章 男や女の全身裸像あるいは動物の全身像を型取りし鋳造する法
第一八六章 自分の体の型取りをして鋳造する法
第一八七章 鉛の小像の型を取り、石膏の型取りでそれを増やす法
第一八八章 蠟や石膏で貨幣の型取りをする法
第一八九章 灰の練り物で封印や貨幣を型取りする法
訳者あとがき
文献略号表
色名表
用語解説
辻 茂(つじ・しげる)
1930-2017年.専攻はイタリア美術史.東京藝術大学名誉教授.著書に『詩想の画家 ジョルジョーネ』(新潮社),『遠近法の発見』(マルコ・ポーロ賞受賞,現代企画室)他.美術全集の編集も多数.
1930-2017年.専攻はイタリア美術史.東京藝術大学名誉教授.著書に『詩想の画家 ジョルジョーネ』(新潮社),『遠近法の発見』(マルコ・ポーロ賞受賞,現代企画室)他.美術全集の編集も多数.